AIが教えない『非効率』な旅でクスコからマチュピチュへ、自分の嗅覚を信じた結果【女一人、世界一周】
クスコからマチュピチュには100キロ以上の距離があり、個人旅行では移動の手配も必要になります。南米大好きな知人のインスタで行き方をぼやっと知っていたのですが、1人で行くにあたって(直前ですが)調べました。

いつかはマチュピチュ、くらいの方の参考になればうれしいです。
快適さなら列車、安さならスタンドバイミー
クスコからマチュピチュ村への一般的な移動手段は2つです。他に、数日かけてトレッキングする人もいるそうですが、そんなの調べてもないので割愛します。
➀観光列車
1つ目はクスコとアグアス・カリエンテス村(通称マチュピチュ村)を結ぶ観光列車に乗ること。快適だが、一番安い座席でも片道1万円ほどして、マチュピチュの一般的な入場料(62ドル)より高い。

②バス+徒歩のスタンドバイミー
数時間の移動にそんなに払いたくないというバックパッカー向けの2つめの手段は、バスと徒歩の組み合わせ。クスコから片道3000円前後のバスで6~7時間かけて水力発電所という地点に行き、線路の上を10キロほど歩く、通称「スタンドバイミー」コース。標高2000メートル以上の線路を数時間歩くので、体力に自信がある人向き。
10年前だったらスタンドバイミーを選んでいた気がしますが、免疫低下に悩む50歳の私は、周りの人に迷惑をかけないように穏便に観光列車を選択しました。
そうすると、ここからさらに複数の選択肢が出てくるのです。個人旅行って楽しいけどめんどいよね。
ChatGPTもGeminiもバス+列車を推奨
東京ー大阪間の列車移動にのぞみから青春18きっぷまであるように、マチュピチュ村まで列車で行く、と決めてからもいくつもの選択肢があります。
2つの鉄道会社
まず鉄道会社はペルーレイルとインカレイルの2つがあります。ANAとJALみたいなもので、座席に複数のクラスある点などは共通していますが、細部が違う。往復予約すると割引が利くのですが、この際、往路と復路でそれぞれ乗ってみることにしました。
クスコ市内から直通の列車は超マイナー
そしてクスコとマチュピチュを村を結ぶ観光列車と言いながら、多くの人が選ぶのは「クスコ市内からオリャンタイタンボ駅までバスで2時間強かけて行き、同駅からマチュピチュ村まで列車に1時間半乗る」ルート。列車のオンライン予約サイトで検索すると、大半の便がこの組み合わせです。
ガイドブックや旅ブログにも「シャトルバス&観光列車」が一般的だと書いてあるし、世の中の情報を学習する生成AIも、同ルートを推奨してきます。


しかし、ペルーレイルはクスコ市内とマチュピチュ村を直接結ぶ列車も運行しています。一見便利そうに見える直通列車がなぜマイナー扱いなのでしょうか。
それはクスコ市が盆地に位置し、列車で抜けるために山越えが発生するからです。
観光エリアに立地するサンペドロ駅から出発すると、10キロ先にある隣駅のポロイまでスイッチバックを繰り返しながら40分もかかります。したがってサンペドロ駅からマチュピチュ村までの直通列車の所要時間は4時間半に達し、シャトルバス&列車よりも長くなってしまうのです。
クスコ市郊外にあるポロイ駅から出発すると、マチュピチュ村まで3時間半で到着できるものの、そうするとクスコ市街からポロイ駅まで交通手段を自分で確保する必要があり、費用がそれなりにかかってしまいます。
というわけで、クスコ市街地にある鉄道会社のオフィスからオリャンタイタンボ駅までシャトルバスで行き、ウルバンバ側など景勝地が連なる区間だけ列車を使うのが「効率の面」では最適解になるのです。
直通列車は早朝しか運行していない
だからサンペドロ駅からマチュピチュに向かう便は長く運休だった時期があるし、現在も朝6時台、7時台の2本しか走っていません。生成AIのGeminiはサンペドロ駅に言及もしていないし、ChatGPTも心なしかデメリットを強調しているように感じます。ダメ押しすると、クスコ市内とマチュピチュを結ぶ列車は雨季の1~4月は運休します。
相当な列車好き以外にはとにかく使いづらく、「非推奨」扱いされるのも分からないでもない。
あえて非推奨ルートを選択
それでも私はサンペドロ駅から列車に乗ることにしました。
宿泊の候補にしていたホステルから同駅が徒歩で行ける距離にあったのと、「時間ばかりかかる」という非推奨の理由が、私の脳内で「価格が高い列車に長時間だらだらと乗れる」と変換されたからです。用もないのにチェックアウト数分前までホテルに滞在しがちな貧乏性がここで発動してしまった。
ルートと日時を決めたら次に選択するのが車両クラス。サンペドロ発には上級の「Vistadome(ビスタドーム)」とエコノミークラスの「Expedition(エクスペディション)」があり、どちらに乗るかマチュピチュ旅行者の間でしばしば議論になります(さらに上のクラスもあるが、片道約10万円するので検討せず)。
価格差はおおむね25ドル。往路の場合、主な違いは窓の大きさとスナック菓子とドリンクが含まれているか否かでした。
写真を検索してもらえれば分かりますが、一番安いエクスペディションでも座席の窓が大きく、さらに天窓がついているので、外の景色は十分楽しめます。軽食やドリンクは車内販売でも購入できる。だから25ドルの差額は高すぎるとエクスペディションを選ぶ人も多いようです。

私も迷いましたが、往復するので往路はビスタドームを予約しました。価格は88ドル、旅行時(2024年10月末)のレートだと1万4000円弱。朝食付き3000円のホステルに泊まっていたので5泊分に相当すると考えたらやっぱり高い。
復路のインカレールは「The Voyager(ザ・ボイジャー)」「The Prime(ザ・プライム)」「The 360」など合計4つのクラスがあり、一番下のクラスのボイジャーを選択しました。
ちなみに予約はオンラインでできますよ。
結果的に、情報が限られる中で何となく選んだ往路の鉄道旅は、世界一周旅行で下した数々の判断の中でも5本指に入るくらい大当たりのコンテンツでした。ChatGPTは世の中の情報をもとに最適解を選んでくれているんですよね。素晴らしいルートでも、その体験談があまりネットに落ちていなければChatGPTの守備範囲外なわけで、私はできる限り、自分の嗅覚を信じて旅をしたいと改めて思いました。
さて、クスコで1泊した翌10月31日早朝6時すぎ、キャリーケースをクスコのホステルに預け、リュック一つでサン・ペドロ駅に向かいます。目指すはマチュピチュ。入場券はいまだ入手できていませんが。
