棚の奥で7年。眠っていた圧力鍋が、家事の味方になるまで
「とろとろの角煮」の罠
「とろとろの角煮が、わずか20分の加圧で!」
そんなキャッチフレーズに惹かれて買った圧力鍋。

使ってますか?
箱から出してみると、思ったより部品が多くて、なんだか気難しい。 広告で見た憧れの角煮を一度作ったきり、その後は棚の奥へしまいっぱなし。
家事の味方になるどころか、「使いこなせていない」と自分を責める存在になってしまう。
これ、何を隠そう、かつての私です。
圧力鍋とわかり合えない日々は、7年ほど続いていました。
プロの技を、「いつものごはん」へ翻訳する
その後、私は縁あって圧力鍋メーカーに勤務し、
現在は、圧力鍋研究家として圧力鍋の魅力を伝える仕事をしています。

メーカー勤務時代、仕事を通して料理家やシェフなど、
たくさんのプロの使い方に触れて初めて知ったのです。
圧力鍋って、角煮を作るためだけの鍋じゃなかったんだ、と。
プロに教わった「一瞬で味を染み込ませるピクルス」や「一瞬で旨味を引き出す出汁」の技術。 それをベースに、私は自分の台所で研究を始めました。 もっと普段の食卓に登場させやすい、いつものおかずや副菜に応用できないだろうか、と。
それまでの私は、「圧力鍋=ごちそう専用」と思い込んでいました。せっかくのすごい鍋なんだから、しっかり圧力をかけるメイン料理を作らなきゃ申し訳ない、と。
でも、それは思い込みでした。
本当は、もっと気軽に、毎日の小さな台所仕事にも頼ってよかったのです。
そう気づいてから、我が家の圧力鍋の使い方は一気に変わりました。
普段着のおかずや手軽な副菜はもちろん、ピクルスの作り方を応用した「自家製ガリ」や「福神漬け」、さらには出汁の取り方を応用した毎日飲む「麦茶」の煮出しまで。
ハレの日の特別な角煮も素晴らしいけれど、日常の小さな台所仕事(ケの日の料理)にこそ、圧力鍋の真価がありました。
キッチンという戦場で、鍋が「身代わり」になってくれる時間
日常化して分かったのは、圧力鍋は料理をラクにするだけじゃなく、家事の中に「心の余白」を作ってくれる道具だということです。

加圧が終わって、火を止めた後も、鍋の中では調理が続いていく。
この「余熱時間」に、私は何度も助けられました。
ずっと火加減を見なくていい。
焦げ付く心配もない。
混ぜ続けなくていい。
つきっきりじゃなくていい。
「火の番をする」というのは、立派な、そして孤独な隠れ家事。その間は目を離せず、他のことができないから。
あれもこれも同時進行で、戦場みたいになりがちなキッチンで、この「火の番」を鍋が引き受けてくれる。
完全に放ったらかしなのに、ちゃんとおいしくなっていく。
鍋に任せられる時間がある。
それだけで、気持ちがひとつラクになります。
ごちそうの角煮を作る日だけでなく、出汁を取る、麦茶を煮出す、普段のおかずを作る。 そんなふうに日常に溶け込むようになって、圧力鍋は我が家の「家事の味方」になりました。
棚の奥の相棒を、もう一度あなたのチームの戦力に
圧力鍋、棚の奥に眠っていませんか?
持っているのに使えない。
それは、あなたが使いこなせないのではなく、
圧力鍋を「特別な日の道具」と思い込んでいるだけかもしれません。
毎日まいにち、キッチンという戦場に立ち続けるのは本当に大変なこと。
だからこそ、その孤独な戦いに、圧力鍋という「めちゃくちゃ優秀な戦力」を仲間入りさせてほしいのです。
「もっと気軽に使っていいんだ」と知れば、
圧力鍋はちゃんと、あなたの「家事の味方」になってくれます。
棚の奥で眠っている圧力鍋を、あなたの日常の相棒に。
そのための小さなきっかけや、気軽な使い方を伝えることで、あなたの毎日にほんの少しの「余白」を作るお手伝いができたら、これほどうれしいことはありません。
圧力鍋を家事の味方にするために
記事でお話ししたピクルスや出汁の活用法は、
YouTubeでわかりやすく紹介しています。
あなたのキッチンに、素敵な相棒との楽しい時間が訪れますように!
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