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猫にこんばんは#アマノ文筆クラブ

アマノ文筆クラブに企画参加作品

まえがき

夜の静けさの中、猫たちは人間の知らない世界で集います。
そこには、やさしさも、知恵も、そして小さな奇跡もあります。
今日はそんな“猫の夜会”に、少しだけお邪魔してみましょう。


本文

夜になると開かれる猫の夜会。
合言葉は「猫にこんばんは」。

長老の猫が夜会を見渡すと、
「ゴマがいないな。誰か知らないか?」
猫たちは辺りを見渡しながら、
「そう言えば最近見かけないな」と囁きました。

「ゴマの家に行って様子を見てきてくれないか?」
一匹の猫がゴマの家へ向かいました。

家には電気もついていなくて、真っ暗。
「ゴマ…ゴマ…」と呼んでも返事がありません。
帰ろうとした時、ゴマが現れました。

ゴマは震える声で言いました。
家族がいなくなった、と。
そしてとても弱っていました。

何でも病気を治すという、こたつ婆さんの所へ連れて行くと、
「お金をもらわないと診ないよ」と冷たく言われました。

長老の猫は、こたつ婆さんの耳元でゴニョゴニョ何かを伝えました。
すると、婆さんは小さくため息をつき、
「まぁ、あたしも冷たい猫じゃないからね」と言って、ゴマを診始めました。

「ちょいと悪いがね、カンゾウの木の根元を少し持ってきておくれ」
薬屋の猫は家からカンゾウの木と高麗人参を持ってきました。

「後は、ゴマが生きようと思う気持ちだけだよ。」

猫の夜会は、ゴマを心配する猫たちで満員になりました。

夜が明ける頃には、ゴマは元気を取り戻しました。
夜会は解散。
それぞれの家へ猫たちは戻っていきました。

長老の猫は、一体こたつ婆さんに何を伝えたのでしょう……

ゴマが元気を取り戻した頃、
あの家に家族が戻ってきました。

ゴマはみちちゃんに抱きしめられて、幸せそうに笑っています。

今夜も猫の夜会が開かれます。
合言葉は——
猫にこんばんは!


イラスト:ChatGPT

あとがき

小さな命の灯りが、またひとつ戻った夜。
猫たちの世界にも、人の世界にも、
そんなやさしい奇跡が、きっとあるのだと思います。

アマノ文筆クラブのお題に書かせて頂きました。
甘野さん、お題をありがとうございます。


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