ヨーグルトの朝
カルティさんが大鍋に牛乳をドボドボと注ぎ込み、火にかけながら豪快にかき混ぜている。
カレーでもないし、ナンでも無さそう。
「それ、何にするの?」と尋ねると、
「ラッシーね!」と満面の笑み。
ラッシーってヨーグルトから作ると思っていたけど、牛乳から作るんだ!
「まずは牛乳をヨーグルトにするノヨ」
「へぇ、どうやって?」
「明日の朝、仕事?ちょっと抜け出してここのお店に見に来てみて!ヨーグルトガ、デキテルヨ」
そんな簡単にヨーグルトができるとは知らなかった。
ヨーグルトメーカーもなしに、ただ温めて一晩置くだけ。
その日はお店が忙しく、テイクアウトも飲食もどんどん入ってきた。
レジ操作に慣れていない私は、レシートを出せなかったり、複数の注文の計算を間違えたりでアタフタ。
チキンカレーを頼んだお客さんが、「あ、やっぱりバターチキンにする」と変更した。
精算後の100円追加のレジ操作計にテンパる私の横で、
「私、バターチキン大好物なのよね」と満足げな客。
だったら最初からバターチキンにしろ!!
と、心の中でツッコミながらも、笑顔で対応。
そんなドタバタの中、カルティさんがちょいちょい私を呼ぶ。
何かと思ったら、厨房の奥で「コレ!」とサモサを差し出してきた。
次はゆでたまご。
「ワタシの夜ごはんネ」とカルティさん。
厨房の隅で一緒に食べる私。
すぐさま注文が入り、またレジへダッシュ。
翌朝。
迷ったけど約束通りヨーグルトの様子を見に行った。
仕込みをしていたラジェさんが、出来上がったヨーグルトをニコニコしながら見せてくれる。
大量のヨーグルトの鍋に指を突っ込んで食べてみろとジェスチャーされたけど、それは丁重にお断り。
代わりにお皿に分けてもらい、一口。
……普通にヨーグルトだった。
今日もラッシーの注文がたくさん入りますように。願いながら、差し入れのジュースを渡し、そっと店を後にした。
