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第5章:主語を相手に置く──ただし、悟られない

「俺はこれが好き」と切り出す男。
「俺ならこのデートがいいと思う」と提案する男。
「俺の経験ではこうだった」と話し始める男。

全員、主語が 「俺」 だ。

第2〜4章で扱った「自己開示」、「質問」、「共感」は、全て同じ1つの考え方で動いている。
主語を、自分から相手に置く ことだ。

ただし、もう1つ大事なことがある。
それを相手に悟られない こと。


1000人の女性が、本音で言っていたこと

主語が自分の男は、相手にこう映ってしまう。

「あなた中心の話ばっかりで、私の話はない」
「私のこと、考えてないって伝わる」
「自分のことしか興味ないんだなって思う」
「私はあなたにとって、聞く相手じゃないんだなって思う」

第2〜4章で扱った「自己開示」、「質問」、「共感」がうまくいかない原因は、全て同じだ。

  • 第2章で「自分から強み」が嫌われるのは、主語が自分だから

  • 第3章で「自分が聞きやすい質問」が相手を疲れさせるのは、主語が自分だから

  • 第4章で「自分の話に持っていく共感」が相手を遠ざけるのは、主語が自分だから

人間関係において、すべての主語を相手に置くべきだ。

僕は元・女性用風俗セラピストとして、3年以上、1000人以上の女性と関わってきた。
セラピスト時代は女性の本音を、恋愛コンサル時代は男性の悩みを。
男女両方の声を聞いてきた。

恋愛コンサルでは、男性セラピスト50人を指導し、個人コンサルで30人の男性を本命昇格まで導いてきた。
その中で見えてきたのが、第5章で扱う2つの動きだ。



主語を相手に置く。ただし、悟られない。

会話・デート・LINE、全ての判断基準を 「相手にどう感じさせたいか」 から逆算する。

「自分が何をするか」は自己満足。
「相手にどう感じさせたいか」が正解。

これは心理学でも裏付けられている。
Davis と Oathout の研究(1987年)では、恋愛関係の満足度を予測する最も強い要因の1つが「視点取得(相手の立場で考える能力)」だと示されている。
さらに、Long と Andrews の研究(1990年)では、夫側の視点取得能力が、妻の満足度を強く予測する 性差まで報告されている。

「主語を相手に置く」は感覚論ではない。
学術的に証明された、恋愛関係の長期維持の最強要因だ。

男性セラピスト50人を指導してきた中で、ここが 一番難しいところ だった。

そして、もう1つ。
相手を主役にしていることを、相手に悟られない。
ここまでできて、初めて完成する。


自分起点 vs 相手起点

主語が違うだけで、結果が真逆になる。
シーン別に、頭の中で出てくる言葉を比べてみよう。

■ 質問
 自分起点:何を聞こう
 相手起点:相手は何を話したい

■ 話題
 自分起点:何を話そう
 相手起点:相手は何を聞きたい

■ デート提案
 自分起点:どこに連れて行こう
 相手起点:相手はどこに行きたい

■ LINE返信
 自分起点:何を返そう
 相手起点:相手はどんな返事が欲しい

■ 共感
 自分起点:何を言えばいい
 相手起点:相手はどう感じてほしい

■ 沈黙
 自分起点:何か話さなきゃ
 相手起点:相手は今どう感じている

頭の中で1つだけ変える。
「何を◯◯しよう」を「相手は何を◯◯したい」に変える。
それだけで、相手の反応が変わっていく。

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