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本日の一曲 vol.633 シューベルト:幻想曲ヘ短調 (Franz Schubert: Fantasie f moll Op.103 D940, 1828) cf. DUOR Duo in Ginza

本日ご紹介する「幻想曲ヘ短調」は、フランツ・シューベルト(1797年1月31日生~1828年11月19日没)さんが死去の年1828年に作曲したピアノ連弾のための曲です。当時、シューベルトさんは、エステルハージ伯爵一家の音楽教師として雇われ、2人の娘さんにピアノを教えていましたが、この曲は妹のカロリーネ・エステルハージ(Caroline Esterházy, 1811年9月6日生~1851年3月14日没)さんに献呈されました。カロリーネさんは、シューベルトさんにとってミューズでした。

この二人の関係は映画でも描かれています。オーストリアのヴィリ・フォルスト(Willi Forst, 1903年4月7日生~1980年8月11日没)さん監督の1933年公開ドイツ=オーストリア映画「未完成交響楽」(1934年公開のイギリス映画版もあります)や、iイタリアのグラウコ・ペレグリーニ(Glauco Pellegrini, 1919年1月14日生~1991年7月21日没)さん監督の1954年公開フランス=イタリア映画「Sinfonia d'amore(愛のシンフォニー)」などがあります。

さて、幻想曲の演奏ですが、デュオ・クロムランク(Duo Crommelynck)による1994年録音のものです。全4楽章ですが、途切れることなく演奏されます。

このデュオ・クロムランクは、パトリック・クロムランク(Patrick Crommelynck, 1945年5月10日生~ 1994年7月10日没)さんと桑田妙子(1947年11月21日生~ 1994年7月10日没)さんご夫妻のピアノ・デュオで、お二人が学んでいたウィーン音楽大学を1974年に卒業されてから活動を始め、ピアノ連弾曲を中心にたくさんの録音を残しました。このシューベルトは1994年リリースのアルバム「シューベルト:4手ピアノのための作品全集 第3集(Schubert: Works For Piano 4 Hands Vol.III)」の中の1曲です。アルバムのプレイリストです。

このご夫妻は20年間にわたり、4手ピアノ曲を中心に精力的な活動を続けてきましたが、このアルバムがリリースされた1994年7月10日、突然にご主人が命を断ってしまい、同日、奥様も後を追ってしまうという悲劇が襲いました。ご夫妻に何があったのかははっきり分かりません。

しかし、この「幻想曲ヘ短調」は、シューベルトさんの最高傑作だと評価されることもあり、シューベルトさんの4手のためのピアノ曲の中では最も独創的だとも言われます。

来る6月23日、ヤマハ銀座コンサートサロンにおきまして、弊社主催のSAKURA JAPAN MUSIC COMPETITION ピアノ部門全国大会審査員である藤井隆史先生が白水芳枝先生とのデュオ「ドゥオール」で、シューベルト・プログラムのサロンコンサートを開催します。この中で「幻想曲ヘ短調」もご披露されるということですので、素晴らしい演奏会になると思います。ぜひ足をお運びいただければ幸いです。

DUOR Duo in Ginza

(by R)

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