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中国のスポーツ選手が変わった件

1.はじめに


体操の、中国代表の、張博恒くんに驚いた。
私は体操競技の詳細はよくわからないが、張くんの能力はもちろん、今までの中華スポーツ選手にはない、あの柔らかで、爽やかなキャラに、びっくりすると共に、時代は変わったなぁ、としみじみ思ったのだった。この記事では、私がなぜ彼に驚いたのか、そして、体感、中国のアスリートがどう変わってきたのかを簡単に書く。

↑張博恒くんの中国版wiki 百度百科

2.張博恒くんに驚いた中華ヲタ私


先日、パリ五輪現地観戦をしてきた。詳しくは主題からずれるので、別のnoteに書くが、私は、体操男子の、谷川航くんが大好きすぎて、彼のオリンピックの試合をどうしても現地観戦しに行かなくてはならない気がして、体操男子の団体と個人総合の決勝を、パリ、ベルシーアリーナに見に行ったのだった。
体操ニッポンのライバルといえば、ロシアと中国であり、今回はロシアが出ていなかったので、自然と日本のライバルは、中国ということになり、日本のエース、橋本大輝くんvs中国のエース、張博恒くん、という感じに盛り上がっていた。繰り返すが、私は谷川航くんのヲタである。

加えて、私は台湾が好きすぎて、中国語ができるので、仕事で中国行く機会も多く、中華ネタは、スポーツ以外にも色々気になる中華ヲタでもある。

したがって、現地でも、中国代表の姿はウォッチしていた。さらにいうと、私は22年のリバプールでの世界体操も谷川航くんをみるために現地観戦しているので、張博恒くんをリアルでみるのは、2回目でもあった。22年当時から、中国のエースかっこいいなー、くらいには思っていたが、パリで見た彼は、2年前よりますますかっこよくなっていた。

3. 爽やかスポーツマン(しかも雰囲気が柔らかい)

男子団体決勝時、最終種目の鉄棒で、中国の選手にまさかの2回の落下があり、本邦のエース、橋本くんの活躍もあり、我が国はめでたく金メダルを獲得。私もわざわざ来たくもないパリに13時間もエコノミークラスに乗ってきた甲斐があった、と感動していた。その時、張博恒くんは、鉄棒で失敗した選手の方を抱き、必死に支えていた。

その爽やかなスポーツマンシップに、会場のみんなが感動したと思う。私もそうだった。

ちなみに、我らが日本のエース、橋本くんも、張博恒くんの鉄棒演技前に会場に向けて、しーっとジェスチャーした姿が、アメリカ、PEOPLEにも取り上げられていた。2人のライバル関係は、本当に見ていて爽やかな気持ちになる。

第3位に、橋本くんが。タイトルは、Quiet down!

そんな爽やかな2人を見ていて感動すると共に、私は中華ヲタとして、今までこんな選手は中国にはいなかったよな、と驚きもした。

4.中国におけるこれまでのスポーツ選手

なぜ、私が彼に驚いたか。はじめに、中国におけるスポーツ選手の育成についてちょっと説明をする。
前提として、中国では、日本のように放課後の運動部に生を出す学生は一般的ではない。
基本、教育ママによる、スパルタ詰め込み教育が、デフォルトであるため、放課後は自習や補習班という、塾に通うのが普通である。(いまは塾に規制があるみたいだが、グレーゾーン的に健在らしい)
余談だが、中国人も、スラムダンク(中国語では灌籃高手という)は大好きだが、普通の公立学校に通う、桜木花道が、夏休みの間中、バスケばっかりしてる姿をみて、文化の差は感じているらしい。
基本、勉強できる人がすごいし、それに価値を見出す中国社会では、まず、普通の学生をやりながらオリンピアンになりました、みたいなことは、考えにくい。張博恒くんの、ライバル、橋本くんは、オリンピアン、しかも金メダリストなのに、あんなに賢くて、聡明なのは、中国人からみたら、驚愕だったはずだ。

そんな中で、どんな人が張博恒くんのような、オリンピアンになるのか。それは、小さな頃に才能を見出され、體育學院と言われるような、アスリート養成学校のようなところで、英才教育を受けた人たちである。 どうやら、一般の学科などはあまりやらないらしく、その競技は素晴らしくできるけど、一般常識からは、かけ離れた人、みたいなアスリートが、散見される。
したがって、もし怪我したりして、アスリートとしての道が閉されたら、なかなか生きていくのは難しい、裸一貫、結構ギャンブルな生き方ではある。
前述のように、中国は、お勉強こそ正義のハイパー学歴社会である。しかも、今の若者は、一人っ子が基本なので、みな、教育には無限課金する一方、そんな、失敗したら人生終わりな生き方に、子供を突っ込みたい親はあまりいない。
昔、80年代などのまだ、中国社会に社会主義の色が残っていて、全体的に貧しかったころは、貧乏なままよりは、と一か八かの賭けに出て、子供をそう言った進路に進ませたい親もいたし、当時はオリンピックにでたら賞金が弾んだり、と、一定のインセンティブがあったらしい。
高飛び込みなどが有名な事例で、あれは80年台のまだ貧しかった中国の農村から、才能ありそうな人をかき集めてきて、英才教育をして、強くなったらしい。
上記のような背景から、中国における従来のアスリートは、言い方は良くないけれど、一般的に日本よりは尊敬されていなかったと思うし、競技だけはできるけど、素行的にどうなの?みたいな人も多かった。
そんな中で張博恒くんは、競技の成績はもちろん、人間的にもすばらしく、紳士的な姿を見せてくれた。私は、とてもびっくりするとともに、いい意味で、中国のアスリートも変わっているのだ、と、少し嬉しくなった。

5.従来の中国アスリートのイメージ、孫楊

私的に中国のアスリートで一番インパクトがあったのが、先日、ドーピング違反からの復活を果たした孫楊さんである。彼は五輪金メダリスト、間違いなく一流のスイマーであるし、能力に疑問の余地はない。が、定期的に、斜め上をいく、!?!?なニュースが話題になる。


金あるんだから免許くらい取れや、と思うが、無免許でポルシェのSUVを爆走させ、事故って捕まったり。
一番インパクトが強かったのが、以下のドーピング事件である。


ドーピング違反の嫌疑で、彼の自宅に検体を取りに来られた際に、彼の警備員が、なぜか検体ケースを金づち!で破壊するという、パワープレイに出ており、金づちってなんだよ!?と、非常にインパクトがあった。ドーピング違反の経緯は詳しくわからないが、金づちで襲われたスタッフが気の毒すぎる。能力あるんだから普通に頑張れよ、なのだが、このときの中国の論調は、一般常識を学ばず育つからああなる、という冷ややかなものだった気がする。
別に、めっちゃキャラ立ちしまくっている彼を代表として中国のアスリートを論じるのは正しくない気もするが、少なくとも、特殊な環境で育ったアスリートの、非常識な振る舞い、と、いう感じに受け止められていた。
彼はまた、プールでの振る舞いも物議を醸すことが多く、せっかくの才能を無駄にしている感すらあった。

6.張博恒くんとは

だいぶ前提が長くなったが、私が、びっくりした張博恒くんとは、何者か、簡単にプロフィールを見てみる。ちなみに繰り返すが私は、中国語ができるだけであり、体操競技についてきちんと理解しているわけではない。したがって、ここでは、彼の微博を中心に人となりを見てゆく。

張博恒くんは、2000年に湖南省の長沙という、毛沢東の故郷の街で生まれている。いわゆる上海や深圳のような沿岸部の大都会よりは、だいぶ田舎である。
彼は、普段、湖南省の体操チームで活動していて、湖南省体育学校→地元の師範大学の大学院生しながら、体操をしているらしい。経歴だけ見ると、中国の典型的スポーツエリートである。

ちなみに中国のアマチュアスポーツ選手は、普通、各自治体(広東省とか上海市とか)のスポーツチームに所属し、人民運動会という、日本でいう、国体のような大会に向けて活動している。この運動会の成績が各自治体に配属された共産党官僚の成績の一部として評価されるので、各自お金をかけて強化をしている。その中でも全中国的に優秀な選手がオリンピックに出る仕組みである。

そのような中で、彼の微博を見ていると、1.ぬいぐるみを持っていたり可愛い印象の写真たくさん 2.女子ファンからの書き込みがたくさんであることがわかる。


8/8のポスト。帰国して一番初めに起きたニュースは、猫カフェにいったこと、性格がおとなしくって優しい猫ちゃん大好き🩷と投稿。かわよっ!

とても可愛い、癒される。

中国はなぜか、男女は平等に活躍している国なのに、いまだに男の子は男らしく!みたいな圧力が一定ある社会で、この柔らかさは、ちょいびっくり。
その他にも、部屋にドラえもんがあったり、結構可愛い趣味であることがわかる。
ニックネームは、茶茶(チャチャと読む)らしい。可愛い。
全然関係ないが、彼はよく聞く曲を聞かれた際に、
劉德華(アンディ·ラウ)や、黎明(レオン·ライ)とか、90年代懐メロを挙げており、私的に中国語で、男子に歌ってほしい歌No.1,劉德華の忘情水を、彼に歌ってほしい。

給我一杯忘情水!
Z世代たる彼が、なぜ90年代懐メロが好きなのかよくわからないが、私の世界一好きな芸能人は、香港の故•張國榮(レスリーチャン)であるので、なんかちょっと嬉しい。

6.人間味を感じるアスリート

張博恒の8/6の微博ポスト。オリンピックの21回の演技は、僕のやってきたことの証明。金メダル取れなかったけど、こんな困難は人生ではあったりするよね、とコメント。泣ける。

なんか書いていて自分も泣けてきた。張博恒くんは、団体、個人総合と、フルパワーで演技しまくり、本当にかっこよかった。私には演技の良さのイロハはわからないけど、中国は日本のライバルだけど、会場で思わず応援してしまった。
思えば、彼は、金メダルをとって当たり前という期待の中、淡々と頑張ってきたし、それ以上に、チームメイトや、我々日本の選手に対する思いやりを、欠かすことはなかったんだよなー、と思う。

アスリートだって、もちろん人間だし、結果が伴わないことだって、残念だけどあるはずで。
国際スポーツ大会が、国威啓発的に使われがちな中国であれば、なおさら、彼のプレッシャーって、すごかったはずなのに。

お互いに金メダル期待されまくっていながら、ちょいうまくいかなかった、日本の橋本くんと、中国の張くんの写真。2人とも本当に素晴らしかったよー涙

私はここまで人間としてのキャラ(しかも大変魅力的)を出してきた中国のアスリートを知らないし、キャラ立ちするとしても、前述の孫楊さんのような方面じゃない感じで、人間を感じるのは、おそらく初めて見た気がした。ともすれば、スポーツサイボーグみたいな育て方されがちな中国において、彼の存在は、とにかく新しかったし、いい意味でびっくりした。
これから、彼がどうなるか、中国にどんなアスリートが出現するかは、私にはわからないけれど、私は彼を応援したいし、彼のような、心技体揃った選手が増えたら、中華ヲタとして、とても嬉しい。

最後に、繰り返すが、私は体操競技の、谷川航くんのヲタである。彼は体操界のアイドルなので、ぜひ、中華女子たちにも、注目してほしいな。

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