ほんとにいたんだって!
会社で隣の席の圭吾さんと、今日はネモフィラ畑にいる。
「ネモフィラ畑の下には死体が埋まっている…
なんて言われますね」
僕「それは桜…
いや、このシチュに相応しくない話題やめて!?」
「死体の地を吸った花は、青くなるんですね」
僕「だから桜だよっ、噂の根源は!」
「…すみません、冗談です」
呆れる僕の視線の先に、青白い顔と白い着物姿が通り過ぎる。
僕「…血を吸われるから、青白くなるのかな…」
圭吾さんはレモンスカッシュを飲んでいる。
「もう骨だけになってるでしょうね」
僕「今、見たんだよ…青白い人」
「青い花の反射でしょう」
僕「ほんとにいたんだって!」
「それは清掃員さんです」
僕「え?」
「青白い顔で、白い衣服に、黒の長靴を履かれてました」
僕の緊張がどっと緩む。
僕「なんだ〜見ちゃったのかと思った〜」
泣きそうな僕の声に、圭吾さんは少しだけ微笑む。
それから、周りを見ても圭吾さんのいう“清掃員さん”は見当たらなかった。
お読みいただいて、ありがとうございました。本作ははらとけいさんの企画に参加しております。
