10|「どう在りたいか」から始めるキャリア設計 ─VUCA時代に必要なのは、スキルよりもWill─
2026年2月に自社内でキャリアワークショップを実施しました。
これから同じような取り組みを考えている方の参考になればと思い、当日の内容をシェアします。
実施概要
テーマ:Will / Can / Mustで未来の展望を描く
対象:今後のキャリアの方向性を考え始めている方
90分という長時間にもかかわらず35名もの方が参加。
キャリアを主体的に考えたいというニーズの高まりを感じました。
設計意図
今回のワークショップの目的は、単なる自己分析に終わるのではなく、
「キャリア自律の第一歩を踏み出すこと」に置きました。
近年、VUCAと呼ばれる不確実な環境下で、多くの企業が「キャリア自律」を掲げています。
個人が主体的にキャリアを描くことは、結果的に個人と組織双方のパフォーマンス向上につながるからです。
また、リーダーシップの在り方も変化しています。
強く牽引するだけでなく、自身のWillを開示しながらメンバーの自律性を引き出すスタイルが求められる時代です。
その前提として、まずは一人ひとりが自分のWillを言語化できることが重要だと考えました。
プログラム構成
1|Will / Can / Mustフレームの理解
最初に基本のWill / Can / Mustフレームを解説。その後、発展形である「天職の輪」を紹介し、全体像を視覚的に理解してもらいました。
この図は、私自身にとってもWill / Can / Mustの解像度を高める助けになったものです。
円の重なりにある要素(夢 × 安定感 × ワクワク)を見つめると、「この重なりをもっと大きくできないか」と自然と考えたくなります。
余談ですが、この図を作成している時が一番没頭できて楽しかったです(笑)

2|Can / Mustの棚卸し(個人ワーク)
以下の問いを用いて整理しました。
これまでの経験で身についたこと(Can)
周囲から期待されていること(Must)
自分では当たり前と思っている強みが言語化されることで、自己効力感の醸成にもつながります。
3|Willの言語化(個人ワーク)
職種や役職はいったん横に置き、
本音はどんな状態で働いていたいか
何が満たされていると嬉しいか
感情や価値観の言葉で記述してもらいました。
「何をするか」よりも、「どう在りたいか」にフォーカスする設計です。
4|目標への転換(共有)
最後に、3要素を俯瞰しながら
今大切にしたい方向性は何か
それをどのような目標に落とし込むか
最初の一歩として何を行動するか
を整理し、任意で全体発表してもらいました。
内省だけで終わらせず、行動変容につなげることをゴールとしています。
実施して感じたこと
参加者からは、
個人ワークでじっくりと自分の想いを見つめ直す機会になった
Will / Can / Mustの図が整理に役立った
キャリアの捉え方や整理の仕方が分かった
といった声が寄せられました。
今回の実施を通じて改めて感じたのは、
・キャリアを「会社が用意するもの」から「自分で描くもの」へと捉え直す機会へのニーズは確実に高まっていること
・Willを言語化することは容易ではないが、適切なフレームや参考書籍がその助けになること
・安全な対話の場を設計すれば、参加者は想像以上に深く自己と向き合うということ
言語化は簡単ではありませんが、だからこそフレームや問いの設計が重要であることを実感しました。
なお、本セミナーの設計にあたっては、
・森田昇(2020)『売れる!スモールビジネスの成功戦略』
・大川陽介(2024)『WILL 「キャリアの羅針盤」の見つけ方』
の2冊を参考にさせていただきました。
Will / Can / Mustの整理や、Willをどのように深めていくかという視点は、これらの書籍から得た学びを土台としています。
今後に向けて
キャリア施策は単発で終わらせず、継続的な対話の機会として設計することが重要だと感じています。
今回の取り組みが、社内におけるキャリア自律文化の一歩になっていれば嬉しいです。今後も実践を重ねながら、学びを共有していきます。
