スーパーの実態 食品小売の生産性 / 労働集約型の極み
食品小売業が儲からない理由
色んな業種がありますが、小売業は利益が少なく、
その中でも食品は特に低い。
それは体感的にも、統計上の数字としても明らかです。
なぜ、そうなっているのか。
自分は八百屋がメインなので、
八百屋の話で進めます。
まず仕入れに行き、荷下ろし、袋詰め等の加工、売り場作り。
物量としては2トントラック1台分くらいで売上は60万前後。
この規模だと、フルタイムが2〜3人、半日のスタッフが2〜3人ほどの
人手が必要になります。
例えば、ジャガイモを2トン仕入れたとします。
トラックから降ろして、袋詰めして、原価100円の商品を138円くらいで売る。
2トンの物量を捌くのは、相当にハードです。
利益率はロスも含めて、最終的に25%前後。
売上60万なら利益は15万です。
一方、一日の人件費は5万前後ですが、社保や雇用保険、賞与の積立まで考えると7万近くは必要。家賃、光熱費、レジ通過料、トレーなどの消耗品代を合わせると、経費は15万近くまで膨れ上がります。
ジャガイモは、どこまで行ってもジャガイモです。 魚のように「刺身」にして付加価値を乗せることはできません。
かと言って、スキルが不要なわけじゃない。
目利きができなければロスが増え、
相場に合わせた利益率のコントロールができなければ、
利益は確実に減ります。
一般的なスーパーは、この「利益の出ない八百屋」を客寄せの餌にし、
利益の取りやすい肉や魚で帳尻を合わせることで
成り立っているケースが多い。
最近では大手チェーンが効率化を進めていますが、
その代償として「個性」が失われる弊害も出ています。
うちのスーパーは、その逆を攻めました。
他社が人件費を削り、生鮮3品(野菜・肉・魚)を手薄にする中、
あえてスタッフを厚く配置。野菜、肉、魚を前面に出し、
「個性」として差別化したのです。
その戦略は当たり、地元の競合が次々と潰れていく中で、
私たちは生き残ることができました。
しかーし
それは「諸刃の剣」でもありました。
スタッフのマンパワーに依存した、労働集約型の極み。
従業員の犠牲の上に今の売上がある。
目を逸らし続けるのは、もう限界です。
自分自身も、家族で晩御飯を食べる、子供の行事に出る、
家族で旅行に行く。
そういった当たり前のことが出来る状態にありません。
なんとかしたい
そう思っていますが、
従業員もまた、似たような状況に置かれています。
まず従業員の労働環境を改善しない限り、
自分が我先にプライベートを謳歌することなんてできません。
昭和の流れを断ち切る時がきた。
いや、遅すぎるくらいなのかもしれません。
この構造を改革することこそが、二代目としての大きな役割。
そう自分に言い聞かせ、いま、色々と動き出しているわけです。
口先だけで終わらないように。 頑張ります(笑)。
次回、カートで爆走するお婆ちゃんたち。消滅可能性都市の最前線で見た光景
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