建前にも厚化粧するオンナ
先週末、近所に住む友人A宅にお邪魔した。
娘さんと二人暮らしのA。なんの気兼ねもなくゆっくり過ごせるのだけれど、こんなことにまで引きこもりのアイデンティティが発動する。おそらくA宅までは100歩ほど。もしかすると100歩ないかもしれないその距離すら億劫に感じてしまう。
それでもお風呂に入り、してもしなくても大して変わらない化粧という武装をはがした"鮮度100"のババァのまま、歩いて遊びに行ける友人宅があるのは、本当に心の支えになっている。Aよ、いつもありがとう。
私とAは、中学校だけが一緒だった。3年生の時に同じクラスだったのだけれど、グループが違ったのでずっと一緒にいたわけではない。でもなぜか気が合う。
なぜ気が合うのか考えてみた。私もAも、人からどんな印象をもたれていようとも、自分で思う性格のカテゴリーが「草葉の陰、岩の下」なのだ。このカテゴリーの人間は人から「あなた、そうじゃないでしょ?」と諭されても、払拭することはなかなか難しい。
Aと話をしていると、毎回、中学3年の時にクラスメイトだったDの話になる。Dは一軍女子の腰巾着をしながら、自分もそうだと勘違いしてる系女子だった。そんな様子だから表向きは友達が多そうに見えても、陰では嫌われている。
現に私はDが大嫌いだった。今も嫌いだ。パーソナルスペースがバグっているDに、スーパーなんかでばったり出会ってしまい、大きな声で「さいか~~~」なんて手を振られて近寄ってこられると「うるせー!!」と叫びながら岩の下に隠れたくなる。
AとDは幼なじみ。Aは子どもの頃から散々嫌な思いをさせられてきたから、Dのことは大嫌いだけれど、幼なじみがゆえに今さら距離も取れないし、たまに見せる「いいところ」が足かせになって、いまだに「ランチにいこう」と誘われることがあるらしい。
「だれがあいつとランチなんて行きたいんだよ」
私の周辺の同級生の女子の大半はそう言うのに、Dのインスタは【〇〇ちゃんとランチ♡】とキラキラだ。私の本アカなんて、変顔や加工して作ったオモシロ動画で埋め尽くされているのに。
数年前、A宅でいるとDから連絡がきて「私も行くぅ」と途中で合流したことがある。
Dは到着した途端、ベラベラと自分の話を一方的にし、1人でゲラゲラと下品に笑っていた。話半分に適当な相槌を打つ私とAに、Dは突然、顔面をぐいっと寄せてきてこう言った..…
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