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「言わないだけで、我慢してるよ」——女性が不満を言わないのは、優しさだ

「彼には言ってない。言わないだけで、我慢してることはいっぱいあるよ」。
施術中に聞いた本音で、いちばん心に残った一言だ。

僕はかつて、女性用風俗のセラピストとして、3年以上、1000人以上の女性を接客してきた。
施術の中で、普段は誰にも言えない本音を、たくさんの女性が話してくれた。
この連載は、その声をそのまま男の言葉に翻訳するために書いてる。



「何も言われてない」は、うまくいってる証拠じゃない

彼女とは何のトラブルもない。
文句も言われてない。
だから、うまくいってる。

そう思ってる男に、接客で見てきた側から伝えたいことがある。
女性は、不満がないから言わないんじゃない。
我慢してるから言わないんだ。

施術中、彼氏や旦那の話になると、不満は山ほど出てきた。
デートがいつも同じ場所なこと。
連絡の間隔。
疲れてるときの返事の仕方。

「それ、本人に言った?」と聞くと、答えはだいたい同じだった。
「言ってない。言えないよ」。

本人の前では笑ってて、僕の前では全部話す。
この経験を何百回も見てきたから断言できる。
何も言われてないことと、何も思われてないことは別物だ。


言わないのは、性格じゃなく優しさ

じゃあ言えばいいのに、と男は思う。
でも、言わない理由を聞いていくと、責められなくなる。

「言ったら空気が悪くなるから」。
「責めてるみたいになるのが嫌で」。
「言うほどのことでもないかなって、飲み込んじゃう」。

つまり、我慢は優しさだ。
あなたとの時間を壊したくないから、彼女は黙る方を選んでる。

だからこの話は、「女性は察してちゃんだ」という話じゃない。
むしろ逆だ。
察してほしいと要求すらしてない。
要求しないまま、ひとりで引き受けてる。

正直、僕もこの仕事をするまで、ここまで言わないものだとは思ってなかった。


翻訳すると、「減点はもう始まってるよ」

「言わないだけで、我慢してる」は、こう翻訳できる。
「あなたの知らないところで、減点はもう始まってるよ」。

言わない我慢は、消えない。
貯まる。
言わないから、男は気づかない。
気づかないから、同じことが繰り返される。
繰り返されるから、また我慢する。
この間、彼女の中では点数だけが減っていってしまう。

そして、いちばん怖いのは最後の段階だ。
我慢が続いた女性は、ある日、不満を言う気力ごと手放す。
「もう期待してないから、腹も立たないんだよね」。
接客で聞いた中で、いちばん終わりに近い言葉だった。

男が「突然振られた」と言うとき、女性の側では突然じゃない。
「別れようって決めたのは半年前。言えたのが先週」。
そういう時間差が、ほんとにある。


夜も、同じことが起きてる

これを日常だけの話だと思わないでほしい。
身体の場面でも、まったく同じ我慢がある。

ほんとうはこうしてほしい、が言えない。
感じてないのに、言えないから合わせてしまう。
痛くても、雰囲気を壊したくなくて黙る。

理由も日常と同じで、優しさと気まずさだ。
そして夜の我慢も、日常と同じように貯まっていく。
今日は深入りしないけど、「夜だけは例外」なんてことはない、とだけ覚えておいてほしい。


「言ってくれればいいのに」が、とどめになる

このすれ違いで、男がいちばんやってしまうのが、この一言だ。
「言ってくれればよかったのに」。

男としては正論のつもりだと思う。
言われないと分からない。
それは本当で、僕も男側の肩を持ちたい。

でも、我慢してきた彼女には、こう聞こえてる。
「我慢に気づかなかった上に、悪いのは黙ってた私ってこと?」。
最後の最後に責任を投げられた形になって、一気に冷めてしまう。

言われないと分からない、は事実だ。
でも、言いにくい空気を作ってた側が、無関係だったことにもならない。


察しろ、という話じゃない

誤解しないでほしいのは、「全部察しろ」という話じゃないことだ。
全部を察するのは無理やよ。
僕でも無理だ。

それに、何でも言ってくれる女性もいる。
そういう関係が作れてるなら、あなたはすでに「言っても空気が悪くならない男」で、この記事の外側にいる。

やるべきなのは、察することじゃなく、前提を変えることだ。
「不満がないから言わないんだろう」じゃなく、「我慢してることが、たぶんある」と考える。

前提が変われば、聞き方が変わる。
「なんかあった?」に「ないよ」と返されて終わらせずに、もう半歩だけ踏み込める。
汲み取れないなら、聞けばいい。
聞くこと自体は、何も悪くないんよね。


彼女が今日、飲み込んだ一言を想像する

確かに、言ってくれない側にも課題はある。
でも、それを言っていいのは、言いやすい空気を作ってきた男だけだと思う。

今日、彼女はあなたの前で何を飲み込んだだろう。
デートの帰り道、ほんとうは何て言いたかったんだろう。
その想像をする側に、あなたは回るべきだ。

「聞いてくれない」と怒られてるうちは、まだいい。
何も言われなくなる前に気づくのが、彼女の我慢に返せる、いちばんの優しさやよ。


次回は夜の話。女性の「イキそう」は、「このままで」という意味だ。

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さくら|女性心理の翻訳家

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