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2年間で11台。300万円の授業料を払って辿り着いた「子育て世代の最適解」

カメラを趣味にしている人の多くが、一度は「機材の沼」に足を踏み入れると言います。しかし、僕の沼は少し深すぎたかもしれません。

この2年間で手にしたカメラは、実に11台。

フルサイズ、APS-C、手のひらサイズの高級コンデジまで、あらゆるフォーマットを渡り歩いてきました。「基本はエントリーからベーシックモデルだし……」と言い訳をしつつも、買い換えにかかった手数料やレンズ資産の入れ替えを考えれば、恐ろしくて数字から目を背けたくなるほどの授業料を支払ってきました。

今日は、そんな紆余曲折と大失敗を経て、ようやく辿り着いた「今の僕にとっての最適解」をお話します。

もしあなたが今、「もっといい画質で撮りたい」「あの名機が気になる」と夜な夜なYouTubeのレビュー動画を漁っているなら、少しだけ手を止めて、この記事を読んでみてください。カタログスペックやインフルエンサーの言葉からは絶対に見えてこない、「カメラとライフスタイルの残酷なリアル」をお伝えできるはずです。


なお、「2年で11台買い替えた」をテーマにした有料記事を3本書いており、この3本をまとめたマガジンを作成しています。
1本ずつよりもマガジンとしてまとめて購入いただいた方がお得に設定していますので、もしよろしければこちらも読んでいただけると嬉しいです。



2年間の遍歴:最高の相棒を求めた「11台のリスト」

僕がこの2年間で売買を繰り返してきた、愛しくも罪深い相棒たちのリストがこちらです。

  • Canon:EOS R8 / EOS R6 MarkⅡ

  • Nikon:Zfc / Z5 / Z50Ⅱ / Zf / Z5Ⅱ

  • RICOH:GRⅢx

  • FUJIFILM:X-T5 / X-M5 / X-E4

メーカーの思想も、センサーサイズもバラバラ。まさに迷走の歴史です。しかもこれらのほとんどを新品で購入しているので、購入金額の総額は300万円以上。入れ替えの都度、売却もしているので、差し引きで言えば130万円くらいですが、そのような多額の「授業料」を支払ってきました。
そんな幾多のトレードを経て、現在僕の手元に残っているのは以下の4台の精鋭たちです。

  1. Nikon Z5(オールドレンズ母艦:不便を楽しむ趣味の時間用)

  2. RICOH GRⅢx(日常スナップ:常に鞄に入っている相棒)

  3. FUJIFILM X-M5(旅行・家族写真:現在のメイン機)

  4. FUJIFILM X-E4(唯一無二のミニマルデザインを愛でる、観賞・お出かけ用)

「4台でも多いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、現在の僕にとっては、それぞれの役割が1ミリの重複もなく明確になっています。

なぜ、世間がこぞって大絶賛するEOS R6 MarkⅡやNikon Zfといった、文句なしの超名機たちを手放し、一見スペックダウンとも思えるこのラインナップに落ち着いたのか。その理由は、カメラの性能ではなく、僕自身の「ライフスタイル(育児)」との衝突にありました。


「いつかはフルサイズ」という呪縛、高画質の前に立ちはだかった「1.3kgの壁」

カメラを始めると、必ず耳にするのが「いつかはフルサイズ」という言葉です。僕もその呪縛に完全に囚われた一人でした。

EOS R6 MarkⅡが持つ暗所でも一瞬で瞳を捉える圧倒的なAF性能、Nikon Zfの所有欲を爆発させるクラシカルな真鍮ダイヤル。実際にそれらで撮影した写真のボケ味、階調の豊かさは息をのむ美しさでした。「これこそがカメラだ、これで何でも撮れる、もう買い換える必要なんてない」と、その時は確信していたのです。

Nikon Zf + NIKKOR Z 24-120mm F4 S
合計で1.3kgは重い

当時の標準装備の代表例は、Nikon Zf + NIKKOR Z 24-120mm F4 S。Nikon最新のボディに神レンズを組み合わせた、合計1.3kgで得られた絶対的な正義でした。しかし、この1.3kgの正義は、現実の生活の前に脆くも崩れ去ることになります。

僕には、まだ手のかかる二人の子どもがいます。今でこそ二人とも小学生になりましたが、少し前までは、休日の外出といえば、着替え、オムツ、おやつ、ペットボトルのお茶などが詰まった重いリュックを背負うのが大前提でした。少し歩けば「抱っこ!」の声。

背中にはパンパンに詰まったリュック、右手に1.3kgのカメラとレンズを握りしめ、左手は子どもと手を繋ぐ。数回は気合いで乗り切れました。しかし、1.3kgの鉄の塊を首から下げて、子どもを抱っこするなんて不可能です。首がやられてしまいます。次第に体は正直になり、玄関を出る瞬間に「今日は重いから、カメラ置いていこうかな」と思う日が増えていったのです。

どんなに素晴らしい描写をする名機があっても、防湿庫に眠っていれば、ただの置物です。世間でよく言われる「軽さは正義」という言葉。最初は「少しくらい重くても、画質が良い方がいいに決まっている」「気合いで持ち出せばいい」と高を括っていましたが、現実は残酷でした。フルサイズの圧倒的な表現力というメリットは、物理的な重さと煩わしさという現実の前に、軽々と敗北したのです。

重さに負けて玄関に置いてきたあの日、僕は初めて気づきました。カメラの価値は、防湿庫の中ではなく子どもと歩く道、そして子どもと手を繋ぐ日常にこそある、と。

その気づきが、僕のカメラとの向き合い方をすべて変えました。


救世主となったGRⅢxが教えてくれた、カメラの真の機動力

スペック優先の失敗で打ちひしがれていた僕を救ってくれたのが、RICOH GRⅢxでした。ポケットに収まるサイズ、爆速の起動、そしてその小さなボディからは想像もつかない妥協のない画質。このカメラに出会って、僕の撮影スタイルは激変しました。

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