産学連携、若き感性が爆発する。
■衣料『ストライプベトナム社』の試み。
・最近のニュース、「ベトナムの衣料『ストライプベトナム社』は、ハノイ市の工業美術大学と連携、次世代デザイナー育成へ」。
・ファッションブランド『アースミュージックアンドエコロジー』などを展開するアパレルメーカーの株式会社ストライプホールディングス(岡山県)のグループ会社であるストライプベトナム(STV)は「ハノイ市の工業美術大学(UAD)と、ファッション分野における教育活動と企業実務の連携強化、および次世代デザイナーの育成を目的とした連携協定を締結した」。
・協定のもと「若手ファッション人材の発掘・育成と実践的な学習機会の創出を目的とした共同プロジェクトの一環として、同大学の学生を対象としたファッションデザインコンテストを開催する」。
■夢が羽ばたくコンテスト。
・コンテストでは「『美しさ』、『機能性』、『市場性』を兼ね備えた普段着のデザインを募集し、優秀な2作品はストライプベトナムが展開するレディースブランド『ネム(NEM)』で商品化され、ベトナム全国で販売される予定だ」。
・ストライプベトナムは「『ネム』を展開し、ベトナムらしさとトレンドを融合した商品を提案している。一方の工業美術大学は1949年創立の公立美術大学で、『応用美術』分野においてベトナムでトップクラスの実績を誇り、国内のクリエイティブ産業に大きく貢献している」。
■産学連携の事例や世界潮流。
・余談、日系アパレル企業とベトナム・大学の試みは大変意義があり、増々この国・アパレル市場から目が離せないが、このような取り組みで成功した事例や世界での潮流を振り返ってみたい。ファッション業界における「産学連携」は、単なる学生支援の枠を超え、企業のR&D(研究開発)や若手発掘、さらにはブランドの社会的価値向上に直結する戦略的投資と位置付けられている。
・企業は現場のリアルなトレンドや技術ニーズをシェアし、大学はアカデミックな視点や革新的なデザイン理論を提供する。この知識のクロスオーバーにより、学生は「実社会における問題解決能力」を飛躍的に向上させ、同時に企業にとっては「革新的なアイデアの源泉となる」ことが証明されている。
・事例としては、世界的なファッションスクール(ロンドンのセントラル・セント・マーチンズやニューヨークのFITなど)と大手ブランドの連携は、すでに多くの成功例を生んでいる。例えば、デザインコンテストを通じて選出された学生の作品がカプセルコレクションとして展開されるケースでは、「限定性」と「新人デザイナーのストーリー」が顧客の共感を呼び、ブランドへのロイヤリティ(忠誠心)を高めることに成功している。
・ベトナムにおいて、STVとUADの連携は、単なる教育支援ではなく、ベトナムのクリエイティブ産業を次なるフェーズへと押し上げる重要な一手であり、消費者のファッションに対する感性の高度化に対応していくチャレンジングな作業でもある。このような状況下で、公立美術大学トップクラスの知見と、実務に長けた企業が結びつくことは、「ベトナム発のグローバルブランド」が生まれるための土壌となり得るのだ。
・今回のプロジェクトでは、選考された学生たちが、さらにオフィスや工場で専門家から直接指導を受ける機会や、『産学連携を通じた実践的学習』なども盛り込まれていることと察している。単なる知識の伝達に留まらず、次世代のクリエイターにビジネスの厳しさと面白さを同時に教え、将来的な産業の生産性向上や持続可能性(サステナビリティ)の推進に直結すると捉えられるからだーーーベトナムの若き感性が、この国に風を吹かせ、日本にも上陸し、そのうち世界を席巻していく、そんな日はそう遠くない未来に訪れるのかもしれない。私は少し背伸びして、新進気鋭のクリエイティブを身に纏い、アパレルの風に吹かれてみようか。そんな楽しみに想像が膨らんでいく。
