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人生の始め方【欅坂46 10月のプールに飛び込んだ 歌詞考察】

「準備ができたら始めよう。」

私たちはそう考えがちだ。
しかし、人生において本当に準備万端な瞬間など、一度も訪れない。
欅坂46の『10月のプールに飛び込んだ』が描いているのは、まさにその事実である。
10月のプールに飛び込む人はいない。
夏は終わり、水は冷たい。誰も泳いでいない。周りから見れば、「今さら」でしかない。だからこそ、この「10月」は重要なのだ。
私たちは、「そのうち始めよう」と思いながら生きている。
もっとお金が貯まったら。
もっと自信がついたら。
もっと実力がついたら。
しかし、その「もっと」は永遠にやって来ない。
準備万端とは、未来への幻想だからだ。
どれだけ経験を積んでも、不安は消えない。どれだけ知識を身につけても、「本当にこれでいいのか」という迷いは残る。
つまり、人はいつだって中途半端なのである。
だから人生は、完成してから始まるものではない。
未完成のまま始めるものだ。
「10月のプール」とは、その未完成さの象徴である。
それでも飛び込む人だけが、水温を知ることができる。
外野で考え続ける人は、一生、水の冷たさを想像することしかできない。
人生も同じだ。
転職も、挑戦も、恋愛も、人との出会いも、「準備が整った人」ではなく、「整っていないのに動いた人」が人生を変えていく。
だから、この曲は青春の歌ではない。
人生の始め方を歌っている。
人生は「夏」を待っていても始まらない。
誰も入らない10月のプールに飛び込める人だけが、合理の外側に行ける人だけが新しい景色を見ることができる。

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