趣味は「映画鑑賞」って書いてもいいですか?~薄口な映画感想文~ #72映画タイトル:ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編
映画タイトル:ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編
監 督:片桐健滋
出 演:山﨑賢人(杉元佐一)、山田杏奈(アシリパ)、矢本悠馬(白石由竹)、大谷亮平(谷垣源次郎)、高橋メアリージュン(インカラマッ)、青木凰(チカパシ)、池内博之(キロランケ)、舘ひろし(土方歳三)、木場勝己(永倉新八)、勝矢(牛山辰馬)、桜井ユキ(家永カノ)、塩野瑛久(奥山夏太郎)、杉本哲太(都丹庵士)、井浦新(ウイルク)、北村一輝(犬童四郎助)、和田聰宏(門倉利運)、眞栄田郷敦(尾形百之介)、玉木宏(鶴見篤四郎)、工藤阿須加(月島基)、中川大志(鯉登音之進)、稲葉友(宇佐美時重)、栁俊太郎(二階堂浩平)、國村準(鯉登平二) 他
鑑 賞 動 機 :実写版ゴールデンカムイ、ドラマ版ゴールデンカムイと観てきたので、これを見逃す訳にはいかねぇなぁ、というのと、実写版では神がかり的な再現度を誇る山﨑賢人は必見なのと、ラッコ鍋のシーンがどのように再現されるのか、興味が尽きないから。
ストーリー :アイヌ民族から奪われた金塊の在処を探す“不死身の杉元”こと杉元佐一(山﨑賢人)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)一行。杉元は幼馴染の梅ちゃん(高畑充希)の眼の手術代の為、アシリパはアイヌ民族の将来の為に金塊を探していた。金塊争奪戦には、日露戦争で報われなかった同志の為北海道征服を目論む第七師団を率いる鶴見中尉(玉木宏)、蝦夷共和国の復活を目指す、元・新選組鬼の副長こと土方歳三(舘ひろし)が激しく争っていた。この三者は時に争い、時に協力し合いながら激しい争奪戦を繰り広げる。杉元と土方は金塊の在処を知るキーマンである“のっぺら坊”から詳細を聞き出すため、彼が収監されている網走監獄襲撃を計画する。杉元一行と土方一派は門倉看守部長(和田聰宏)の手引きの元、網走監獄へ侵入し“のっぺら坊”を探す。そこへ第七師団、そして、“のっぺら坊”を死守しようとする、犬童監獄(北村一輝)率いる網走監獄の看守たち、そして囚人たちも加わり壮絶な戦いが始まる。
☆薄口な感想
本作品は、ラッコ鍋~樺太へ向かう海軍の軍艦の船上までが描かれています。
冒頭のラッコ鍋のシーンは、TVアニメにおいても、「声優陣、よく頑張った!!」と賞賛されるほど、熱量の高いシーンらしいです。
インカラマッ(高橋メアリージュン)と一緒に居るときに、アイヌの老人からラッコ肉を渡された谷垣源次郎(大谷亮平)。
アイヌには、「ラッコ鍋は必ず男女2人で居るときに食べる」という言い伝えがあるとか。
老人が立ち去った後2人は蝗害に襲われ、インカラマッはアシリパが乗っている小舟に、谷垣は杉元、白石(矢本悠馬)、尾形(眞栄田郷敦)そして後から現れたキロランケ(池内博之)とともに海岸端に佇む小屋に逃げ込む。そして男たちは空腹を満たすためラッコ鍋を囲むが、鍋の湯気を吸い込んだ後、お互いがお互いを色っぽく感じて妙な興奮状態に陥り、杉元の発案で相撲を始める、というファン待望の展開が始まるのです。
このシーン、ラッコ鍋の湯気でエロい感覚が鋭敏になってしまった男達の視覚を通して、一体我々は何を見せられているんだろう、と思わずにはいられない。(大いに笑いましたけど)
もう少し詳しく説明すると、お互いがお互いを意識し、このまま視覚だけで満足できそうもなく、次第にフィジカルな欲望を抑えきれなくなるBL展開になってしまうのでは!?という寸前で、杉元の「相撲しようぜ」の一言をきっかけに相撲、というより裸でのふれあいを始めてしまう男達。
男達の汗が飛び散り、何かが満たされる事の喜びに満ちた笑顔を浮かべ、汗を撒き散らしながらお互いの肉体をぶつけ合う男達(笑)。
そのわちゃわちゃの中から「ゴールデンカムイ」のタイトルが現れる、という、もう、「そうきたか~!」と、訳わからんけどたまらんですわ(笑)。
その後の谷垣とインカラマッの遣り取りに繋がるとは言え、作者の野田サトル先生も、何故このようなBLっぽい描写を織込んだのか、理解出来ないけど面白い。
まぁ、舞台設定は明治時代だから、男色の風習も残っていたとは思いますが・・・。
その後正気に戻った時の、キロランケ:「何か盛り上がっちゃったな」、杉元:「このことは黙っていような」の台詞のやり取りが、背徳感を増していて最高!
そして、網走監獄襲撃作戦開始前夜のいわば「固めの宴会」のシーンは、本来のチタタプである鮭のチタタプを皆でやったり、チカパシ(青木凰)が土方とともに土方の愛刀:和泉守定兼でチタタプしたり、尾形百之助がチタタプと呟いたり、と和気藹々の空気から、後半のシリアスな展開への流れが後半への期待を高めます。
網走監獄襲撃作戦一番のキーマンである門倉看守部長(和田聰宏)や宇佐美時重(稲葉友、藤田ニコルの夫)の原作コミック再現度の高さにびっくりしました。
もっともこの2人に限らず本作の登場人物達は映画版・ドラマ版ともに原作コミックの再現度は非情に高いので、とても感心してしまいます。
本作は、呉越同舟の連中が合従連衡を繰り返し、昨日の敵は今日の友、おとといの敵は今日も敵、みたいなある意味、めまぐるしく攻守が入れ替わるというか、敵キャラが心強い味方になる、という週刊少年ジャンプの王道展開を見せつつ、でも裏切る、或いは、目的を果たすために容赦なくさっきまで味方として行動を共にしていた連中をも「駒」として使う非情さが交差しているのが魅力なんだと思うし、私はそこが面白い、と感じています。
味方を欺いて裏切る連中ばかりかと思えば、牛山辰馬(勝矢)のように、アシリパには「〇んぽ先生」と慕われ、彼女がピンチに陥り、杉元が間に合わない時には身を挺してかばってくれる破天荒なジェントルマンが居たり。
そういえばYouTubeのショート動画の「ゴールデンカムイ」における紳士ランキングで、牛山辰馬が上位にランクインしているのも、彼ならなんか納得ですよね。アシリパの事を子ども扱いするのではなく「お嬢」と呼んで一人の女性として尊重しているし、どの女性に対しても紳士的な態度で接するジェントルマンだし。
そして、杉元一行と土方一派は網走監獄へ突入。
第七師団は対岸から網走監獄に進軍を試みると、犬童監獄は橋を爆破し、第七師団の侵入を阻止しようとしたが、実は、それが鶴見中尉の狙いで、第七師団は戦艦で網走川から網走監獄に接近、艦砲射撃で攻撃。
第七師団の軍人と網走監獄の看守では、訓練の量も実戦の経験値には雲泥の差があり、やはりその戦力には歴然とした実力差があるのは当然。あっという間に第七師団の侵入を許してしまう。
そして、監獄内での杉元&白石と第七師団の攻防。このシリアスな場面でも、ギャグを混ぜるのが流石「ゴールデンカムイ」、好きだなぁ。
この網走監獄内では、第七師団VS不死身の杉元、第七師団VS凶悪犯揃いの囚人、犬童監獄VS土方歳三、不死身の杉元VS二階堂(栁俊太郎)夫々の対決が繰り広げられ、夫々に見応えがあります。
最終盤で披露された家永カノ(桜井ユキ)に関するつまみ食いギャグは笑わせてもらいました。
それと樺太へ向かう戦艦の甲板で杉元と鯉登パパ(國村準)との会話で、鯉登パパが息子に対する思いを語る内容が当時の日本人の心意気を表し、壮絶な覚悟をしているように思います。
次の樺太編はドラマなのか映画なのかわかりませんが、期待しています。
