「共有しろ」と「唯一無二であれ」のあいだで働いている
仕事で“属人化をなくせ”と言われる一方で、“自分にしかできないことをしろ”とも求められて、働くことの矛盾について考えた記録です。
仕事をしていると、たまに「ん?」と思うことがあります。
たとえば、「属人化はダメ。ぜったい。」と言われる場面。これはたしかにその通りで、誰か一人しかわからない仕事が増えると、その人が休んだ時や辞めた時に、現場がわりと普通に詰みますw
「うわ、その件〇〇さんしかわからないです」みたいな空気、あれ、地味に怖いですよね。残された側も困るし、本人だって抱え込みすぎるとしんどい。だから属人化の排除自体は、かなり大事。そこに異論はありません。
でもその一方で、今度はこうも言われる。
「自分にしかできないことをしろ」
「独創性を持て」
「オリジナルを出せ」
……はい、よろこんで……?
えっと、つまり、共有できるようにしつつ、でも唯一無二であれ、ということですよね。
いや、言っていることはわかる。わかるんです。
でも、これ、なかなかの矛盾を含んだミッションでは?と思うのは私だけでしょうか。
しかも、だいたい人事査定の時期にふわっと現れる気がする。あれ不思議ですよね。年中そこにあるテーマのはずなのに、面談前になると急に輪郭を持って迫ってくる。季節の風物詩みたいな。
会社では、再現性や引き継ぎや標準化が求められる。
でも、評価されるのは“その人らしさ”や“その人ならでは”だったりもする。
みんなで回る仕組みを作れと言われながら、ちゃんと個の強さも出してほしいと言われる。
なんというか、「空気は読んで。でも埋もれないで!」みたいな、絶妙に高度な要求ですね!社会って、だいたいそういうものなのかもしれませんが。
でも最近は、これは完全な矛盾というより、“緊張関係”なのかもしれないなと思うようになりました。
つまり、ケンカしているようで、実はどっちも必要。
属人化を減らすべき仕事と、オリジナリティを出すべき仕事が混ざっているだけで、本当は全部を同じルールで考えなくていいのかもしれません。
たとえば、手順や引き継ぎや判断基準みたいなところは、できるだけ共有できる方が強い。
誰が見てもわかる、誰がやってもある程度回る。ここは属人化を減らした方がいい。
一方で、提案の切り口とか、改善のアイデアとか、人との関わり方とか、その人の視点や表現が出る部分は、むしろオリジナリティがある方が価値になる。
そう考えると、「全部を標準化しろ」と言われているわけでも、「全部を個性で戦え」と言われているわけでもないのかもしれません。
なので、人事査定の面談の時なんかは、
「この作業は属人化を減らす方向で整理しました〜」
「こちらは私なりの工夫や独自性を出した部分です〜」
みたいに、わかってますよ感をにじませるのが、案外いちばん大人の対応なのかもしれないなと思ったりします(笑)
いや、実際それができたらかなり賢い。
“私はこの緊張関係、理解したうえでやってますよ”という顔を、うっすら出していきたい。うっすらね。やりすぎるとただの面倒な人になりそうなんで。
副業をやっていると、この感覚はさらに強くなります。
副業の世界って、やっぱり“属人化最強”なところがあるんですよね。
この人だから買いたい。
この人のセンスだから頼みたい。
そういう、“誰でもいい”ではない価値がめちゃくちゃ強い。
オリジナル最強、と言ってもいいかもしれません。
実際、ただ同じことをしているだけでは埋もれてしまう。
特に発信とかサービスとかは、「あなたは何者ですか」が見えないと、なかなか選ばれにくい。
そう考えると、会社で言われる「属人化をなくす」と、副業で感じる「属人化こそ武器」は、だいぶ真逆に見えます。
ただ、ここもまた、どちらか一方が正しいという話でもないんですよね。
属人化って、たしかに強い。
でも、有限でもある。
自分が動ける範囲、自分の時間、自分の体力、その中でしか回らない。
だから副業でも、属人化だけで伸ばせるところには限界があるんだろうなと思います。
結局、どこかで仕組みにしたり、誰かと組んだり、チームにしたりしないと、拡張しづらい。
“自分らしさ”は武器だけど、それだけでは面積が足りない。そんな感じでしょうか。
ちなみに私はというと、まだ「これが私のオリジナルです!」と胸を張って言えるものを見つけきれていない、夢追い人です。
なんだかんだ、ずっとその途中にいる気がしますが(笑)
でも、たぶんそれでいいのかもしれません。
最初から完成された“自分にしかできないこと”なんて、そう簡単に見つかるものでもない。
むしろ、仕事でも副業でも、試しながら、削りながら、残ったものがだんだん“その人らしさ”になっていくのかもしれません。
だから今のところの私の結論。
仕事では、再現できる形に整える力が大事。
副業では、選ばれるための個性が大事。
そして本当に強いのは、その両方を行き来できる人なのかもしれない!
仕組みにできるものは仕組みにする。
でも、最後に残る“この人っぽさ”までは消さない。
標準化できるところは標準化する。
でも、全部を無色透明にしない。
そのバランスを探るのが、大人の仕事ってことなのかな〜と思います。
属人化はダメ、でも独自性は持て。
矛盾しているようで、たぶん社会はずっとその両方を求めている。
難しいけれど、たぶんこれは、白黒つけるものというより、その都度ちょうどいい落としどころを探していく話なのかもしれません。
そう思うと少し気が楽になるし、面談でも「このへん、私なりに考えてますよ」という顔はしやすくなる気がします(笑)
そんなことを、仕事と副業のあいだでふと思った記録でした。
