『劇場版チェンソーマン レゼ篇』
・もう少し前になるが『劇場版チェンソーマン レゼ篇』を観た。二回観た。

・そもそも、『チェンソーマン』はリアルタイムでジャンプ本誌で読んでいた漫画で、同時期に連載していた鬼滅の刃、呪術廻戦と共にTwitterのタイムラインを毎週のように沸かし、僕もその例に漏れず熱狂していた1人だった。(今思うと、あの頃のジャンプはNARUTO等が連載されていた頃以来の黄金期であったように思える。)ライブ感のある展開と、魅力的なキャラクター、青年漫画のようなドライな空気感。「ジャンプ史上でも稀に見る傑作では…?」とすら思う程にハマった漫画だった。
・特に今回映画化された『レゼ篇』(このエピソードってそんなシンプルな名称だったんだ…)は本編屈指の名エピソードで、実際僕もこの話を読んだ時にチェンソーマンがアニメ化するならこの部分は絶対映画化してほしいな…と夜な夜な夢想したものだ。当時は本気で「庵野秀明が監督して宇多田ヒカルに主題歌を歌ってほしい!」「いや!尾石達也しかあり得ない!」みたいな事を考えていた。

・『劇場版チェンソーマン レゼ篇』の監督は結局庵野秀明でも尾石達也でもなかった(宇多田ヒカルは主題歌を歌ってるので、僕の願いは少し叶ったと言えるかもしれないが…。)が、結果的に当時夢想していた理想のアニメ映画化そのものであった。
・映像も演出も演技もキレッキレでパーフェクト。映像化としてこれ以上何を望めば良いのか分からないぐらい素晴らしいアニメーションだった。昔、『スパイダーマン : スパイダーバース 』を観た時も同じような事を思ったので、きっと“これ以上“はまた存在するんだろうけど、少なくとも現時点では想像し得ない。そのぐらい凄い物であった。
・では、内容についてはどう感じただろうか。連載当時は、僕もデンジのようにレゼという少女に情緒を振り回されて大変な思いをしたものだ。しかし、アレから時は経ち、今の年齢で改めて観るこの物語は、なんというかとても哀しかった。同世代の少女を見る物語が、気付いたら哀しい子供達を見る物語に自分の中で変容していた。5年という歳月は短いようで長かったみたいだ。
・この物語は、まるで恋愛的なものや青春的なものを描いているかのように見えるが、実際は2人ともまだそれらを出来るような情緒を獲得しておらず、普通に同級生の友達と遊んだり喧嘩したり…という生い立ち故に失われてしまった時間を幻視するような、そういう物語であったように感じる。だからこそ、感動的だし、とても哀しい。
・米津玄師の曲良かったねとか、サントラ格好良かったねとか、何気にビームくんめちゃくちゃ製作陣に愛されてないか?とか、天使の悪魔くん可愛いねとか、無限に言いたい事はあるが、その辺は最早言うまでも気がするので割愛しておこう。なんにせよ、良い映画作品だったので、もう一回ぐらいは観に行きたいな。4DX上映気になるけど、上映館が微妙に遠くて嫌なんだよな…。

・それでは、また。
