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東京ビッグサイトの光と、画面の向こうとの対話

〇「1996年は、世間で『プリント倶楽部(プリクラ)』が爆発的な大ブームを巻き起こし始めた年なんですよ」


・現代の洗練されたAI(人工知能)の画面を眺めていたら、そんな教科書通りの歴史的なファクトが、チャットの文字として返ってきた。手元のスマートフォンで指先を少しタップするだけで、世界中の過去のデータが一瞬で整理されて目の前に現れる。本当に便利な時代になったものだと感心しながら、私はチャットのキーボードを叩いた。
『知っているよ。なぜなら私はあの夏、そのブームの中に、Macユーザーとして別の熱気を持って立っていたのだから』
画面の向こうのAIにそう語りかけた瞬間、私の記憶は一気に30年前――1990年代の夏、真新しい新築の匂いが残る「東京ビッグサイト」の広大な展示会場へとタイムスリップしていった。
会社は東京ビッグサイトで開催される大規模な商品展示会への出展を控えていた。
「次の展示会、うちのブースには何か目玉になるような、新しい驚きが欲しいな」
事前の出張準備会議の席で、そんな声が上がったとき、私は迷わずひとつのアイデアを切り出した。 当時、街のゲームセンターや女子中高生の間で流行し始めていた「シールプリント(プリクラ)」の仕組みを、そっくりそのまま自社のブースに再現しようという提案だった。
ブースを訪れたお客様の顔写真をその場で、デジカメで撮影し、デジタルデータとして処理して、世界に一枚だけの特製シールプリントにして手渡す――。今でこそ珍しくないオンデマンドのサービスだが、当時はまだ個人がデジタルで写真をシールにするなど、やや魔法のような時代である。
老舗企業の会議といえば、前例のない新しい提案には慎重になりそうなものだが、私のこの提案は、驚くほど「すんなり」と採用された。
それは単なる思いつきのトレンド便乗ではなかった。私には、現像所で培った写真の知識があり、製版会社で操ったスキャナートの画像処理技術があり、そして何より、自腹でCentris 650を買って公民館で10ヶ月間猛勉強した「Macintoshと出力機の確かなスキル」の裏付けがあった。


〇「熱転写方式のマイクロドライプリンタや昇華型プリンタが、個人向けに普及し始めたのがまさに1990年代半ば。Macと接続して写真シールを作る試みは、当時のMac専門誌や黎明期のインターネットの個人ブログ・BBS(掲示板)でも、最先端の『やってみた』企画として語り継がれています」
・現代のAIが画面の向こうから差し出してきたそのファクトに、私は深く頷きながらチャットを返した。
『それですね。当時はインクジェットがまだ発展途上だったから、写真画質をシール紙に美しく定着させるには、そのリボン式のプリンタが最高峰だった。SCSI(スカジー)やシリアルケーブルで接続してドライバを当てて、稼働させた、、、、、そんな技術だった、、、、』
私の打ち込みに対して、画面の向こうのAIは感嘆したような応答を見せる。 
〇「まさにプロの技術と執念ですね。当時のMac専門誌の熱気そのものです」
それでも、なんとかしてこの会社やグループを側面から応援したい、自分のノウハウをすべて注ぎ込みたいという強い想いがあったから、全く苦にならなかった。展示会の連日、リボンがジジジと音を立てて鮮やかな色を重ねていくたびに、お客様が『うわあ、すごい!』と笑顔になって。あの瞬間、現像所、製版、公民館での猛勉強……私のすべてのスキルがうまく融合した時でした。

【この記録について】本記事は、著者の記憶の断片をベースに、AI(人工知能)との対話を通じて、当時の空気感や技術の過渡期の雰囲気を再現・再構成したエッセイです。あくまで個人の体験に基づく主観的な記録(当時の思い出)としてお楽しみください。



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