【偏愛本棚#0030】ラーメン屋のカウンターに座りたくなる、ゆるっと読める漫画
今回紹介する一冊は、
鳴見なる先生の『ラーメン大好き小泉さん』です。
女子高生がラーメンを食べる漫画。
ものすごく簡単に説明すると、本当にそれだけです。
でも、その「それだけ」が、いいんです。
大きな事件が起きるわけではなく、
複雑な伏線を追いかける必要もなく、
ただラーメンが好きな女の子が、今日もどこかでラーメンを食べている。
この気楽さが、今の自分の気分にとても合っていました。
最近、私の中でラーメンブームが来ています。
きっかけは、羽田空港で食べた鶏だしラーメンでした。
空港で食べるラーメンって、少し特別です。
旅の前なのか、旅の後なのか。
日常と非日常のあいだで、あたたかいスープを飲む感じ。
その一杯を食べてから、
「ラーメンって、やっぱりお店で食べるのが楽しいな」
と思うようになりました。
カウンターに座って、
目の前に置かれた一杯を黙々と食べる。
スープを飲んで、麺をすすって、少し汗をかいて、満足して店を出る。
その一連の流れが、なんだか今の自分にちょうどいいのです。
目次
・今日この本を選んだ理由
・出会ったタイミング
・あらすじ
・偏愛ポイント
・こんな時に読みたい
・電子書籍メモ
・一言まとめ
今日この本を選んだ理由
この本を選んだ理由は、読んでいるとラーメン屋のカウンターに座りたくなるからです。
『ラーメン大好き小泉さん』は、ラーメンが大好きな女子高生・小泉さんを中心にした漫画です。
アニメ化もされている作品なので、タイトルを見たことがある人も多いかもしれません。
内容はとてもシンプルです。
小泉さんがラーメンを食べに行く。
周りの女子高生たちが小泉さんに振り回されたり、影響されたりしながら、ラーメンの世界に触れていく。
基本的には、1話完結型です。
だから、ものすごく気楽に読めます。
私は『ゆるキャン△』のような、強い起承転結があるというより、好きなものを楽しむ人たちを眺めているような作品が好きです。
キャンプをする。
ごはんを食べる。
少し移動する。
その時間そのものを味わう。
『ラーメン大好き小泉さん』にも、それに近い心地よさがあります。
ラーメンを食べる。
ただそれだけ。
でも、ただそれだけだからこそ、疲れている時でも読める。
頭を使いたくない日。
重い物語を追う元気がない日。
でも、何か漫画は読みたい日。
そういう日に、すごくちょうどいい作品です。
そして不思議なことに、読んでいるとだんだんラーメンが食べたくなってきます。
近くのラーメン屋を調べたくなる。
駅前のお店に行ってみたくなる。
今まで入ったことがない店の暖簾をくぐってみたくなる。
この漫画は、読んで終わりではなく、現実の行動に少しつながる漫画だと思います。
出会ったタイミング
この作品は、前から存在は知っていました。
「女子高生がラーメンを食べる漫画」
そう聞くと、本当にそのままです。
実際、本当にそのままです。
でも、読み始めると、その“そのまま感”がクセになります。
グルメ漫画というと、料理の解説がしっかり入っていたり、具体的なお店の紹介が中心だったりするものもあります。
もちろん、そういう作品も面白いです。
でも『ラーメン大好き小泉さん』は、グルメ紹介本というより、
「ラーメンを食べる時間を楽しむ漫画」
という印象があります。
具体的な店名がはっきり出ているわけではない場面もあります。
でも、読んでいると、
「あ、これは大体あのお店かな?」
「この系統のラーメン、どこかで食べられそう」
と思える楽しさがあります。
ガイドブックのように読むというより、漫画として気楽に楽しみながら、気になったら現実のお店も探してみる。
この距離感がちょうどいいです。
私自身、ラーメンにものすごく詳しいわけではありません。
でも最近、羽田空港で鶏だしラーメンを食べてから、店舗に行ってラーメンを食べる楽しさに目覚めつつあります。
「今日はどこのラーメンを食べようかな」
「次は鶏系にしようかな」
「つけ麺もいいな」
「駅の近くに良さそうなお店ないかな」
そうやって探す時間も含めて、少し楽しい。
この漫画は、そんな今の自分のラーメン気分にぴったりでした。
あらすじ
『ラーメン大好き小泉さん』は、ラーメンが大好きな女子高生・小泉さんを中心にした、1話完結型の漫画です。
小泉さんは、クールでミステリアスな雰囲気の女の子です。
普段はあまり感情を大きく出さないのに、ラーメンのことになると行動力がすごい。
放課後にラーメン屋へ行く。
遠くの店まで足を運ぶ。
話題の一杯を食べに行く。
そして、目の前のラーメンに真剣に向き合う。
周囲の女の子たちは、そんな小泉さんに驚いたり、ついて行ったり、少し引いたりしながらも、だんだんラーメンの世界に巻き込まれていきます。
この漫画の面白いところは、ラーメンを食べる小泉さんがとても真剣なところです。
ただ食べているだけなのに、そこにちゃんと美学がある。
ラーメンを前にした時の集中力。
一杯を食べる時の迷いのなさ。
好きなものを好きだと態度で示す感じ。
それが見ていて気持ちいいです。
続きが気になって眠れないタイプの作品ではありません。
むしろ、寝る前に1話だけ読むつもりが、気づいたらお腹が空いているタイプの作品です。
偏愛ポイント
1. 起承転結が強すぎない、ゆるっとした読み心地
この漫画の好きなところは、気合いを入れずに読めるところです。
もちろん、作品としての流れやキャラクター同士の関係性はあります。
でも、毎回大きな事件が起きたり、重たいテーマを背負ったりするわけではありません。
基本は、女子高生がラーメンを食べる。
この安心感が、かなりありがたいです。
日常生活で疲れている時、難しい漫画を読む余力がない日があります。
人間関係のドロドロも、重たい伏線も、感情を大きく揺さぶられる展開も、今はちょっとしんどい。
でも、何か読みたい。
できれば、少し元気になりたい。
そんな時に、この漫画はちょうどいいです。
ページを開くと、そこにはラーメンがあります。
熱そうなスープがあります。
麺をすする小泉さんがいます。
それだけで、少し気持ちがゆるみます。
『ゆるキャン△』を読んでいる時に感じる、
「今すぐ大事件が起きなくても、好きなものを楽しむ時間だけで物語になる」
という感覚。
『ラーメン大好き小泉さん』にも、それに近いものがあります。
キャンプに行きたくなる漫画があるように、
ラーメン屋に行きたくなる漫画があってもいい。
この漫画は、まさにそういう一冊です。
2. 女性一人でも、ラーメン屋のカウンターは思ったより居心地がいい
お店で食べるラーメンの好きなところは、注文してから出てくるまでのスピードが早いところです。
券売機で食券を買って、カウンターに座って、少し待つ。
すると、わりとすぐに目の前にラーメンが置かれる。
このテンポの良さが、ひとりごはんにちょうどいいなと思います。
都内だと、女性一人でラーメン屋に入っている人も普通に見かけます。
カウンター席が中心のお店も多いので、誰かと一緒じゃなくても浮きにくい。
むしろ、ひとりで入って、ひとりで食べて、さっと帰る。
その気軽さが、ラーメン屋の良さなのかもしれません。
ラーメン屋というと、少し前までは「男性が多い場所」というイメージがありました。
でも実際に入ってみると、思っていたよりずっとハードルが低いです。
長居しなくていい。
誰かと会話をしなくてもいい。
目の前の一杯に集中できる。
この感じは、ひとり外食とかなり相性がいいです。
『ラーメン大好き小泉さん』を読んでいると、
「女の子がひとりでラーメンを食べに行く」ことが、すごく自然なことに見えてきます。
好きなものを、食べたい時に、食べに行く。
その自由さが、今の自分のラーメンブームにも合っている気がします。
自分の機嫌を、自分で取りに行く。
その手段がラーメン一杯でも、全然いい。
むしろ、そういう小さな楽しみを持っている人は強いのかもしれません。
3. ラーメンは、食べながら少しずつ知っていくのが楽しい
ラーメンやつけ麺の世界は、詳しい人だけが楽しむもののように見えることがあります。
食べ方の作法。
注文の仕方。
スープの種類。
麺の太さ。
トッピングの選び方。
知らないことが多いと、少しだけ身構えてしまいます。
でも最近、有名なつけ麺屋さんでつけ麺を食べた時に、
「詳しくなくても、お店で少しずつ覚えていけばいいんだな」
と思う出来事がありました。
そのお店でつけ麺を食べ終わったあと、店内にスープ割の案内が見当たらなかったので、私はそのまま退店しようとしていました。
すると店員さんに、
「スープ割いります?」
と声をかけられたのです。
私はよく考えずに、反射的に「はい」と答えました。
言われるがまま、カウンターに容器を置く。
そこにスープを足してもらう。
そして飲んでみる。
これが、ものすごくおいしかったんです。
濃厚だったつけ汁が、飲みやすくなって、でも旨味はちゃんと残っている。
つけ麺を食べ終わったあとに、もう一度おいしい時間が来る感じがしました。
「あ、つけ麺って最後にこういう楽しみ方があるんだ」
そう思って、少し感動しました。
その時、昔見た『アメトーーク!』の天下一品芸人を思い出しました。
天下一品のスープを飲んで、最後に水を飲むと、またスープが飲みたくなる。
そんな話をしていた記憶があります。
当時は、
「そんなことある?」
と思いながら見ていた気がします。
でも、つけ麺屋さんでスープ割を飲んだ時、なんとなくその気持ちが分かりました。
濃いスープを味わって、水で少し口の中をリセットすると、またスープに戻りたくなる。
麺を食べる。
スープを飲む。
水を飲む。
そして、またスープが欲しくなる。
この往復が、なんだか楽しい。
ラーメンって、ただお腹を満たすだけではなく、最後の一口まで小さな発見がある食べ物なのかもしれません。
『ラーメン大好き小泉さん』も、そういう“食べながら世界が少し広がる感じ”を思い出させてくれる漫画です。
ラーメンに詳しくなくてもいい。
作法を全部知っていなくてもいい。
最初から通ぶらなくてもいい。
お店で食べて、店員さんに声をかけてもらって、
「あ、こういう楽しみ方があるんだ」
と少しずつ知っていけばいい。
そう思うと、ラーメン屋のカウンターに座ることが、前より少し楽しくなります。
こんな時に読みたい
この漫画は、疲れた日の夜に読みたいです。
難しいことを考えたくない日。
何か大きな物語を追う元気がない日。
でも、ただスマホを眺めて終わるのも少し寂しい日。
そんな時に、1話だけ読む。
すると、だんだんラーメンが食べたくなってきます。
休みの日の昼前に読むのも良さそうです。
読み終わったあと、そのまま近くのラーメン屋を検索して、ふらっと食べに行く。
そういう使い方ができる漫画です。
ひとり外食をしたい時。
ラーメンブームが来ている時。
『ゆるキャン△』みたいな、好きなものを楽しむ空気の作品が読みたい時。
グルメ漫画は好きだけど、あまり情報量が多すぎると疲れてしまう時。
この作品は、かなり相性がいいと思います。
小泉さんは、誰かに合わせるためではなく、自分が食べたいラーメンを食べに行きます。
その姿を見ると、
「私も今度、気になっていたお店にひとりで行ってみようかな」
と思えてきます。
好きなものを食べに行く。
おいしいと思う。
また行きたいと思う。
それだけで、日常は少し楽しくなる。
『ラーメン大好き小泉さん』は、そのことをゆるっと思い出させてくれる漫画です。
電子書籍メモ
『ラーメン大好き小泉さん』は、1話完結型なので電子書籍でも読みやすい作品です。
通勤中や寝る前、ちょっとした休憩時間に少しずつ読めます。
ただし、夜中に読むとラーメンが食べたくなるので、そこだけは注意です。
電子版で読むなら、楽天Koboなどで探してみるのも良さそうです。
紙の本でじっくり読むのも楽しいですが、こういう1話完結型の漫画は電子書籍との相性もかなり良いと思います。
少しだけ読みたい時に開ける。
気になる話だけ読み返せる。
そして、読んだあとに近くのラーメン屋を検索したくなる。
漫画を読んで、現実のごはんが楽しみになる。
それも電子書籍の良さのひとつかもしれません。
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一言まとめ
女子高生がラーメンを食べる。
たったそれだけなのに、読み終わる頃にはラーメン屋のカウンターに座りたくなる。
『ラーメン大好き小泉さん』は、そんな漫画です。
疲れた日でも、難しいことを考えずに読める。
でも、読んだあとには少しだけ行動したくなる。
今日はもう、ラーメン食べて帰ろうかな。
そう思えたら、この漫画の勝ちです。
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