国際免許に淡い記憶が甦る。
■ベトナムにおける国際運転免許証の新規定。
・最近のニュース、「公安省はベトナムにおける国際運転免許証の新規定を施行、外国人の申請書類など明確化」。
・公安省は「運転免許証の試験、発給、交換、回収および国際運転免許証(International Driving Permit=IDP)の発給・使用に関する通達第108号を発出。同通達は7月1日に施行された」。
・同通達では「外国人に対する国際運転免許証の発給や、外国の運転免許証の切り替えに関する規定も含まれている」。有効なベトナムの国内運転免許証を所持するベトナム人および外国人は「公安省傘下交通警察局、または各省・市の交通警察部の窓口で直接申請するか、国家公共サービスポータルを通じてオンラインで国際運転免許証の発給を申請することができる」。窓口で申請する場合「国内運転免許証の原本を提示し、パスポート、永住カード(外国人の場合)などを提出して手数料を納付する」。
■ベトナムの道路交通に関する条約は、ウィーン交通条約を批准。
・ベトナムの一時滞在許可証または永住カードを所持し「ベトナムが批准する国際条約の批准国が発給した有効な運転免許証を持つ外国人およびベトナム人についても、国際運転免許証の発給が可能だ。この場合、外国の運転免許証をベトナム語に翻訳し公証を受けたもの、パスポート、一時滞在許可証または永住カードなどのコピーを提出する必要がある。手続きの所要日数は、有効な書類を受理してから2.5営業日となる」。
・なお「ベトナムは『1968年道路交通に関する条約(ウィーン交通条約)』を批准しているが、日本は批准国ではないため、日本の運転免許証のみを根拠にベトナムでIDPの発給対象となるかは確認が必要だ」。国際運転免許証は「A6サイズで、表紙はグレー、内側のページは白色となる。基本情報、利用範囲、運転者の申告、運転可能な車両クラスなどが、ベトナム語、英語、ロシア語、スペイン語、フランス語の複数言語で記載される」。
・同通達では「外国の運転免許証の切り替えに関する規定も明確化されている。ベトナムに居住している、または同国で就労・就学している外国人で、有効な外国の運転免許証を所持し、かつ有効期限が90日以上残っている査証(ビザ)や一時滞在許可証、または永住カードなどを所持している場合、対応するベトナムの運転免許証への切り替えを申請することができる。申請は交通警察部などの窓口、または国家公共サービスポータルを通じてオンラインで行うことが可能だ」。
■在留邦人自らハンドルを握る。
・余談、現在は中長期の在留邦人や欧米・アジア系駐在員、起業家が自らハンドルを握るケースが目立ってきた、ということなのか。ベトナムで運転する外国人の運転免許保持者について、過去10年の推移と法改正の歴史から紐解いてみたい。
【年代ごとの背景と推移】
-2014年~2015年頃(黎明期)。
ベトナムは長年、外国人の運転に厳格だったが、2014年にベトナムが「ウィーン交通条約(1968年条約)」に批准し、翌2015年から同条約に基づく国際免許(IDP)の受け入れおよび発給を開始したことで潮目が変わり始める。
-2018年~2020年頃(拡大期)。
外資系企業の進出ラッシュに伴い、長期滞在者(労働許可証・レジデンスカード保持者)が急増。ベトナム国内免許への「切り替え手続き」が整備され始め、都市部を中心に外国人による切り替え件数が右肩上がりに増加した。
-2024年~2026年(現在・成熟期)。
公安省による行政手続きのデジタル化が進み、「国家公共サービスポータル」を通じたオンライン申請が可能になった。今回の「通達第108号」により、外国人に対する発給・切り替え要件がさらに明確化され、利便性が飛躍的に向上している。
・ベトナム全体の免許保有者数(数千万規模)から見れば、外国人保有者の割合は数%未満とわずかだが、都市部の「外国人居住エリア」に限定すると、日系・韓国系・欧米系を含め、日常生活やゴルフ等のレジャー用にバイクや車の国内免許に切り替える人の割合は年々高まる。ちなみに日本のジュネーブ条約に基づく国際運転免許証の有効期限は発行から1年間となっている。
・私がベトナムで暮らし働く直前、日本において出来る限りの準備をしようと、当時日本の普通免許をベースにパスポートを握りしめて取得した国際免許ーーー「これでベトナムでも運転できるぞ」と渡航したものの、現地の凄まじいバイクの濁流を前に結局一度もハンドルを握る機会は訪れず、1年の有効期限は静かに切れていった。利便性がより増していく最新の報道を目にしながら、当時ベトナムビギナーだった、ほろ苦くもどこか懐かしい、遠い記憶が鮮やかに甦っていく。
