趣味は「映画鑑賞」って書いてもいいですか?~薄口な映画感想文~#53
映画タイトル:劇場先行版 ゴールデンカムイ 札幌ビール工場編 後編
監 督:すがはらしずたか
出 演:小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、中田譲治、津田健次郎、乃村健次、菅生隆之、杉田智和、松岡禎丞、竹本英史、小西克幸、関智一、堀内賢雄、水中雅章、水島裕、安原義人、前野智昭、波多野渉、梅原裕一郎、大塚明夫、並木文彦 他
鑑 賞 動 機 :実写版を観たし、アニメ版の札幌ビール工場編前編も観た。前編を観たからには、後編も観なければ収まりが付かないから、当然観に行くよね。
ストーリー :燃え盛る札幌ビール工場内に取り残された杉元やアシリパを探す白石達。一方、第七師団も刺青人皮に隠された暗号の謎を解く事が出来るアシリパを追って鯉登少尉らも工場内に突入。結局アシリパは第七師団に連れ去られてしまう。そして、追ってくる杉元らをまいた第七師団は隠れ家にアシリパを隠蔽。その隠れ家で、鶴見中尉はアシリパとソフィアにアイヌが隠した黄金の財宝にまつわる話を語り始める。
☆薄口な感想
前編ではあまり出番の無かった鶴見中尉でしたが、後編では完全に物語の中心になっていましたねぇ。
前編でも述べましたが、本作は前編と合わせて劇場先行版と銘打ってあり、2026年1月から放映されるアニメ「ゴールデンカムイ」第5期(最終章)の序章にあたる部分だそうです。
コミックだと25巻あたりからだそうです(ネット情報)。
前編で(私が)分かったのは、刺青人皮の暗号を解読するのに、必ずしも全ての囚人分を集める必要はないこと、暗号解読に関係の無い刺青もあること、暗号解読に必要な刺青人皮の枚数は杉元サイドも第七師団も保有している事、アシリパはこの暗号の解読のヒントを得ているらしい、ということ。
物語は、第七師団VSアシリパ・杉元・土方連合、みたいな様相を呈していますねぇ。
杉元はあまり土方を信用はしていないようですが、土方はというと、杉元のことはともかく、アシリパに対しては彼女こそがアイヌの希望、とかなり期待している感じですねぇ。
その一方で、第七師団の方はというと、鯉登少尉と月島軍曹は鶴見中尉の命令に従うことは従うのですが、全幅の信頼を置いているのか、というとすこ~し違うような気がします。
と、いうのも、アシリパの父:ウイルクに対する執念が尋常でない、というか、私怨を晴らすために第七師団を私物化しているのではないか、という疑念を抱いているようなんです。
ただ、この疑念は本作の中で解消されるわけですが、それは本心なのか?というと、人払いをしたけれど、聞き耳を立てられているという前提でいるのではないかと、思えなくもない。
要は、表面上は忠実な部下であっても、心から信用しているかどうかはわからない。
ここで、アイヌの金塊を入手しようと動いている夫々の勢力の考えを纏めてみようと思います。
① アシリパ アイヌの未来
② 土方歳三 蝦夷共和国を作りロシアとの緩衝国とするため北海道を独立させる
③ 鶴見中尉 戦友や家族たちに安定した生活を得るため、戦友たちが眠る土地を入手
④ ウイルク・キロランケ 極東ロシア・樺太島・北海道を独立させ、極東連邦を構成
⑤ ウイルク 北海道独立(アシリパ誕生後)
映画本編の中でも触れていましたが、実は、鶴見中尉の方針が一番ロシアの脅威から日本を守るのに納得性が高いような気がする、というか、一番腹落ちしたんですよねぇ。やっぱり、軍人だから説得力があるような気がします。
そして、ビール工場から第七師団によって略取されたアシリパは、教会でソフィアとともに、ウラジオストックで何が起きたのか、アシリパの父 ウィルクとの関わり(因縁?)について、鶴見中尉から聞かされる。
そして、話は少し戻りますが、網走監獄の中で、白石由竹と海賊房太郎達は、自分の夢とそれぞれの生い立ちについても語り合っています。
そこで語られるのは、白石は孤児でお寺に預けられて身寄りもなく、そのお寺さえ、今も残っているのかさえも分からない、海賊房太郎は14人兄弟のうち、自分ひとり生き残る、という孤独で想像を超える人生を送っている、という事。そんなんじゃ、お上の厄介になってしまうのも、多少は頷けるというか同情できると言うか。
幕末の動乱以降の時代は、21世紀の現在のように社会保障がしっかり行き届いている訳ではないので社会からあぶれてしまう人達は一定数いたと思われます。
主人公の杉元佐一も、日露戦争の最中目の前で幼馴染を亡くし、戦争未亡人となってしまった同じく幼馴染の眼の治療費を稼ぐためにアイヌの金塊探しをしているし、鶴見中尉も、諜報活動中に妻となったフィオナ、そしてその娘のオリガを亡くし、アシリパも父(アチャ)のウィルクを亡くしており、登場人物の多くが悲しい過去を背負っている。
そんな悲しい奴等が、夫々の思惑と理想を叶えるために、アイヌの金塊を求め争っている、という構図なのでしょうか?(相変わらず、物語の全体像を理解していないので、こんな表現をしてしまっています)
そして、この映画の魅力は、ず~っとシリアスなタッチで物語が展開するのではなく、時々コメディリリーフのエピソードが盛り込まれ、そのギャップが面白いですねぇ。
本作でも、客観的に見るとそれはちっと不謹慎なのでは?と思うようなギャグシーン(と、言ってよいのだろうか?)も盛り込まれており、そこはこのゴールデンカムイらしさ、というものだろうと思うことにしました。
まぁ、本作は2026年1月から始まるアニメの先行上映なので、アニメ本編を期待して待ちたいと思います。
