ロボットが建設をやってくれるという幻想をまき散らすな
日本のゼネコンが人手不足をロボットで解決!的な宣伝をするので、本当にできると勘違いしている日本人多いですよね。危険なので本当の事を書きます。
当分は無理です。
えーでもーダムとか作ってるしー。
はいはい。特殊な材料使った特殊な工法を人里離れた場所で、整備された現場で、地上部分を実験的にやった工事でしょ?
実際の工事現場って、サムネみたいな感じなんですよ。
コタツと座布団と猫と猫のおもちゃとゲームと漫画が散らかっている部屋で、ルンバ使えないでしょ? ごちゃごちゃした都市部で自動運転実現していないでしょ?安全性、法律、採算性など、技術だけでない課題が山積みでしょう?
建設も同じです。
もちろん建設機械はデジタル化しています。リモート操作も可能でしょう。しかし実際はアタッチメントを交換したり、ホースだのコードだの動かしたり、現場にあるものをどかしたりが、頻繁に必要になります。材料を吊るにしても取り付ける訓練を受けた人が必要です。機械の調子を見て即座に直す人も必要です。これ全部ロボットができるとでも?
そんな気の利くロボットがいたら欲しいです。ドラえもーん!
あ、しかも安くないとダメね。入札勝てないから。
何かをインストールするにしても、工場じゃないので、その都度、微妙な調整が必要になります。何トンもある部材を正確に安全にインストールする技術がある、高度な訓練を受けた現場作業員が臨機応変に創意工夫しながらそれをやり遂げるのですよ。もちろんそれに使うツールの手入れや部品交換も必要です。ドラえもんでも無理です。
だいぶ前から3Dプリンターで家ができるーとか言っていましたよね。あれが本当に有用なら、今頃世界中3Dプリンターハウスだらけのはずですよね。
そうなっていますか?ゼネコンの宣伝はあんな感じです。結局自動化できているのは、事務処理や検査の一部。AIも設計の一部で利用できる程度。
まだ地上はいい方なんですよ。地下の方がさらに難しい。どんなに調査しても、掘るまではわからない部分もある世界です。どんなに最新のマシンを使っても、どんなに慎重に建設しても日々がチャレンジです。苦労の結晶で出来上がったものを見せて、ほら日本の技術は素晴らしい!とかやっていますが、どこでも技術者が見えない部分で頑張っているから成り立っているのです。
言いたい事わかります?
世間に現実見せろよ!
危機感無さすぎる。
土木工学とは言いますが、「泥水工学」と呼んだ方がいいんじゃないかと。余計に人気無くなりそうですが。
この前、埼玉県で道路陥没の問題起きましたよね。材料も、汚染防止も、インフラも、防災も、私たちの社会は泥水の制御が非常に大切なのです。これから、ますます災害が起こりますよ。
日本は、ユニオンが弱く適切な報酬を与えずにいるので、誰でもできる仕事、訓練されていない言語もわからない外国人ができると勘違いしている人が多いですが、ここ米国東海岸のユニオンで、訓練を受けているヘビーコンストラクションの作業員のベース時給は50ドル以上ですよ。これにベネフィットが40ドルくらいですかね。なので雇う側は時給90ドル(1,3000円)くらいです。
ええ。時給です。
ベーシックな作業員でこれですから、これにプラスアルファの技術がある人たち、時間外勤務、特殊の工事の時給がどれだけだと思います?
汚い服着てヘルメット被って、その辺でランチ食べている人たちは、きれいな服着て歩いているサラリーマンより、高収入で技術もあります。そりゃ立派な家に住んで、家族持って、高い車も買えますよね。
これがアメリカです。
もちろん、若いころから訓練を受けるので、作業員も外国人より米国民の方が多いです。最近は女性も増えています。パフォーマンスに差はありません。ユニオンでない、民間企業もこれに合わせるので、給与が高くなります。
外国人ももちろん多くいますが不法労働ではありません。そんなことをしたら、雇う側がペナルティになります。多くは特殊工事のエキスパートです。そうでないとビザがおりません。つまり地元民の仕事と競合しません。
そういう方々を連れてくれば、当然、更にお金がかかります。良い給料、ビザ提供、住宅手当、交通手当、全て必要になります。
ただし、ユニオンが弱く、規制が緩く、不法労働者が多い州はあります。
例えばテキサス。なのでイーロン・マスクやソフトバンクみたいな人達は、テキサスが好きなのです。米国の労働事情を語る時は、その辺をわきまえてください。
日本の建設は大手ゼネコンが有利な世界で、ガラパゴスで閉鎖的です。今までは良かったでしょうが、これから競争力が落ちてくるでしょう。
人に払わない割には、建設費高いですしね。
というわけで、AIやロボットに夢見過ぎない方が良いですよ、
自分はやりたくない、外国人も嫌だという人は、まあこれからどうなっても覚悟してね、
という話でした。
