『街の冷蔵庫』に私は生かされて。
■『Bach hoa XANH』、ニンビン省に開業・進出。
・最近のニュース、「食品販売スーパーチェーン『バックホアサイン(Bach hoa XANH)』、ニンビン省に開業・進出」。
・「携帯電話小売・家電小売の最大手で、ミニスーパー事業も拡大中の『テーゾイジードン投資(MWG=Mobile World Investment Corporation)』は、11月末に北部紅河デルタ地方ニンビン省に食品販売チェーン『バックホアサイン』を複数店舗オープンし、北部市場への進出を本格化する」。また「約10年にわたり南部で事業を展開し、その後は中部でも店舗網を拡大してきた。今回の北部進出は、事業戦略上の重要な節目となる」。
・バックホアサインは「ニンビン省について、中部ロジスティクス拠点からの距離が近く、運営効率を確保しやすいことに加え、北部消費者の購買行動を把握する上で適した場所と位置付けている。同社は同省を『戦略的な足掛かり』とし、段階的な出店拡大を進めていく方針だ」。
■バックホアサインの店舗数は全国2415店舗。
・新店舗では「北部の需要に合わせた品揃えや地域性のある商品、高価格帯商品を強化する。また、物流網やサプライチェーン、人材体制などを整備し、開業初期から安定した運営を目指す」。11月13日時点「店舗数は全国2415店舗となり、2024年末比で+645店舗増加し、2025年の新規出店目標(620店舗)をすでに上回った」。
・1〜9月期の売上高は「前年同期比+約14%増の約2000億円で、MWGの売上高全体の30.3%を占めた。同年の税引後利益は約35億円超となる見通しだ」。そして「2026年以降、年間約1000店舗のペースで出店を加速し、2028年に新規株式公開(IPO)を目指す。ただし、約▲410億円の累積赤字を解消するには、今後2年で年間約58億円規模の利益確保が必要となる」。
・街中では企業の想いを表現した『Bách hóa XANH.com』の鮮やかな緑地(新鮮、自然、安心感)に黄文字(親しみ、元気、温かさ)が映える看板を、ここ最近よく見かけるようになった。文字横の人型アイコンはドットで構成され、走る動きを加えたデザインは、親しみやすさ・活気・地域密着を謳い、消費者とのつながりと日常性を表現する。またドット=ピクセルは、「オンラインとオフラインを融合したO2O(Online to Offline)型の小売戦略を展開しており、デジタル化、現代性、柔軟性を表すそうだ。
■北部へ進む、その機は熟した。
・余談、ちなみに、『Bách hóa』は、ベトナム語で「百貨店」、「雑貨店」を、『XANH』は「緑」を意味し、直訳すると「緑の百貨店」といったところだ。私は実際、このスーパーに訪れたことがあり、感覚的には伝統的市場が店舗を構えたような雰囲気、ローカルのスーパーマーケットで、値段も手頃で、部屋着やパジャマで買い物するベトナム人たちをよく見かけ、まさに庶民の強い味方という印象だ。
・地域密着型の生活支援型スーパーである『バックホアサイン』は、南部の成功事例を、そのまま北部にスライドしない非常に慎重且つ戦略的な企業であることと察している。南と同じような商品群やオペレーションを北部で展開すればいいか、というと、そう簡単な話ではない。南部は乾季と雨季の2シーズン、北部は四季があり、気候や地理的などの要因で同じベトナム人でも、南部と北部の人々の考え方、生活様式は異なる。まるで国が違うのではないか、とさえ感じることもある。
・『バックホアサイン』が誕生して約10年、この間の経験・実績、蓄積データや企業努力を基に、北部進出への足掛かりを築き、「北部へ進む、その機は熟した」とそんなフェーズに立ち始めた、と私は本報道をそのように捉えているーーーベトナムの伝統的市場、『バックホアサイン』のようなローカルスーパー、日系スーパー、ベトナムに点在する様々な「街の冷蔵庫」に私は生かされながら、変わりゆく景色を眺めている。
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