宇宙(そら)から中国の衛星工場を見てみよう!
こんにちは! スマートワークス 酒井です。
今日は「地図検索」の話を書きます。
中国の自動車メーカー、Geelyの宇宙開発
中国の民間大手・吉利(Geely)グループの商業航天(商用衛星)子会社である Geespace が、台州市に「衛星スーパー工場」を構え、低軌道コンステレーション向けの衛星量産を進めている、という記事を目にしました。
「そもそも自動車メーカーの Geely が、なぜ衛星を作るの?」
理由は結構シンプルです。
現在の自動車は“走るデバイス”ともいうべき通信依存型プロダクトになっています。自動運転の冗長通信、遠隔更新(OTA)、コネクテッドサービス、山間部や地方での通信確保などが必要ですよね。
これらを自社でコントロールしたい、という発想から、Geely は“空と陸を一体化したモビリティ構想”を推進中です。(Tesla が Starlink を持つなら、うちも衛星コンステレーションを、という感じなのかも。)
衛星スーパー工場とは?
Geelyの「衛星スーパー工場」ただの大きな工場ではありません。
年間 500機 の人工衛星を量産できると言われており、従来の“1基ずつ製造する宇宙産業”とは全く別次元の仕組みが動いています。
背景には、吉利グループが持つ自動車製造のノウハウがあります。
その手法を衛星づくりに持ち込んだ結果、1機あたりの製造サイクルはわずか 28日。従来比で 10倍のスピードになり、コストも約45%削減されたそうです。
同社CEOはすでに次の段階となる「衛星スーパーファクトリー 2.0」
(設計と製造をより密接に統合し、AI活用も一段深めたモデル)を構想している、と述べていて、“衛星を自動車のように作る時代”が本当に現実化しつつあるのだと感じます。
衛星スーパー工場、
Google で検索しても出てこない問題
さて、本題の台州市の 衛星スーパー工場。
複数のニュースソースによると、Geespace の衛星量産ラインは 浙江省台州市 にあるそうなのです。
衛星工場って絶対大きそう!
これは、衛星画像で見えるんじゃないかしら?と
Google マップで「Geespace」や「浙江时空道宇科技」で検索しても……
まったく出てきません。
「もしかして、製造工場は法人名が違うのでは?」と思いつき、
「台州 卫星超级工厂 浙江时空道宇科技」
で調べたところ、この予想は大当たり。
衛星スーパー工場は「台州星空智联科技有限公司」という会社名で
場所は 「浙江省台州市台州湾新区」にあるのだ、とわかりました。
(星空かぁ)(かわいいですね)
https://zhuanlan.zhihu.com/p/30693810669
会社名がわかっても出てこないGoogle
社名&住所が判明したので Google マップで再検索。
しかし! やはり出てこないのです。
台州市台州湾新区、という住所をヒントに、
海岸エリアの衛星画像を眺めると、
確かに工場地帯が広がっているんですが、
会社名がついていない(ラベリングされていない)区画の方が多いです。

ラベリング率が低いってことは、検索しても出ないよねぇ
と、ここで作戦を変えまして・・・
百度・高徳なら一発で出る
そこで、中国のローカルサービス
・百度地図(Baidu Map)
・高徳地図(Amap)
で同じ社名を入れてみたところ、あっさり場所がヒット。
「ローカル情報はローカルサービスが強い」
「検索エンジンの地域差は実務に直結する」
──という原則を改めて実感します。
(今回は地図ですけど、Web検索においても「中国のテック系企業の情報は、Google検索では探しにくい」という傾向があります。)
特に高徳地図は衛星画像の更新が早く、周辺の工場群もしっかりラベル付けされていて、予想外に見やすかったです。
宇宙(そら)から「衛星スーパー工場」を見てみよう
ということで
高徳地図では、衛星スーパー工場、こんな感じに見えました。
残念ながら「作りかけの衛星が写ってる」とかはなかったですけど、
南門と東門があって、大きい工場のイメージ通りでした。

場所はわかった!ということで同じ位置を Google で見たのがこちら。
両者見比べると、衛星画像の解像度はGoogleの方が高いです。
スッキリ見えます。

ただ、やはり周囲の建物含めてラベルがほぼ無く、
“巨大な謎建物が並ぶゾーン” にしか見えないです。
また、工場画像の上に道路が乗っているのも 何気に気になりますね・・・
(地図データと衛星画像がずれているもようです。)
近くには VOLVO の巨大工場
もうひとつ興味深かったのは、
この衛星工場のすぐ近くに VOLVO の大規模工場 があること。
(こちらも高徳地図を眺めていて気付きました。)
もちろん VOLVO も Geely グループ。サプライチェーンや人材動線を考えると、同一工業区に拠点を置くのは極めて合理的です。

ただ、画像で比較すると、敷地面積は VOLVO の方がざっくり10倍以上あるように見えます。
そりゃそうだわ。毎日何百台も生産する自動車工場と、月産数十基の人工衛星ではスケール感が違いますよね。(「スーパー衛星工場」っていうので、どれだけ大きいのか?と思っていました。。。)
しかし「自動車工場の横に衛星の量産工場がある」という組合せは、
2020年代の宇宙産業の変化を象徴するようで、とても面白いです。
中国でも“衛星の工業化”が本格化している
今回の“地図探偵ごっこ”を通して感じたのは
中国の商業航天(商業衛星)ブームは、すでに“工業化フェーズ”に突入しているだな、ということです。
国家戦略としての低軌道通信インフラ整備
GalaxySpace(銀河航天科技)、国電高科(Guodian Gaoke)、Geespace などの量産能力強化
「衛星スーパー工場」という概念の誕生
自動車産業の生産方式を宇宙産業へ転用する動き
欧米企業も同様に“量産化競争”に参入中
衛星は“1基ずつ開発する時代”から、
“工場でまとめて作る製品”に変わりつつあるんですね!
追記
Youtubeに紹介動画がありました!1分30秒ほどの短い動画です。
自動車工場を思わせる自動組立ラインが映っています。
雑談にお付き合いくださってありがとうございます。
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