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思い出はガラスのような輝き

【第24回】3つのお題に空想のひらめきを

🍊第24回 3つのお題
🎈お題①:「たそがれ列車」
🐾お題②:「ひび割れた月」
⏳お題③:「ガラスの舟」

まえがき

3つのお題を見ても、はじめは何も浮かばなかったのに、
タイトルだけを置いた瞬間、ゆっくりと手が動きだしました。
どこへ向かうのかわからないまま、物語が私の手を導いていった——
そんな一編です。


本文

おとうさん、おかあさん、ここに来て。
ほら、ぼくの好きな花が咲いたよ。

小さな男の子は、白い花が大好きだった。
庭には四季を通じて白い花が咲き、
元気なときだけ、男の子はそこへ出ていくことができた。
それ以外の日は、窓ごしに花を見つめていた。

おとうさんとおかあさんは、
男の子の治療法を探し続けたが、
見つけることはできなかった。

そして最後は、
家で過ごせるようにと、
男の子は自分の部屋へ帰ってきた。

その部屋には、たくさんの白い花と——
男の子が物語を乗せて遊ぶ、
ガラスの舟が置かれていた。

男の子は毎晩のように物語を作り、
おかあさんに聞かせていた。
ガラスの舟はいつも、その物語を乗せて静かに光っていた。

夕食を終えた夜、
少し調子がよくなった男の子は、庭へ出た。
空には、ひび割れたように見える月。

「今日の月は、ひび割れた月だね。」

男の子がそう言うと、
おとうさんとおかあさんも、並んで月を見上げた。
ひび割れた月は、涙の跡のようにも見えた。

「おとうさん、おかあさん、今までありがとう。

ぼくは、おとうさんとおかあさんの子どもに生まれて、
ほんとうに幸せだったよ。」

声は小さいのに、その言葉は胸に深く落ちた。

「これからのおとうさんとおかあさんの悲しみを思うと、
ぼくの胸ははりさけそうだよ。

でもね、ひとつだけ願いがあるの。

もし、ぼくがいなくなって、
おとうさんとおかあさんが
一緒に暮らせなくなったときは——
ぼくが50歳になる日、
虹の丘に二人で来てほしい。

それだけが、ぼくの最後のお願い。

きっとその日は、
たそがれ列車が走っているよ。

ありがとう。」

その言葉は、月の光の中へ消えていった。


イラスト:ChatGPT

あとがき

書きながら、どこへたどり着く物語なのか、自分でもわかりませんでした。
でも最後のひと言が現れたとき、
「この物語はここへ行きたかったんだ」と気づきました。

読んでくださったあなたの心にも、
白い花とガラスの舟の光が、
そっと寄り添うことを願って。

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