僕はどこに
毎週ショートショートnoteの企画参加作品
もうどれくらい、この洞穴にいるのだろう。
時間も季節もわからない。
生きていることさえ不思議だ。いや、生きているのかどうかも、わからなくなってきた。
食べるものは……言えない。
闇の中で、僕は咳をするようになった。
花粉症?いや、ここに花粉などあるはずがない。
ここは古墳の中だから、古墳症とでも名付けよう。
この古墳は、一体いつできたのだろう。
思えば僕は、古墳の研究一筋で生きてきた。
結婚?そんな言葉は僕の辞書にはない。
というか、もてない男なのさ。
僕は導かれるように、ここへ来た気がする。
闇の中に浮かぶ灯りが、僕を誘っているように思えた。
今夜、洞窟の外へ出ることを決意した。
もうこれ以上、ここで暮らすのは無理だった。
鏡がないからわからないが、
きっと風貌も変わっているに違いない。
崩れた洞穴を掘りながら、ゆっくりと進む。
体力も限界に近づいたころ、月の明かりが見えた。
その光を頼りに、さらに掘った。
地上へと帰還した。
そこは古びた祠の近く。
遠くで合戦の声がする。
ここは……
(427字)

毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
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