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不撓不屈の脇役――本当のヒーローは彼かもしれない

「お気に入りの脇役」と聞いて、真っ先に思い浮かんだキャラクターがいます。

https://note.com/sairyu_/n/nfcca49534f30

それは、多くの人が幼い頃から知っている存在――


『アンパンマン』のバイキンマンです。

子どもの頃は単純に「悪役」という印象でした。しかし大人になり、さらに教育や子育てに関わる立場になってから見ると、このキャラクターの見え方がまったく変わってきました。

むしろ私は、バイキンマンこそ「不撓不屈」を体現した存在ではないかと感じています。


何度負けても立ち上がる

アンパンマンの物語では、バイキンマンは毎回のように失敗します。
作戦を立てても負ける。新兵器を作っても壊される。最後は「バイバイキーン!」と飛ばされる。

普通なら、心が折れてもおかしくありません。

しかし、バイキンマンは決して諦めません。
次の回にはまた元気に現れ、新しい作戦を考えています。

これは簡単なようで、とても難しいことです。

現実の世界では、一度なり複数回失敗すると「もうやめよう」と思ってしまうこともあります。特に現代社会は、失敗に厳しく、結果ばかりを求められる場面も少なくありません。

そんな中で、バイキンマンは何度負けても立ち上がる。それも様々アレンジしながら。

この姿は、子どもたちにとっても、大人にとっても、大切なメッセージを持っているように思います。


必要なものを自分で作る

さらに驚くのは、バイキンマンの技術力です。

必要な機械やメカを、ほとんど自分で作ってしまう。
しかも毎回かなり高度です。
昭和ファミコンのコントローラーしかないのに…

つまり彼は、単なる「悪役」ではなく、

  • 発想力

  • 行動力

  • 技術力

  • 改善力

を持った、非常に優秀なキャラクターなのです。

教育現場でも、「失敗しない子」より、「試行錯誤できる子」のほうが、長い目で見ると伸びることがあります。

バイキンマンはまさにその象徴です。
失敗しても、また考える。改善する。そして挑戦する。

これは、今の時代に必要な力ではないでしょうか。


生まれながらの敵役

そして、私が特に考えさせられるのはここです。

バイキンマンは、最初から「敵役」として生まれています。

何をしても「悪役」と見られる。
最初から立場が決まっている。

それでも彼は、妙に明るい。

パーティーに誘われなくても落ち込みすぎない。
……いや、むしろ「誘わないほうが問題だろ!」と、大人になった今では少し思ってしまいます。

子どもの世界でも、大人の世界でも、「役割」は知らないうちに固定されることがあります。

目立つ子。
リーダー役。
逆に、いつも怒られる側。
少し輪に入りにくい子。

教育に関わっていると、その危うさを感じることがあります。

だからこそ私は、バイキンマンという存在に惹かれるのかもしれません。

「敵役」であっても、自分を完全には否定しない。
そして、自分の人生をちゃんと生きている。

これはとても大切なことだと思います。


本当のヒーローとは

さらに映画版では、バイキンマンがアンパンマンと協力する場面もあります。

ここに私は、この作品の懐の深さを感じます。

完全な善と悪ではなく、光と影。必要な時には手を取り合う。
立場を超えて協力できる。

そして、よく考えてみれば――

アンパンだって、酵母菌がなければ作れません。人間にとっては酵母菌が善なだけ。

つまり、アンパンマンとバイキンマンは、ある意味「兄弟」のような存在とも言えるのではないでしょうか。

善だけでは世界は成り立たない。
悪役がいるからこそ、ヒーローも輝く。

そして時には、その「脇役」こそが、作品全体を支えている。


子どもたちに伝えたいこと

私は子育てや教育の中で、「主人公になれる子」だけを育てる必要はないと思っています。

むしろ、

  • 失敗しても立ち上がれること

  • 自分で考えられること

  • 与えられた役を全力で生きること

のほうが、人生では大切かもしれません。

バイキンマンは、毎回負けます。
でも、決して終わりません。

だからこそ、長く愛されているのでしょう。

「不撓不屈」という言葉があります。
どんな困難にもくじけないこと。

私にとって、その姿を最も分かりやすく教えてくれる脇役は――
もしかすると、バイキンマンなのかもしれません。


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