FP3級を持っていても、不安は消えない。だからこそ難しい相談もある。
先日、あるシニア世代の方の初回相談がありました。
すでにお仕事はリタイアされていて、今後のためとリタイア後にFP3級も取得されたそうです。
NISAも始めており、運用商品は世界株式インデックスもちろんノーロードで信託報酬も爆安。コスト意識もしっかりもっていらっしゃる。
収入と支出の面もかなり整理されていました。
公的年金
個人年金保険
毎月の生活費
現金保有額
死亡整理資金
相続対策としての一時払い終身保険
どれも把握されていて、
「かなりしっかり準備されているな」という印象でした。
さらに、残り20年弱のマネープランもご自身で作成されていました。
ここまで整理できている方は、実はそれほど多くありません。
だからこそ、私は素直にこう思いました。
「この方は、なぜFPに相談に来たんだろう?」
そこで率直に尋ねてみました。
すると返ってきた答えは、
「自分のマネープランに自信がない」
というものでした。
なるほど、と思いました。
つまり、
「何も分からないから相談したい」
ではなく、
「自分なりに調べて、考えて、形にもした。でも本当にこれで合っているのか不安」
という状態だったわけです。
だから私は、
「では、作成されたプランを一緒に確認して、不足や漏れがあればアドバイスできますよ」
とお伝えしました。
すると次に返ってきたのが、
「その場合、相談料はかかりますか?」
という質問。
ここは少し難しい場面でした。
もちろん、確認して、分析して、問題点を洗い出して、改善案を考える。
これは完全に“FPとしての仕事”です。
なので私は、
「アドバイスを行う以上、相談料は発生します」
とお伝えしました。
ただ、どうも納得されていない様子。
話を聞いていると、
FP資格は持っている
基本知識もある
人生経験も長い
でも不安
だから専門家に確認してほしい
ただ、相談料を払うことに抵抗がある
という感覚だったのだと思います。
気持ちは分かります。
でも、ここって実はFP業界でもかなり難しい部分なんですよね。
知識がある人ほど、
「自分はある程度できている」
という自負があります。
一方で、お金の不安は完全には消えない。
だから、
“最終確認だけしてほしい”
という相談になる。
ただ、その「最終確認」こそ、FP側からすると最も責任が重い。
なぜなら、
老後資金
介護
相続
インフレ
運用リスク
こうした将来の不確実性を踏まえながら、
「大丈夫そうですね」
と言うには、それなりの分析と責任が必要だからです。
結局、今回は、
「まずはご自身で進めてみて、必要であればまたご相談ください」
という形でお話を終えました。
少し“やんわりお断り”に近かったかもしれません。
これは私自身の相性の問題でもあります。
特にシニア層では、
少し知識がある
でも不安は強い
そしてプライドもある
というケースが時々あります。
もちろん全員ではありません。
ただ、こちらが何を伝えても、
「私は分かっています」
という空気感が強い場合、
長期的に良い関係を作れるイメージが持てないこともあります。
FP相談は、
単なる知識提供ではなく、
“伴走”の側面が強い仕事です。
だから私は最近、
「誰でもサポートする。だれでも契約する」
よりも、
「お互いに気持ちよく相談できる関係か」
を重視しています。
サービス業や同業の皆さんは、こういう場面、どう対応していますか?
実はこれ、
FPに限らず、かなり多くの業種で起きているテーマなのかもしれません。
すこしのずれで、お互いが消耗する関係になってしまいますからね。
