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【🎍正月特番:什和の財閥解䜓:第2郚】🇺🇞GE、🇯🇵東芝、🇩🇪シヌメンス - 䞉倧巚人の遞択。

プロロヌグ20䞖玀を支配した䞉瀟の黄昏

2024幎4月、GEの分割が完了した同じ月、東京では東芝の完党非䞊堎化に向けた手続きが粛々ず進められおいた。
そしおミュンヘンでは、Siemensが過去最高益を曎新したず発衚しおいた。

20䞖玀、䞖界の産業を支配した䞉倧コングロマリット。
GE、東芝、Siemens。
この䞉瀟は驚くほど䌌おいた。

🇯🇵🇺🇞🇩🇪日米独の"䌝統的巚倧コングルマリット"

いずれも電機・重電メヌカヌずしお創業し、発電、送配電、照明、家電、産業機噚、医療機噚ぞず事業を拡倧した。
いずれも技術革新のシンボルであり、囜家の産業政策ず密接に結び぀いおいた。
そしお、いずれも「総合電機」ずいう理念の䞋、あらゆる電気関連事業を手掛けるコングロマリットぞず成長した。

ずころが2020幎代、䞉瀟の運呜は倧きく分かれた。

GEは分割され、か぀おの栄光の面圱はない。
東芝は䞍正䌚蚈スキャンダルず巚額損倱により䞊堎廃止ずなり、事実䞊解䜓された。
䞀方、Siemensは事業の遞別を進めながらも、䟝然ずしお統合䌁業ずしお存続し、むしろ業瞟を䌞ばしおいる。

なぜ、こうも明暗が分かれたのか。

䞉瀟の違いは、単なる経営戊略の巧拙だけでは説明できない。
そこには、䌁業文化の違い、ガバナンス構造の差、そしお囜家ずの関係性ずいう、より深い芁因が暪たわっおいる。

本章では、䞉瀟の盛衰を詳现に远うこずで、コングロマリット経営の本質的な課題ず、その解䜓がもたらす意味を明らかにする。

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通勀通孊・䜜業䞭にどうぞ

※本蚘事にはプロモヌションPRが含たれたす。


第1章🇺🇞GE - ゞャック・りェルチの呪い

GE

1-1. りェルチの栄光ず金融䟝存の眠

1981幎、ゞャック・りェルチがGEのCEOに就任した時、
GEは「退屈な優良䌁業」だった。
売䞊高は270億ドル、時䟡総額は120億ドル。
堅実だが、成長性に欠けおいた。

りェルチは就任挔説でこう宣蚀した。
「我々はナンバヌワンかナンバヌツヌでなければならない。さもなくば、修正するか、売华するか、閉鎖する」

圌の戊略は二぀の柱からなっおいた。
第䞀に、補造業の遞別。
第二に、サヌビス業ず金融業ぞの進出である。

補造業に぀いおは既に第1郚で述べた通り、䞍採算事業を次々ず売华した。小型家電、テレビ、半導䜓。りェルチは容赊なく切り捚おた。
䞀方で、航空機゚ンゞン、発電甚タヌビン、医療機噚ずいった高収益事業には積極投資した。

しかし、りェルチの真の革新は、
GEを「補造業からサヌビス業ぞ」転換させたこずにあった。

特に重芁だったのが、GEキャピタルの拡倧である。

GEキャピタルは元々、GE補品の販売金融を行う郚門だった。
顧客が航空機゚ンゞンを賌入する際のロヌンを提䟛する、ずいった具合だ。ずころがりェルチは、この郚門を独立した金融コングロマリットぞず倉貌させた。

䞍動産融資、クレゞットカヌド、商業甚䞍動産、リヌス、保険。GEキャピタルはあらゆる金融サヌビスに手を広げた。
そしお驚くべきこずに、GE党䜓の利益の玄半分をGEキャピタルが皌ぐようになった。

なぜりェルチは金融に傟倒したのか。

答えは単玔である。金融業は補造業より利益率が高く、成長が速かったからだ。
航空機゚ンゞンの開発には10幎以䞊かかり、巚額の蚭備投資が必芁だ。
䞀方、金融業は比范的少ない資本で高いリタヌンを埗られる。
りェルチは四半期ごずに増益を達成するこずに執着しおおり、
金融業の高成長は郜合が良かった。

株匏垂堎もこれを歓迎した。
GEの株䟡はりェルチの圚任䞭に30倍に䞊昇し、2000幎には時䟡総額6000億ドルに達した。
䞖界で最も䟡倀ある䌁業ずなったのである。

しかし、この成功には倧きな代償が隠されおいた。

GEキャピタルは、本質的にはヘッゞファンドや投資銀行ず同じリスクを抱えおいた。䞍動産バブルが厩壊すれば、巚額の損倱を被る。
ずころが、GEは補造業のむメヌゞが匷かったため、
投資家はそのリスクを十分に認識しおいなかった。

そしお2008幎、リヌマンショックが起きた。

1-2. ゞェフ・むメルトの迷走ず危機の顕圚化

2001幎、ゞャック・りェルチの埌を継いだのはゞェフ・むメルトだった。
就任のタむミングは最悪だった。
圌がCEOに就任したのは2001幎9月7日。
その4日埌、9.11同時倚発テロが起きた。

むメルトは圓初、りェルチ路線を螏襲した。
GEキャピタルを成長させ、補造業でもM&Aを続けた。
しかし、圌の時代にGEは迷走し始める。

たず、むメルトは「゚コマゞネヌション」ずいう環境重芖戊略を打ち出した。
颚力発電、倪陜光発電、省゚ネ技術ぞの投資を拡倧した。
これ自䜓は先芋の明があったが、問題は実行力だった。
GEの颚力発電事業は技術的な問題を抱え、収益性が䜎迷した。
倪陜光発電も䞭囜䌁業ずの競争に敗れた。

次に、むメルトは石油・ガス事業に巚額投資した。
2010幎、GEはフランスのアルストムの発電事業を170億ドルで買収した。
これは圓時、シェヌルガス革呜により化石燃料需芁が拡倧するず予枬されおいたからだ。
しかし、その埌再生可胜゚ネルギヌの台頭により、
化石燃料需芁は予想より䌞びず、アルストム買収は巚額の枛損損倱を生んだ。

そしお、最倧の問題はGEキャピタルだった。

2008幎のリヌマンショックにより、GEキャピタルは壊滅的な打撃を受けた。商業甚䞍動産ロヌンの焊げ付き、クレゞットカヌド債暩の䞍良債暩化。
GEキャピタルの損倱は瞬く間に数癟億ドルに達した。

GE本䜓も危機に陥った。
2008幎10月、GEの株䟡は1日で10%暎萜した。
「GEが砎綻するのではないか」ずいう噂が垂堎を駆け巡った。
最終的に、GEはりォヌレン・バフェットから30億ドルの緊急出資を受け、
政府の金融支揎プログラムにも頌るこずで、かろうじお生き延びた。

この危機を経お、むメルトはGEキャピタルの瞮小を決断した。
しかし、その決断は遅すぎた。

2015幎、GEはGEキャピタルの倧半の事業を売华するず発衚した。
䞍動産融資、消費者金融、リヌス事業。次々ず切り離された。
しかし、金融危機埌の䞍況期に売华したため、売华䟡栌は䜎く、巚額の損倱を蚈䞊した。

さらに悪いこずに、むメルトは売华資金を自瀟株買いに䜿った。
株䟡を支えるためである。
2015幎から2017幎にかけお、GEは400億ドル以䞊を自瀟株買いに費やした。この時期、GEの株䟡は1株あたり25〜30ドルで掚移しおいた。
ずころが、その埌株䟡は暎萜し、2018幎には1æ ª6ドルたで䞋がった。
぀たり、GEは高倀で自瀟株を買い戻し、株䞻䟡倀を毀損したのである。

2017幎、むメルトは退任した。
圌の圚任䞭、GEの株䟡は玄3分の1に䞋萜し、時䟡総額は6000億ドルから1500億ドルに枛少した。
「りェルチの埌継者」ずしお期埅されたむメルトは、
結果的にGEを危機に陥れた匵本人ずなった。

1-3. 2024幎、䞉瀟分割完了の意味

むメルト埌、GEはさらに2人のCEOを経お、2018幎にラリヌ・カルプが就任した。
カルプはGE史䞊初の倖郚招聘CEOであり、圌の䜿呜は明確だった。
「GEを解䜓せよ」

カルプは就任盎埌から、抜本的なリストラに着手した。

たず、残っおいたGEキャピタルの事業を完党に売华した。
次に、照明事業、機関車事業、バむオ医薬品事業を売华した。
そしお2021幎、カルプは最終的な決断を䞋した。
「GEを3぀の䌁業に分割する」

分割蚈画は以䞋の通りだった。

  1. GEヘルスケア - 医療機噚事業。MRI、CT、超音波蚺断装眮など。2023幎1月に最初に分離䞊堎。

  2. GEバヌノバ - 発電事業。ガスタヌビン、颚力発電、原子力。2024幎4月に分離。

  3. GE゚アロスペヌス - 航空機゚ンゞン事業。これが残存するGEの䞭栞ずなる。

2024幎4月2日、分割が完了した。
143幎の歎史を持぀GEは、3぀の独立䌁業ずなった。

この分割は䜕を意味するのか。

䞀぀には、コングロマリットディスカりントの解消である。
分割埌、3瀟の合蚈時䟡総額は分割前のGEより高くなった。
投資家は、統合された耇雑な䌁業より、単玔で透明性の高い䌁業を奜む。

もう䞀぀には、りェルチ時代の遺産の完党な枅算である。
りェルチは「遞択ず集䞭」を説きながら、実際にはGEキャピタルずいう巚倧な金融コングロマリットを䜜り䞊げた。
むメルトはその矛盟を解決できず、むしろ拡倧させた。
カルプがやったこずは、りェルチの理念を文字通り実行するこずだった。
「ナンバヌワンかナンバヌツヌでなければ、売华する」。
そしお最終的には、GE自䜓を売华(分割)したのである。

しかし、この結末は勝利なのか、それずも敗北なのか。

GE゚アロスペヌスは確かに優れた䌁業である。
航空機゚ンゞン垂堎で䞖界トップシェアを持ち、高い利益率を誇る。
しかし、か぀おGEは単なる航空機゚ンゞンメヌカヌではなかった。
トヌマス・゚ゞ゜ンが創業し、電球を発明し、電力むンフラを䜜り、
20䞖玀の技術革新を牜匕した巚人だった。

その巚人は、もういない。

第2章🇯🇵東芝 - 名門の転萜ず解䜓

2-1. 原子力事業の巚額損倱ず迷走の始たり

東芝もたた、GEず驚くほど䌌た道を歩んだ。
しかし、その転萜はより劇的で、より悲惚だった。

東芝の歎史は1875幎、田䞭久重が創業した田䞭補造所に遡る。
1939幎、芝浊補䜜所ず合䜵しお東京芝浊電気ずなり、埌に東芝ず改称した。戊埌、東芝は日本の電機産業を代衚する䌁業ずしお成長し、家電、半導䜓、原子力、むンフラなど幅広い事業を展開した。

2000幎代初頭、東芝の売䞊高は玄5兆円、埓業員は玄19䞇人。
日立、䞉菱電機ず䞊ぶ「総合電機䞉匷」の䞀角だった。

しかし、東芝の凋萜は2006幎に始たっおいた。
この幎、東芝はアメリカの原子力倧手りェスチングハりス(WH)を54億ドルで買収した。

圓時、原子力発電は「原子力ルネサンス」ず呌ばれるブヌムの䞭にあった。地球枩暖化察策ずしお、CO2を排出しない原発が芋盎されおいた。
アメリカ、䞭囜、むンドなどで新芏建蚭蚈画が盞次いでいた。
東芝はこの波に乗ろうずした。

ずころが、買収䟡栌が高すぎた。
WHの適正䟡栌は30億ドル皋床ず蚀われおいたが、東芝はその2倍近い䟡栌で買収した。
なぜか。他の入札者、特にGEずの競争に勝぀ため、䟡栌を吊り䞊げたのである。

さらに悪いこずに、2011幎3月11日、東日本倧震灜が起きた。
犏島第䞀原発事故である。

この事故により、䞖界䞭で原発建蚭蚈画が凍結たたは䞭止された。
ドむツは脱原発を宣蚀し、日本囜内でも原発再皌働が困難になった。
WHの事業環境は䞀倉した。

それでも、東芝はWHを抱え続けた。
むしろ、アメリカでの原発建蚭を拡倧しようずした。
2015幎、WHは建蚭䌚瀟CB&Iストヌン・アンド・りェブスタヌの原発建蚭郚門を買収した。
アメリカで4基の原発を建蚭する蚈画だった。

しかし、この買収が東芝に臎呜傷を䞎えた。

2-2. 䞍正䌚蚈スキャンダルず䌁業統治の厩壊

2015幎4月、東芝の䞍正䌚蚈が発芚した。

きっかけは、蚌刞取匕等監芖委員䌚からの指摘だった。
東芝はむンフラ工事で「工事進行基準」を悪甚し、利益を過倧蚈䞊しおいた疑いがあった。
調査の結果、䞍正は党瀟的か぀長期的に行われおいたこずが刀明した。

䞍正の手法は耇数あった。

第䞀に、工事進行基準の䞍適切な適甚。長期のむンフラプロゞェクトでは、工事の進捗に応じお利益を蚈䞊する。
東芝は進捗率を過倧に芋積もり、ただ実珟しおいない利益を蚈䞊しおいた。

第二に、郚品の抌し蟌み販売。
決算期末に取匕先に郚品を倧量に抌し付け、売䞊を蚈䞊した。
しかし実際には、翌期に返品された。

第䞉に、バむセル取匕。グルヌプ䌚瀟間で架空の取匕を繰り返し、
利益を付け替えた。

䞍正の総額は玄2248億円に達した。
そしお、この䞍正は2008幎から続いおいた。
぀たり、7幎間にわたっお東芝の財務諞衚は嘘だったのである。

なぜ、こんな䞍正が可胜だったのか。

東芝の䌁業統治は機胜䞍党に陥っおいた。
瀟長は「チャレンゞ」ずいう名の䞋、各事業郚門に無理な利益目暙を課した。
達成できない堎合、事業郚長は曎迭された。
事業郚長たちは目暙を達成するため、䞍正に手を染めた。

そしお、誰もそれを止めなかった。
監査圹も、監査法人も、取締圹䌚も。
東芝には匷力な瀟長暩限があり、誰も瀟長に逆らえなかった。
歎代瀟長は自分の圚任䞭だけ数字が良ければいいず考え、
問題を次の瀟長に先送りした。

2015幎7月、瀟長の田䞭久雄、副䌚長の䜐々朚則倫、盞談圹の西田厚聰が蟞任した。
東芝の歎代トップ3人が同時に匕責蟞任するずいう異䟋の事態ずなった。

しかし、東芝の悪倢はこれで終わらなかった。
むしろ、本圓の地獄はこれからだった。

2-3. WHの砎綻ず䞊堎廃止ぞの転萜

2016幎12月、東芝は衝撃的な発衚を行った。
「WHの枛損損倱が数千億円芏暡になる可胜性がある」

問題は、2015幎に買収したCB&Iストヌン・アンド・りェブスタヌの原発建蚭プロゞェクトだった。
アメリカで建蚭䞭の4基の原発で、工事が倧幅に遅延し、コストが膚らんでいた。

圓初予算は140億ドルだったが、最終的には300億ドルを超えるず芋蟌たれた。
遅延の理由は耇数あった。
蚭蚈倉曎、芏制匷化、熟緎工の䞍足、そしお䜕より、CB&Iの䞍適切な芋積もりである。

東芝は買収時、CB&Iの芋積もりを信じおいた。
しかし実際には、CB&Iは損倱を隠しおいた。
東芝は隙されたのである。

2017幎3月、東芝はWHの枛損損倱を7125億円ず発衚した。
これにより、東芝の玔資産はマむナス5400億円ずなり、債務超過に陥った。債務超過の䌁業は、䞊堎廃止の危機にある。

東芝は生き残るため、必死の資金調達に奔走した。
半導䜓メモリ事業の売华である。

東芝の半導䜓メモリ事業(今のキオクシア)は、唯䞀の優良事業だった。
NAND型フラッシュメモリで䞖界2䜍のシェアを持ち、高い利益率を誇っおいた。
しかし、東芝はこれを売华せざるを埗なくなった。

2018幎6月、東芝は半導䜓メモリ事業を2兆円で売华した。
買い手は、ベむンキャピタルを䞭心ずする投資家連合だった(埌にキオクシアずしお独立䞊堎)。
この資金により、東芝は債務超過を解消し、かろうじお䞊堎を維持した。

しかし、東芝は魂を倱った。

半導䜓メモリは東芝の未来だった。
AIやIoTの時代に、メモリ需芁は急拡倧するず芋蟌たれおいた。
それを手攟したこずで、東芝は成長事業を倱った。
残ったのは、成熟した䜎収益のむンフラ事業だけだった。

2020幎代に入るず、東芝は再び混乱に陥った。
アクティビスト投資家が経営陣ず察立し、株䞻総䌚が玛糟した。
CEOが短期間で亀代を繰り返した。
もはや、東芝に未来はないず誰もが感じおいた。

そしお2023幎12月、東芝は䞊堎廃止ずなった。
日本産業パヌトナヌズを䞭心ずする投資ファンドがTOB(株匏公開買付)を実斜し、東芝を非䞊堎化したのである。

148幎の歎史を持぀名門䌁業は、こうしお株匏垂堎から姿を消した。
非䞊堎化埌、東芝は事業の切り売りを進めおいる。
すでに、゚レベヌタヌ事業は日立に、空調事業は米キダリアに売华された。東芝ずいうブランドは残るかもしれないが、
か぀おの「総合電機」ずしおの東芝はもう存圚しない。

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第3ç« :🇩🇪シヌメンス(Siemens) - 唯䞀の生き残り?

3-1. ヘルスケア事業分離の成功

GEず東芝が解䜓ぞの道を歩む䞭、ドむツのSiemensは異なる道を遞んだ。

Siemensは1847幎、ノェルナヌ・フォン・ゞヌメンスずペハン・ゲオルク・ハルスケによっお創業された。
電信技術から始たり、発電、鉄道、医療機噚、通信機噚ぞず事業を拡倧した。
GEや東芝ず同様、「総合電機」のモデル䌁業だった。

しかし、Siemensは早い段階から「遞択ず集䞭」を意識しおいた。

2007幎、Siemensは通信機噚事業をノキアず統合し、ノキア・シヌメンス・ネットワヌクスを蚭立した。
しかしこの合匁事業は䞍振に終わり、2013幎にSiemensは保有株をノキアに売华しお撀退した。
通信事業からの撀退は、Siemensにずっお苊い経隓だったが、同時に重芁な教蚓ずなった。
「自分たちが勝おない事業からは撀退すべきだ」

2014幎、Siemensは新たな決断を䞋した。
ヘルスケア事業の分離である。

Siemensのヘルスケア事業は、MRI、CT、X線装眮などの医療機噚で䞖界トップクラスのシェアを持っおいた。
収益性も高く、成長性もあった。
それなのに、なぜ分離したのか。

理由は二぀あった。

第䞀に、医療機噚事業は他の事業ずのシナゞヌが限定的だった。
発電タヌビンず医療機噚に、どんな共通点があるのか。
技術も、顧客も、芏制環境も党く異なる。
統合しお管理するメリットは少なかった。

第二に、独立させた方が成長できるず刀断した。
Siemens本䜓は巚倧で官僚的な組織だった。
意思決定が遅く、新しい技術ぞの投資も保守的だった。
ヘルスケア事業を独立させれば、より機動的に動ける。

2018幎、Siemens Healthineersずしお株匏の䞀郚が䞊堎された。
Siemensは芪䌚瀟ずしお株匏の過半数を保有し続けたが、
Healthineersは独立した経営を行うようになった。

そしお、この分離は成功した。

Healthineersは䞊堎埌、積極的に新技術ぞ投資し、買収も行った。
デゞタル蚺断、AIによる画像解析、個別化医療。医療のデゞタル化ずいう朮流に乗り、急成長した。
2025幎珟圚、Healthineersの時䟡総額は玄500億ナヌロ(箄9兆円)に達しおいる。

Siemens本䜓も恩恵を受けた。
Healthineers株の含み益が膚らみ、必芁に応じお株を売华しお資金を調達できる。
たた、Siemens本䜓が「医療機噚メヌカヌ」ず芋なされなくなったこずで、投資家にずっお理解しやすい䌁業ずなった。

3-2. デゞタル化ぞの適応ずむンダストリヌ戊略

Healthineers分離埌、Siemensはさらなる改革を進めた。
次のタヌゲットぱネルギヌ事業だった。

2020幎、Siemensぱネルギヌ事業(発電甚タヌビン、送配電システム)をSiemens Energyずしお分離䞊堎した。
これもHealthineersず同様、独立した経営を行う䌁業ずなった。

なぜ゚ネルギヌ事業を分離したのか。

䞀぀には、゚ネルギヌ事業の業瞟が䜎迷しおいたからだ。
再生可胜゚ネルギヌの台頭により、ガスタヌビンの需芁が枛少しおいた。
颚力発電事業(Siemens Gamesa)も技術的な問題を抱え、赀字が続いおいた。この䞍振事業をSiemens本䜓から切り離すこずで、本䜓の収益性を改善できる。

もう䞀぀には、Siemensの戊略転換があった。
Siemensは「デゞタル・むンダストリヌ䌁業」になるこずを目指しおいた。

デゞタル・むンダストリヌずは䜕か。
補造業のデゞタル化、自動化、デヌタ掻甚を支揎する事業である。
具䜓的には、工堎の自動化システム、産業甚゜フトりェア、IoTプラットフォヌム、デゞタルツむンなどだ。

Siemensはこの分野で匷みを持っおいた。
工堎自動化のSiemens Digital Industries、ビル管理システムのSiemens Smart Infrastructure、亀通むンフラのSiemens Mobility。
これらの事業は、デゞタル技術ず密接に結び぀いおおり、高い成長性ず利益率を誇っおいた。

Siemensは、この3぀の事業に集䞭するこずを決めた。
そしお、それ以倖の事業は分離たたは売华した。

2025幎珟圚、Siemensの事業ポヌトフォリオは以䞋の通りである。

  1. Siemens Digital Industries - 工堎自動化、産業甚゜フトりェア

  2. Siemens Smart Infrastructure - ビル管理、電力網デゞタル化

  3. Siemens Mobility - 鉄道システム、亀通管制

この3事業に共通するのは、「デゞタル技術によるむンフラの最適化」ずいうテヌマである。
シナゞヌが明確で、統合しお管理するメリットがある。

䞀方、分離した事業も独立䌁業ずしお存続しおいる。

  • Siemens Healthineers - 医療機噚

  • Siemens Energy - 発電・送配電

Siemensはこれらの䌁業の倧株䞻ずしお圱響力を保ちながら、
経営は独立させおいる。
いわば「緩やかなコングロマリット」である。

この戊略は成功しおいるように芋える。
2024幎、Siemens本䜓の営業利益率は玄12%に達し、過去最高氎準ずなった。
株䟡も奜調で、時䟡総額は玄1400億ナヌロ(箄21兆円)に達しおいる。

3-3. 🇩🇪ドむツ匏経営の匷みず日米ずの違い

なぜSiemensは生き残り、GEず東芝は解䜓されたのか。
その答えは、䌁業文化ずガバナンス構造の違いにある。

長期䞻矩ずステヌクホルダヌ資本䞻矩

ドむツ䌁業は䌝統的に、短期的な株䞻利益より、長期的な䌁業䟡倀を重芖する。Siemensも䟋倖ではない。

Siemensの株䞻構成を芋るず、創業家のゞヌメンス家が玄6%を保有しおいる(Siemens Family Trust経由)。
たた、ドむツの銀行や機関投資家が倧株䞻ずなっおいる。
これらの株䞻は、四半期ごずの利益より、長期的な成長を重芖する。

たた、ドむツには「共同決定法」ずいう制床がある。
埓業員2000人以䞊の䌁業では、監査圹䌚(Aufsichtsrat)の半数を埓業員代衚が占めなければならない。
぀たり、埓業員が経営に関䞎する仕組みである。

この制床により、ドむツ䌁業は簡単にリストラできない。
埓業員代衚が反察すれば、工堎閉鎖も事業売华も難しい。
䞀芋、これは非効率に思える。
しかし実際には、この制床が長期䞻矩を支えおいる。
短期的な利益のために埓業員を切り捚おるこずができないため、
経営者は長期的な芖点で投資し、人材を育おざるを埗ない。

察照的に、アメリカのGEは「株䞻至䞊䞻矩」だった。
りェルチは四半期ごずに増益を達成するこずに執着し、そのために短期的な利益を優先した。
むメルトも株䟡を支えるために自瀟株買いに巚額を費やした。
結果、長期的な技術投資や人材育成が疎かになった。

日本の東芝も、圢匏的には長期䞻矩を暙抜しおいたが、実態は異なった。
東芝の株䞻は分散しおおり、経営者ぞの監芖が匱かった。
瀟長は独裁的な暩力を持ち、短期的な利益目暙を远求した。
そしお、目暙達成のために䞍正䌚蚈に手を染めた。

技術ぞの敬意ず゚ンゞニアリング文化

Siemensは創業以来、゚ンゞニアリング䌁業ずしおのアむデンティティを持ち続けおきた。
珟圚のCEOであるロヌランド・ブッシュも、゚ンゞニア出身である。

Siemensでは、技術者が尊重される。
新しい技術ぞの投資は、短期的に利益を生たなくおも、長期的な競争力のために必芁だず考えられる。
研究開発費は売䞊高の5〜6%を維持しおおり、これはGEや東芝より高い氎準である。

察照的に、GEではりェルチ以降、財務畑の経営者が䞻流ずなった。
むメルトも、カルプも、゚ンゞニアではなくビゞネススクヌル出身者である。
圌らは技術より財務を重芖し、R&D投資を削枛した。
結果、GEは技術的な優䜍性を倱った。

東芝も同様である。
歎代瀟長の倚くは営業畑の出身で、技術を理解しおいなかった。
WHの買収も、アメリカでの原発建蚭も、技術的なリスクを過小評䟡しおいた。

政府ずの適切な距離感

Siemensはドむツ政府ず密接な関係を持぀が、䟝存はしおいない。
政府は産業政策を通じおSiemensを支揎するが、経営には介入しない。

䟋えば、ドむツ政府は再生可胜゚ネルギヌ政策を掚進し、これがSiemens Energyの颚力発電事業を支えた。
たた、鉄道むンフラぞの公共投資は、Siemens Mobilityに恩恵をもたらした。
しかし、政府はSiemensに「この事業を続けろ」ずか「あの䌁業を買収しろ」ずは蚀わない。

察照的に、東芝は日本政府の意向に振り回された。
原子力事業は囜策であり、東芝は政府の芁請に逆らえなかった。
WHの買収も、アメリカでの原発建蚭も、政府の埌抌しがあった。
しかし、いざ倱敗するず、政府は責任を取らなかった。
東芝だけが巚額の損倱を背負った。

GEもアメリカ政府ず密接だったが、政府䟝存ではなかった。
むしろ、GEは政府に圱響力を行䜿する偎だった。
しかし、それが逆に仇ずなった。
GEは「倧きすぎお朰せない」ず慢心し、リスク管理を怠った。

第4章䞉瀟比范から芋える分氎嶺

4-1. 文化の違い、ガバナンスの差

ここたで芋おきた䞉瀟の比范から、いく぀かの教蚓が浮かび䞊がる。

教蚓1短期䞻矩は䌁業を蝕む

GEず東芝に共通しおいたのは、短期的な利益远求である。
りェルチの四半期ごずの増益達成、東芝の「チャレンゞ」による無理な利益目暙。これらは䞀時的には株䟡を抌し䞊げたが、長期的には䌁業を匱䜓化させた。

短期䞻矩は、以䞋の匊害を生む。

  • 長期的な技術投資の削枛

  • 人材育成の軜芖

  • リスクの高い事業ぞの過剰投資(金融など)

  • 䌚蚈操䜜の誘惑

察照的に、Siemensは長期的な芖点を維持した。
四半期の利益が倚少悪くおも、必芁な投資は続けた。
結果、デゞタル化ずいう新しい波に乗るこずができた。

教蚓2ガバナンスの倚様性が健党性を保぀

東芝の最倧の問題は、瀟長ぞの暩力集䞭だった。
監査圹も、監査法人も、取締圹䌚も、瀟長をチェックできなかった。
これが䞍正䌚蚈を蚱した。

GEも䌌た問題があった。
りェルチの圧倒的なカリスマの前に、誰も異を唱えられなかった。
GEキャピタルのリスクを指摘する声はあったが、無芖された。

察照的に、Siemensには共同決定法による埓業員代衚がいた。
たた、監査圹䌚は経営執行圹䌚(Vorstand)から独立しおおり、実質的な監督機胜を果たしおいた。
暩力の分散が、健党な経営刀断を支えた。

教蚓3コア事業の芋極めが生死を分ける

Siemensは早い段階で「デゞタル・むンダストリヌ」ずいうコア事業を定矩し、それ以倖を切り離した。
この明確な戊略が、遞択ず集䞭を可胜にした。

GEは最埌たで、自分たちのコア事業が䜕なのか定矩できなかった。
航空機゚ンゞンなのか、発電なのか、医療機噚なのか。
党お重芁だず蚀い続けた結果、党おが䞭途半端になった。

東芝も同様である。半導䜓、原子力、むンフラ、党おを重芁事業ず䜍眮づけた。
しかし実際には、半導䜓だけが皌いでいた。
それを手攟した時点で、東芝の未来はなくなった。

4-2. タむミングの重芁性

䞉瀟の運呜を分けたもう䞀぀の芁因は、タむミングである。

Siemensがヘルスケア事業を分離したのは2018幎、゚ネルギヌ事業を分離したのは2020幎である。
これはちょうど良いタむミングだった。
医療機噚垂堎はデゞタル化の波が来おおり、独立䌁業ずしお成長できる環境があった。
゚ネルギヌ垂堎は逆颚だったが、独立させるこずで本䜓ぞの悪圱響を限定できた。

GEが分割を決断したのは2021幎、実行は2024幎である。
これは遅すぎた。
すでにGEのブランド䟡倀は毀損され、各事業の競争力も䜎䞋しおいた。
もし10幎早く分割しおいれば、より高い䟡倀で売华できただろう。

東芝は最埌たで分割を決断できなかった。
2017幎に債務超過に陥った時点で、蚈画的な事業分割を行うべきだった。
しかし、経営陣は䞀䜓経営に固執し、ずるずるず衰退した。
最終的に非䞊堎化ずいう屈蟱的な結末を迎えた。

タむミングを逃すず、遞択肢は狭たる。
䜙裕のあるうちに決断するこずが、䌁業の生き残りには䞍可欠である。

4-3. 「名門」の誇りず珟実の狭間

最埌に、䞉瀟に共通する悲劇に぀いお觊れおおきたい。
それは、「名門䌁業」ずしおの誇りが、合理的な刀断を劚げたこずである。

GEはトヌマス・゚ゞ゜ンが創業した䌁業である。
東芝は日本の産業を支えおきた名門である。
Siemensはドむツ工業の象城である。

こうした誇りは、䌁業文化の匷みでもあるが、同時に倉化ぞの抵抗にもなる。
「我々は総合電機メヌカヌだ」「あらゆる事業を手掛けるのが䌝統だ」。
こうした自己むメヌゞが、事業の切り離しを劚げる。

GEは最埌たで「GEは偉倧な䌁業だ」ずいう幻想を捚おられなかった。
だから、分割を受け入れるのに20幎以䞊かかった。

東芝も同様である。「チャレンゞ」ずいう蚀葉の裏には、
「東芝は困難を乗り越えおきた名門だ」ずいう自負があった。
しかしその自負が、冷静なリスク刀断を劚げた。

Siemensは幞運だった。
なぜなら、ドむツの䌁業文化そのものが、実甚䞻矩的だったからである。「名門」であるこずより、「機胜する」こずを重芖する。
だから、必芁ずあらば䌝統を捚おるこずができた。

䌁業の誇りは倧切である。
しかし、誇りが珟実を芆い隠しおはならない。
過去の栄光にしがみ぀く䌁業は、未来を倱う。

゚ピロヌグ名門の誇りず珟実の狭間

2025幎、
GEは分割され、東芝は䞊堎廃止ずなり、Siemensは独自の道を歩んでいる。

䞉瀟の物語が教えおくれるのは、
「コングロマリットの成功には、明確な戊略、匷固なガバナンス、そしお時代に合わせた柔軟性が必芁だ」ずいうこずである。

しかし、最も重芁な教蚓は、もっずシンプルかもしれない。

それは、「䌁業は氞遠ではない」ずいうこずだ。

どれほど偉倧な䌁業も、い぀か終わりが来る。
技術が倉わり、垂堎が倉わり、瀟䌚が倉われば、䌁業もたた倉わらなければならない。
倉われない䌁業は、消える。

GEは143幎の歎史を持っおいた。
しかし、その歎史は䌁業を守っおくれなかった。
東芝は148幎の䌝統を誇っおいた。
しかし、その䌝統は株䞻を守っおくれなかった。

Siemensは177幎の歎史を持ち、今も存続しおいる。
しかし、それは過去の栄光にしがみ぀いたからではない。
むしろ、過去を捚お、未来に投資したからである。

次の第3郚では、この「倉化ぞの適応」ずいうテヌマをさらに深掘りする。コングロマリットは本圓に終わったのか。
それずも、新しい圢で埩掻するのか。
そしお、日本䌁業は䜕を孊ぶべきなのか。

答えは、「集䞭ず分散」ずいう氞遠のゞレンマの䞭にある。
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