かわいいライト買ったよ~
アマノ文筆クラブの企画参加作品
まえがき
夜のコンビニには、
予定外の出会いが、時々あります。
必要なものだけを買うつもりだったのに、
なぜか気になって、
どうしても頭から離れないもの。
今日のお話は、
そんな小さな「気になる」から始まります。
かわいいライト買ったよ~
一人暮らしの紗季は、コンビニに夕食を買いに出かけた。
レジの近くにキャラクターグッズが並んでいて、
なんとなく足を止める。
その中に、懐中電灯があった。
――これ、かわいいな。
値段を見る。
2000円。
うわっ、高い。
やっぱり、やめとこう。
そう思ってコンビニを出たのに、
歩きながらも、あの懐中電灯が頭から離れなかった。
気づけば、足はもう一度、コンビニに向いていた。
懐中電灯を買った紗季は、
夜の街でスイッチを入れてみる。
今どきの白くて明るい灯りかと思ったら、
少し暗い。
……あーあ。
2000円も出したのに、損しちゃった。
そうつぶやきながら、アパートに戻った。
部屋に入り、レンジでパスタを温める。
ふと、懐中電灯を眺めていると、
小さな文字が目に入った。
「部屋の灯りとしてお使いください」
部屋の灯り?
試しに、懐中電灯を置いてスイッチを入れてみる。
さっきは暗いと思った光が、
今度は、ちょうどいい明るさで部屋を照らした。
――うわっ、これ、かわいい。
ライトは虹色に変わり、
キャラクターの形が、ゆっくり動く仕掛けになっている。
紗季は、友だちにLINEを送った。
「かわいいライト買ったよ~」
すぐに返信が来る。
「私も欲しい!どこのコンビニ?」
場所を伝えると、
しばらくして、友だちからまたメッセージが届いた。
「そこ、行ったけど
そんな商品、置いてなかったよ?」
紗季は、懐中電灯を見つめた。
……このライト、
いったい、どこから来たのだろう。

あとがき
かわいいものは、
いつも、役に立つために
そこにあるわけではないのかもしれません。
少し不思議で、
少し安心できて、
誰かの夜をやさしく照らすために、
ひっそり現れることもある。
もしあなたの部屋にも、
理由はわからないけれど
なぜか手放せない灯りがあるなら――
それはきっと、
今日のあなたに必要な光なのだと思います。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。
※この物語はフィクションです。
アマノ文筆クラブのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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