右は左で、左は右
毎週ショートショートnoteの企画参加作品
今日のお題は「左右研究」。
3歳のヨシくんとお父さんの微笑ましいやりとりを物語にしました。
本文:右は左で、左は右
ヨシくんは3歳。お父さんの車に乗るのが大好きです。
今日も助手席にちょこんと座り、まるで運転手の助手のように張り切っています。
最近覚えたのは、「右に曲がります」「左に曲がります」という合図。
でも、右と左がどうしてもわからないのです。
「ご飯を食べる方が右だよ」
お父さんはやさしく教えてくれます。
けれど、曲がるたびに景色がぐるぐる回り、すぐにわからなくなってしまいます。
「右!……あれ?ちがう?左?」
ヨシくんの号令はだんだん大きな声になり、お父さんも思わず笑ってしまいました。
「ヨシくんは“左右研究中”だな。理解できるまで事故を起こさないようにしないと」
お父さんはそう言って、ハンドルをしっかり握ります。
間違えても、お父さんは決して怒りません。
なぜなら――お父さんも小さな頃、同じようにしていたから。
そのときは、おじいさんがやさしく教えてくれたのです。
左右研究。
親子でここまで似なくても……
お父さんはヨシくんを見ながら、そっと微笑みました。

あとがき
「右と左」――大人にとっては当たり前でも、子どもにとっては小さな大冒険です。
間違えながら覚えていく姿を、親子三代の優しさと一緒に描いてみました。
フィクションですが、読んだ方が思わず微笑んでしまうようなお話になれば嬉しいです。
毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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