見出し画像

【レシピ】ベルギー産砂糖で作る、とっておきのマロングラッセ

秋の訪れとともに、たくさんの栗をいただきました。

今年は豊作で
立派な栗がたくさん

ひとつひとつ、つややかな茶色に輝く栗を手に取っていると、自然の恵みと、人のつながりのありがたさを改めて感じます。せっかくの贈り物なので、今年は少し特別な「マロングラッセ」を作ってみようと思いました。
そして今回、使用した砂糖は、ベルギー産のお砂糖。袋には愛らしい子どものイラストが描かれており、ベルギー人なら誰もが見覚えのあるあのブランドです。

このベルギーのお砂糖は、「ティルレマン(Tiense Suiker)」というブランドで知られています。今回はそのブランドの「Cassonade Graeffe」というお砂糖を使用しました。このお砂糖はパッケージの子どもの笑顔がとても印象的で、ベルギーではまさに国民的砂糖のような存在です。
ベルギーの家庭では、こちらのお砂糖を使用して次のように食べられていることが多いです。

  • 朝食のトーストやパンにふりかける

  • クレープやパンケーキにふりかける

  • ヨーグルトに入れる

  • ワッフルやクッキー、パイづくりに使用する

このように日常のさまざまな場面で使われています。私はよく、パンケーキにふりかけたり、パンの上にスライスしたバナナを置き、その上にお砂糖をふりかけてトーストをして食べています。優しい甘さの中に、コクを感じるのが特徴です。

これまでマロングラッセを作るときは、いつも日本のお砂糖を使っていましたが、今回は、ふと「同じ砂糖でも、産地や製法が違えば味わいも変わるのでは?」という興味が湧きました。そのとき、ちょうど手元に、ベルギーの家庭ならどこでも見かける、あの親しみのあるお砂糖があったので、これを使えば、いつものマロングラッセがどんな風に変わるのだろう…?
そんな小さな実験のような気持ちで、今年のマロングラッセづくりを始めました。

おいしいものを作る道のりは、決して近くはありません。マロングラッセもそのひとつ。
一粒の栗が、つややかに輝くまでには、気の遠くなるような時間と手間がかかります。

まずは、栗の表面を水できれいに洗います。

表面の汚れが取れ、きれいな色に

次に、沸かしたお湯を栗の中に注ぎ入れ、しばらく置きます。熱がゆっくりと栗に伝わり、人肌ほどの温かさに下がったころが、皮むきの合図。鬼皮(一番外の硬い皮)をむくときは、栗のお尻の部分にナイフで小さく切れ目を入れると、驚くほどむきやすくなります。
この段階では、まだ渋皮がたっぷり残っていても大丈夫です。大切なのは、栗の形を崩さないように、やさしく扱うこと。

少し黄色の部分が
見えてしまっても気にしない

そして、この作業を開始するのは、たいてい家族が寝静まった夜。静かなキッチンでひとり、湯気の向こうに揺れる栗を眺めながら、ゆっくりと時間をかけて皮をむきます。それは、翌朝の食卓で、家族が「おいしいね」と笑ってくれる瞬間を思い描いてのこと。眠る家族の顔を思い浮かべながら進めるこの時間も、私にとってはマロングラッセづくりの大切な一部です。

鬼皮をむいたあとは、いよいよ渋皮を取り除く工程に入ります。ここからが、マロングラッセづくりの本当の根気の見せどころ。
まず、栗を鍋に入れ、栗がすっかり浸るくらいの水を加えます。このときに忘れてはならないのが重曹。私は一鍋に対して小さじ1〜1.5ほど毎回入れています。
静かにかき混ぜてから火にかけ、鍋の中のお湯がふつふつと動き出したら、必ず弱火にします。強火のままだと、沸騰の勢いで渋皮がぼろっとはがれてしまうのです。ゆっくり、じっくり。弱火で30分。途中、あくを必ず丁寧に取り除きます。あくを取ることで、渋皮の風味を損なわず、仕上がりが美しくなります。

少しずつ渋皮が取れてきました

この30分は、私にとって大切な「自分の時間」でもあります。本を読んだり、語学の勉強をしたり。台所の隅で本を開き、ふと鍋のほうに目をやると、静かに湯気が立ちのぼっている深夜の平和な時間。そんな穏やかな時間の流れが、私の暮らしをゆるやかに整えてくれます。
火を止め、人肌ほどの温かさになったら、栗をそっと取り出してボウルに移し、水でやさしくゆすぎます。
このときのポイントは、指先で栗の繊維に沿って、やさしくこすること
力を入れすぎると栗が崩れてしまうので、まるで絹を扱うように作業します。この工程を2〜3回繰り返すうちに、少しずつ渋皮がやわらかくなり、表面がなめらかになっていきます。一度で完全に取れなくても大丈夫です。私は今回3回繰り返し、最後にひとつひとつの栗を確認しました。まだ筋の部分に渋皮が残っているものは、竹串や楊枝を使うと簡単に取り除けます。少しずつ、栗が自分の素肌を見せてくれるようで、見ているこちらまでうれしくなる瞬間です。

渋皮を取り終えた栗を、いよいよ鍋に戻します。
ここからは、栗にゆっくりと甘さをしみ込ませていく大切な工程。鍋に栗を入れたら、お砂糖を加えます。今回使ったのは、パッケージの3分の2ほど。まずはその半分の砂糖と、栗が浸るくらいの水を入れて、静かに火にかけます。沸騰しないように気をつけながら、1時間ほどじっくりと煮ます。
あくが出てきた場合は必ず丁寧に取り除きます。次第にキッチンに甘い香りがいっぱいに広がり、湯気の向こうで栗が少しずつ透明感を帯びていくのがわかります。そして、残りの砂糖を加え、さらにもう1時間煮ます。甘みがしっかりと栗の芯まで届いたころ、火を止めて冷まします。

どんな味になるかな?

熱が静かに引いていく間にも、栗はシロップを吸い込み、やわらかく、つややかに変わっていきます。このゆるやかな過程こそ、マロングラッセづくりの醍醐味なのかもしれません。

ツヤツヤのマロングラッセが完成

翌日、しっとりと落ち着いたマロングラッセは、丁寧に熱湯消毒した清潔なビンに詰め、冷蔵庫で保管します。我が家では、このマロングラッセをバニラアイスクリームやキャラメルアイスクリームに添えるのが定番。冷たいアイスクリームと、上品な甘さのマロングラッセが口の中でとろけ合う瞬間は、家族みんなを笑顔にしてくれる、ささやかな幸せのひとときです。

今回、ベルギー産のお砂糖を使ってマロングラッセ作りに挑戦してみました。どちらの国のお砂糖にもそれぞれの良さがあるのですが、個人的にはベルギー産の砂糖を使った方が、よりコク深く、奥行きのある風味に仕上がったように感じました。ベルギー産の砂糖ならではの、独特の甘みと香りが、マロングラッセの風味を一層引き立ててくれたのかもしれません。ぜひ、皆さんも色々なお砂糖で試してみて、お好みのマロングラッセを見つけてみてください。

来年もまた、このとっておきのマロングラッセが、家族の食卓を彩りますように。そんなささやかな願いを胸に、また一年、笑顔で元気に過ごしたいと思います。マロングラッセの優しい甘さは、家族の絆を深める、大切な思い出の味。来年もまた、この甘い香りに包まれて、家族の笑顔を見られますように。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
もし、今回の記事で何か心に残ったことや、新たな発見があれば、ぜひスキやコメントで教えていただけると嬉しいです。今後の記事を書くうえでとても参考になります。ぜひ気軽にシェアしてくださいね。

いいなと思ったら応援しよう!