おむすび山のおばあさん
🍊第49回 3つのお題(日本むかし話)
🎈お題①:「おむすび山のたぬき」
🐾お題②:「山奥の白へびさま」
⏳お題③:「山ねずみの灯り屋」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
タイトル
おむすび山のおばあさん
【まえがき】
むかしむかし、山に囲まれた小さな村に、とてもやさしいおばあさんが住んでおりました。
困っている人や、お腹をすかせた動物がおると聞けば、どこへでも出かけて行く、そんなおばあさんでした。
これは、そのおばあさんと白へびさまのお話です。
【本文】
むかしむかし、ある村に、とてもやさしいと評判のおばあさんが住んでおりました。
おばあさんは、お腹をすかせたたぬきがおると聞けば、おむすび山まで出かけて行き、おむすびを食べさせてやったそうです。

村人たちは、そんなおばあさんを「おむすび山のおばあさん」と呼んでおりました。
ある日のこと。
山奥に住む白へびさまが病気になったという噂が流れてきました。
白いへびは神さまだと言われており、誰もがその姿を見たいと山へ向かうのですが、一度も見た者はおりません。
けれど、おばあさんは違いました。
「病気で困っとるなら、薬を持って行かんとねぇ」
そう言うと、おばあさんは薬草を煎じ、白へびさまの住む山奥へ向かったのです。
深い山道を進み、岩場を越えたその時でした。
するすると、白いへびがおばあさんの前に姿を現したのです。

けれど、おばあさんは驚きませんでした。
「さぁ、これをお飲み。きっと身体が楽になるはずじゃ」
白へびさまは、おばあさんの薬を静かに飲み干しました。
しばらくすると、白へびさまはゆっくり顔を上げました。
「お礼をしたい」
すると、おばあさんは笑って言いました。
「礼なんていらんよ。元気になってくれたら、それで十分じゃ」
白へびさまは、何も言わず、おばあさんの背負ったかごの中へ、そっと何かを入れたのでした。
それからというもの、おばあさんは不思議と若者のように元気になっていきました。
山道を歩いても疲れません。
朝起きても、どこも痛みません。
村人たちは不思議がりましたが、おばあさん自身にも理由はわかりませんでした。
それでも、おばあさんは以前と変わらず、困っている人がおると聞けば、どこへでも出かけて行きました。
ある夜のことです。
行灯の燃料がなくなったおばあさんは、「山ねずみの灯り屋」へ買い物に行きました。
小さな灯り屋には、山ねずみが住んでおりました。

「おばあさんは、いつも元気じゃのう。その元気はどこから来るんじゃ?」
すると、おばあさんは笑いながら答えました。
「私にもわからないんじゃ。いつの頃からか、朝起きてもどこも痛くなくてねぇ。日増しに若返っているような気さえするんじゃよ」
山ねずみは、うんうんとうなずきました。
「そりゃあ、おばあさんの徳のおかげじゃ」
「徳?」
「人に優しくした分だけ、福は巡ってくるもんじゃ」
おばあさんは、照れくさそうに笑いました。
「ありがたいことじゃねぇ。私は、困っている人が困らなくなるのが嬉しいだけなんじゃ」
その夜も、灯り屋の小さな灯りが、村を優しく照らしておりました。
そしておばあさんは、その後もずっと、困った人がおれば訪ねて行ったそうです。
【あとがき】
人に優しくすることは、すぐに見返りがあるわけではありません。
けれど、その優しさは巡り巡って、自分の心や人生をあたたかくしてくれるのかもしれません。
山奥の白へびさまは、今もどこかで、おむすび山のおばあさんを見守っているのかもしれませんね。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします😊これからも続けていく”未来の種”になります。よろしくお願いします。(❁´◡`❁)