#せりふ三題噺 #屋上春一番ローファー
「最近、寒さも緩んできたよなあ」
「まあ立春も過ぎたしなぁ」
校舎の屋上で俺は悪友とダベっていた。
春の嵐が顔に吹き付けてくる。
「きゃっ!」
小さな悲鳴に振り返るとクラスのマドンナがスカートのすそを押さえるところだった。見えちゃいけないモノがチラっと目に入る。
そのコは顔を真っ赤にしながらパタパタとローファーの靴音を鳴らして逃げるように階段を下りていった。
「チキショー、見損ねた。おまえだけいい思いしやがって」
「ん?なんの話だ?」
「ずるいね、いい子ちゃんぶりやがって」
◇
「って言う妄想を短編小説にしたんだが?」
「いやいや、お前。今どき『マドンナ』はないだろう?昭和のおっさんかよ」
「ああ、昭和のおっさんそのものだけどそれがなにか?」
「お前、ずるいね」
320文字ワンライ(一時間以内しばり)
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