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「初代王天君」さんの企画、「宇宙人100人食べ比べ」に応募させて頂きました。

Myungです。

今回は「初代王天君」さんの企画、「宇宙人100人食べ比べ」に応募させて頂きました。

しかし、
宇宙人を100人食べ比べではなくて、宇宙人が100人食べ比べになってしまいました。
なので、少々ややこしいですが
○○○が宇宙人を食べ比べではなくて、宇宙人が日本食を食べ比べ物語になっています。

いつもとちょっと違う趣向になっているのが
新鮮でとても楽しみました♪


❤️初代王天君さんの企画記事です。
興味のある方は覗いてみて、応募してみてください♪


「100人の宇宙人が食べた、心に響く食の感想の物語」

AI×ワタシコラボファンタジーストーリー

はじまり〜はじまり〜〜。

〜味覚と孤独と宇宙人のお話し〜

 正直に言うと、最初は「食べ比べ」記録なんてつもりじゃなかった。

ただ、うちの食堂に宇宙人が来るようになっただけだ。

私の店――「定食屋みつき」は、東京の外れにある、階段を三段下りたところにある、小さな店だ。カウンター八席、テーブル二卓、メニューは日替わり定食と、あとはビールと日本酒だけ。看板もろくに出していないのに、不思議なことに三十年間、誰かが来てくれている。
 最初に宇宙人が来たのは、七年前の木曜日だった。
 雨が降っていた。私は厨房で翌日の仕込みをしていて、店のドアが開く音を聞いた。閉店後だったから、顔を上げて「すみません、今日は、、、」と言いかけて、止まった。
 入ってきたのは、青かった。
 全体的に、青かった。人の形をしていて、背は私より少し高く、頭が微妙に横に長い。目は四つあって、全部まんまるで、入ってきた瞬間、全部の目でメニュー黒板を見ていた。
 しばらく沈黙があった。
 そして彼は、あるいは彼女は、あるいはそのどちらでもない彼らは、こう言った。
「……ここ、ご飯、食べられますか」
 日本語だった。少し不思議なアクセントだったけど、ちゃんと日本語だった。
 私は五秒考えて、「明日の分の仕込みがあるから、それでよければ」と答えた。
 それが始まりだった。

一人目:アオ
 アオ――と私は呼ぶことにした、本当の名前は人間の発音器官では出せない音だそうで――は、チリンダ星第三衛星の出身だと言った。地球まで、光の速さで十七年かかるらしい。
「十七年?」と私は味噌汁を置きながら聞いた。「じゃあ帰るのも十七年かかるの?」
「はい。でも、今は帰れないんです」
 理由は聞かなかった。そういうことは、聞かなくていい場合がある。
 私は、仕込んでいた豚汁と、昨日の残りの漬物と、白いごはんを出した。予告通りの質素な食事だった。
 アオは箸の使い方を知らなかったので、スプーンを出した。
 最初の一口を食べたとき、アオの四つの目が、ぱちり、と全部閉じた。それから、ゆっくり開いた。
「……甘い」
「豚汁? 甘くはないと思うけど」
「甘いんです。地球の言葉で言うと、甘い、が一番近い。でも、甘いじゃないかもしれない。なんか……ふわっとして、あたたかくて、でも終わりに少し寂しい」
 私はカウンターを拭く手を止めた。
「味が、寂しい?」
「チリンダ第三では、食べ物の味に感情がないんです。栄養成分と、化学的な情報しかない。でも地球のご飯は……味の中に、何かが入ってる気がします。うまく言えないけど」
 私は黙って、彼の豚汁椀が空になるのを待った。
 アオは最後の一口を食べ終えて、それからしばらく、空の椀を見ていた。
「もう一杯、いただいてもいいですか」
 もちろん、と私は答えた。

七人目:ザザとザジ
 七人目と八人目は一緒に来た。ザザとザジ、双子だと言っていたが、見た目はまったく違った。ザザは丸くて大きくてオレンジ色で、ザジは細くて透明に近い白で、二人並ぶとまるで果物屋のディスプレイみたいだった。
 来たのは昼どきで、店は混んでいた。二人はカウンターに並んで座り、日替わり定食――その日は鯖の味噌煮だった――を頼んだ。
 ザザは食べながら、ずっとしゃべっていた。
「これ、魚ですか? うちの星にも似たものがいます。でも、もっとギャーギャーうるさくて、食べると頭が痛くなる。あ、でも、これは全然違う。すごく静か。静かな味。ねえザジ、静かだと思わない?」
 ザジは食べながら、一言も言わなかった。
 私は気になって、ザジに聞いた。「どうですか?」
 ザジは少し考えてから、「……鯖の味噌煮は、悲しいですね」と言った。
「悲しい!?」とザザが大きな声を出した。「どこが? 私は楽しいと思ったよ?」
「悲しいんじゃなくて……」ザジはまた少し考えた。「海の中を思い出させる味、というか。海を見たことないのに、海を知っている感じがする。生まれる前から知っていたものに、久しぶりに会う感じ、というか」
 テーブルの向こうのサラリーマンが、箸を止めてザジの方を見ていた。
 私も箸を止めていた。
 ザジは少し恥ずかしそうに、「うまく言えないんですけど」と付け加えた。
「いや」と私は言った。「うまく言えてると思う」

十九人目:コロ
 コロは子供だった。宇宙人の子供がどのくらいの年齢に相当するのかよくわからないが、見た目が小さくて、目がくるくるしていて、ひっきりなしに動き回っていたので、子供だなと思った。
 一人で来た。
 保護者は? と私が聞くと、「お父さんが地球で働いてるんで、会いに来た」と言った。「でもお父さんの仕事が終わるまで時間があるから、ここでご飯食べてもいいですか」
 断る理由がなかった。
 その日のメニューは親子丼だった。コロは「おやこどん?」と首を傾げた。親と子が一緒に入ってる料理なんですよ、と説明したら、「一緒に食べていいんですか?」と聞いた。
「食べていいです。むしろそのために作った料理です」
 コロは親子丼をとても慎重に食べた。最初の一口は、少しずつ、確かめるように。
 しばらくして、「お父さんはここのご飯を知ってますか?」と聞いた。
「知らないと思いますよ。来たことないから」
「そっか」とコロは言った。「じゃあ、お父さんに教えてあげる。お父さん、地球に来てからずっと、宇宙食ばっかり食べてるから」
 宇宙食って何が入ってるんですか、と私が聞くと、「栄養です」とコロは即答した。「栄養しか入ってません」
 それはつまらないね、と言ったら、「つまらないです」と言って、コロは親子丼の残りを全部食べた。
 お父さんが迎えに来たのは、二時間後だった。紫色の、背の高い宇宙人だった。
 コロはお父さんを店に引っ張り込んで、「ここのご飯、食べてみて」と言った。
 お父さんは申し訳なさそうに、「もう閉店では……」と言った。
 私は「いいですよ」と言って、残り物で卵かけごはんを作った。
 お父さんは一口食べて、しばらく黙っていた。
 コロが「どう?」と聞いた。
 お父さんは「……なんか、泣きそうだ」と言った。
 コロは「なんで?」と聞いた。
 お父さんは「わからない」と答えた。
 私もわからなかった。でも、わかるような気もした。

三十三人目:シン
 シンは、宇宙の料理人だと言った。
 五十以上の惑星の料理を学んできた、プロの料理人。地球にも、食の調査で来たらしかった。
 私の店に来たのは、偶然だと言っていた。けれど、三日連続で来たので、偶然ではないと思う。
 シンは食べながら、いつもノートに何かを書いていた。それを覗くと、細かい文字と図が書いてあった。
「何を書いてるんですか?」
「味の記録です。味を、言語で記録しています」
「難しくないですか。味を言葉にするって」
 シンは少し考えてから「難しいですね」と言った。「でも、地球の言語は特に難しい。地球人は、味を感情で説明するから。他の星では、味は物理現象として記録するんです。粒子の大きさとか、振動数とか。でも地球人は、『懐かしい』とか『寂しい』とか、感情で言う」
「それは変ですか?」
「変じゃない」とシンは言った。「でも、私には最初わからなかった。味に感情があるとは思っていなかったので。でも……」
 シンは箸を置いた。その日は筑前煮だった。
「今日のこれは、なんですか。感情で言うと」
 私は考えた。
「……日曜日の午後、かな」
「どういう意味ですか?」
「特別なことは何もないんだけど、なんか平和で、でもちょっと夕方に近づいてきて、もうすぐ終わるなって思う感じ」
 シンはノートに何か書いた。
「なるほど」とシンは言った。「それは、とても複雑な味ですね」
「そうですか」
「五十以上の惑星で、こんなに複雑な味は食べたことがありません」
 シンは三日目に来たとき、お土産を持ってきた。小さな瓶に入った、虹色の液体だった。
「私の星の料理です。地球の言葉では説明できないですが、飲んでみてください」
 私は一口飲んだ。
 頭の中に、映像が見えた。というか、見えたというより、感じた。広い草原と、遠くの山と、そこに吹く風の中を誰かが走っていて、それが嬉しいのか悲しいのかわからないけど、でもとにかく走っていて、風が強くて、でもそれがよかった。
「……これは」
「私の星の、ふるさとの味です」とシンは言った。「地球のみなさんが、食べ物に感情を入れているのを見て、私も入れてみました」
 私は瓶を持ったまま、しばらく何も言えなかった。

五十番目:タレとトレとトロ
 半分を過ぎたところで、私は気づいた。
 気づいた、というのは正確ではなくて、もともとぼんやりとわかっていたことが、はっきりとした形になった、というべきか。
 タレとトレとトロは三姉妹で、いつも一緒に来た。三人とも見た目は似ているのに、食べ方がまるで違った。タレはとても速く食べた。トレはとても遅く食べた。トロは、食べる前に必ずしばらく料理を見てから食べた。
 私が「食べる前になんで見てるの?」と聞いたら、トロは「料理を覚えてるんです」と言った。
「覚える?」
「私の星では、食べ物が採れた年に絶滅したので、もう食べ物がないんです。だから、今食べてるものを全部覚えておきたい」
 私はしばらく言葉が出なかった。
「それで、このご飯は?」
 その日は、肉じゃがだった。
「……秋みたいな味がします」とトロは言った。「じゃがいもが、土から来てるのがわかる。土の記憶が残ってる。こういう料理は、地面と繋がってる味がする」
「地面と繋がってる」
「はい。宇宙にはなかなかない。宇宙はだいたい宙に浮いてるから。地面がある場所って、少ないんです」
 私はその日、店を閉めた後、裏の小さな庭に出て、土を触った。
 砂利と雑草ばかりの、たいしたことのない庭だ。でも確かに、地面があった。
 私はずっとここで料理をしてきた。地面の上で、地面から来たものを、地面の上にいる誰かに渡してきた。
 それがなんだか、急に、途方もなく重要なことのように思えた。

七十二人目:老人のような宇宙人
 名前を聞かなかった。聞けなかった、というか、なんとなく聞いてはいけない気がした。
 見た目は、老人のようだった。地球の老人とは全然違うのだけれど、なんとなく、古いものを感じた。長い時間を生きてきたものの、静けさのようなものが、その存在の周りに漂っていた。
 来たのは冬の深夜で、雪が降っていた。
 私は一人で店にいた。もう閉めようとしていたところだった。
 老人のような宇宙人は入ってきて、カウンターに座り、「すまないね」と言った。
 すまない、という言葉を使う宇宙人は珍しかった。
「何にしますか」と聞くと、「なんでもいい。あなたが作りたいものを」と言った。
 私は残り物で、お茶漬けを作った。梅干しと、海苔と、ほうじ茶で。
 老人のような宇宙人は、お茶漬けをゆっくり食べた。
 長い沈黙があって、食べ終わってから、こう言った。
「私はね、三千の星を見てきた。三千の文明が生まれ、栄え、消えていくのを。食べ物も、たくさん見た。食べた。でも、あなたのお茶漬けは」
 少し間があった。
「お茶漬けは、最後の食事に似ている」
「最後、ですか」
「終わりに近い人間が食べるような気がして。でも、悲しくない。……不思議だな」
 私は答えに詰まって、かわりに聞いた。「あなたは、疲れてるんですか?」
 老人のような宇宙人は、四本ある手のうちの一本で、カウンターをゆっくりと撫でた。
「疲れてる、という言葉は、知ってるけど、自分に当てはめたことがなかった。でも……そうかもしれない。長い旅は、どこかで終わりにしたくなる」
 私は黙って、ほうじ茶をもう一杯注いだ。
 老人のような宇宙人は受け取って、両手で持った。
「あたたかい」と言った。
「そうですね」と私は言った。
 それだけでよかった。それだけで十分だった。

九十七人目、九十八人目、九十九人目
 この三人は同じ日に来た。
 友達同士だと言っていた。地球に観光に来て、たまたまこの店を見つけたらしい。
 三人は、ずっとおしゃべりをしながら食べた。内容は私には半分もわからなかったが、楽しそうなのはわかった。途中で一人が笑いすぎてお茶を噴いた。途中でもう一人が急に静かになって、窓の外を見た。途中で三人目が、小声で何か歌った。
 帰り際に、一人が私に言った。「この店、また来てもいいですか」
「もちろん」と私は答えた。
「次は何が食べられますか」
「日替わりだからわからないけど、まあ、だいたいこんな感じのものです」
「こんな感じ」と宇宙人は繰り返した。「……こんな感じのもの、好きです」
「ありがとう」
「また来ます。絶対来ます」
 彼らが階段を上がっていく音を聞きながら、私は食器を洗った。
 また来ます、と言ってくれる人は、宇宙人でも地球人でも、嬉しい。
 当たり前のことだが、改めてそう思った。

百人目:アオ、再び
 百人目は、アオだった。
 七年前に最初に来た、青い、目が四つの、あの宇宙人。
 彼は変わっていなかった。少なくとも、見た目は。
 来たのは春の夜で、桜の季節だった。店の外の道に、散った花びらが積もっていた。
 アオはカウンターに座って、しばらく黙っていた。
「久しぶりですね」と私が言った。
「はい」とアオは言った。「七年ぶりです」
「帰れたんですか、チリンダに」
「帰れました。でもまた来ました」
「どうして」
 アオはしばらく考えた。
「あなたの豚汁が、ずっと頭にあったんです。チリンダに帰ってからも、ずっと。七年間、折に触れて思い出した。なんで思い出すのかわからないけど、思い出した」
「それは光栄です」
「なんでですかね」とアオは言った。「あなたの豚汁は、特別な材料を使ってるわけじゃないですよね。高い食材でもないし、特別な技術でもない」
「そうですね。ごく普通の豚汁です」
「でも、思い出す」
 私はその日の豚汁を作った。七年前と同じ、どこにでもある豚汁。大根と人参と豚肉と、あとはちゃんとした出汁。それだけ。
 アオは一口飲んで、目を閉じた。
 しばらくして、目を開けた。
「……同じだ」
「まあ、レシピは変わってないので」
「七年前と、同じ味がします」
「そうですか」
「不思議ですね」とアオは言った。「宇宙はずっと変わってる。私も変わった。あなたも少し変わったと思う。でも、この豚汁は変わってない」
 私は少し考えた。
「変わってないというより……変わっても変わらないものがある、ということかもしれない」
「変わっても変わらないもの?」
「たとえば、味噌の香りとか。出汁のあたたかさとか。そういうものは、誰がどこにいても、たぶん同じように届く。チリンダ第三衛星でも、地球でも」
 アオは豚汁を両手で持って、少しだけ微笑んだように見えた。宇宙人の表情はよくわからないが、あれは微笑みだったと思う。
「あなたは、長い間、ここで料理を作ってきたんですね」
「三十年以上」
「なんでですか」
 私はカウンターに肘をついて、少し考えた。
「最初は、食べてもらうためだった。でも今は……なんだろう。来てくれる人に、また来たいと思ってもらうため、かな」
「また来たい」
「うん。それだけでいい。また来たい、と思ってもらえれば」
 アオはゆっくりとうなずいた。
「私は、また来たいです。また来ます。七年後かもしれないし、もっと先かもしれないけど」
「待ってます」と私は言った。


おわりに
食べ比べ記録をしてわかったこと
 百人の宇宙人の食事に立ち会って、私が学んだことは、一言では言えない。
 でも、無理に一言で言うとすれば――
 食べることは、言葉の前にある、ということだ。
 アオは「甘いじゃないかもしれない」と言った。
 ザジは「悲しいんじゃない」と言った。
 コロのお父さんは「なんで泣きそうかわからない」と言った。
 みんな、言葉が追いつかなかった。
 でも、追いつかなくても、確かに何かが届いていた。
 熱さが届いた。出汁の香りが届いた。やわらかさが届いた。
 言葉にならなくても、ちゃんと届くものがある。それが食べ物だと思う。
 百の星から来た百の宇宙人たちが、みんな、言葉に詰まりながら、でも確かに何かを受け取ってくれた。
 それは私にとって、三十年以上ここで料理を作り続けてきた、その意味だった。
 今日も、定食屋みつきは開いている。
 東京の外れの、階段を三段下りた小さな店。
 メニューは日替わり定食と、あとはビールと日本酒だけ。
 いつか、百一人目が来るかもしれない。
 来ても来なくても、私は今日も出汁を引いて、ごはんを炊いて、誰かが階段を下りてくる音を待っている。
 あたたかいものを出せるように。
 ちゃんと、あたたかいうちに。
                続く……


▫️「100人の宇宙人が食べた、心に響いた食の感想の物語」というのは、
・食べ比べ → 宇宙人それぞれが異なる感想・感覚を持つ
・宇宙人100人 → 多様な存在・価値観・文化の象徴
・心に響いた → 味を栄養や化学情報としてではなく、感情や記憶で受け取る体験

この3つが重なる物語、
この物語の本当のテーマは「食べ物を通じて、言葉を超えた何かが伝わる」という普遍的な話で、宇宙人という設定はそれを際立たせるための、美しい「遠回り」だったとも言えます。
地球人同士だと「当たり前」になってしまうことが、
宇宙人の目を通すと「なぜこの味は懐かしいのか」「なぜ泣きそうなのか」という純粋な驚きと優しさを感じて頂ければ幸いです♪



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今後ともどうぞよろしくお願いいたします♪


では〜また次回お会いしましょう💎⏱️⚡️

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