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【保存版】PSYCHO RADIOプロジェクトvol.4 ついに公開‼️皆さんお待たせしました‼️

どうもコトリパパです!
皆さん、お待たせ致しました❗️
PSYCHO RADIOプロジェクトvol.4
ようやく完成いたしました‼️

今回は色々と苦労しました😣
特に曲作りの方が大変で、やりたい事を
完璧に再現する難しさを改めて痛感させられる
作品になりました。

予告でも書きましたが、今回の主人公は
高校生です❗️
青春ど真ん中の少年は本当の自分を見つける
事が出来るのか
⁉️
PSYCHO RADIOプロジェクトvol.4
スタートです‼️

20世紀後半、
まだ答えが、簡単には見つからなかった頃の話。
PSYCHO RADIOという名前だけが、
どこかに残っている。
誰なのか、何を目的にしているのか、
それを知るものはいない。
ただ、ひとつだけ噂がある。
PSYCHO RADIOに触れた者は、必ず一曲だけ——人生を変える曲を残す。
成功か、失敗か。
幸福か、破滅か。
選択の先に、答えはない。

決めるの自分自身。
後には沈黙だけが残る…。

PSYCHO RADIO vol.4 -「絃と弦」
第1章
1
放課後の音楽室に、ドラムの音が響いている。
大河のスティックが、一定のリズムを刻む。龍二のベースが、その下を支える。僕——風間未来は、ギターを構えてコードを鳴らした。
友達からは「ミキ」と呼ばれている。
「そこ、もうちょっとタメて」
ヴォーカルの紗羅が手を上げた。
「タメるって、どれくらい?」
もう一人のギター、瞬が聞き返す。
「んー……感覚」
「わかんねえよ」
瞬が笑いながら、もう一度カウントを出す。
僕たちは、また同じフレーズを繰り返した。
音楽室の窓から、夕陽が差し込んでいる。外では部活の声が聞こえる。サッカー部のかけ声、陸上部の足音。
僕たちには、部活じゃない。ただの放課後。
紗羅の声が、メロディーに乗る。
この時間が、一番楽しかった。
何も考えなくていい。ただ、音を鳴らせばいい。
「今日はここまでにしよっか」
紗羅が時計を見て言った。
「もう六時か」
「ミキ、大丈夫? 家、遅くなると色々あるんだろ?」
「ああ、まあ……」
僕は曖昧に笑った。
色々、というほどでもない。
ただ、あまり遅くなると、稽古の時間と被る。

2
風間家は、この街では知られた家だった。
琴の「風間流」。十四代続く流派で、父は十四代目の家元。全国規模で見れば小さな流派かも
しれないが、地方都市でこれだけ続いている家は
珍しいらしい。
弟子が何人もいて、毎週稽古がある。
発表会もあれば、他の流派との交流会もある。
伝統芸能の世界は、思っているより狭くて、密で、繋がりが深い。
僕は一人っ子だから、いつかは継ぐことに
なるんだろう。
ただ、それは「いつか」の話だ。
まだ高校生で、まだ先のことで——大人になったら、その時に考えればいいと思っていた。
小さい頃から僕は琴が好きだった。
父が弾く音を聞いて育って、自分も弾きたいと思った。教えてもらって、音が鳴った時、嬉しかった。
今も、琴は好きだ。
毎日練習している。夕飯の前、一時間ほど。絃に触れて、音を確かめる。父や徳川さんには
「まだまだだ」と言われるけれど、同世代の中では
結構弾ける方だと思う。
でも、中学の時にロックを知った。
友達が貸してくれたCDを聞いて、
それまで知らなかった音に出会った。
ギターの歪んだ音、ドラムの力強いビート。
琴とは違う、何か——激しくて、自由で、どこまでも広がっていくような音。
どっちが好きか、なんて選べなかった。
どっちも、好きだった。
家に帰ると、玄関で靴を脱ぐ音だけが響く。
「おかえり」
母——妙が、奥から顔を出した。
「ただいま」
「夕飯まで少し時間あるから、練習しなさい」
「うん」
僕は二階に上がって、鞄を置いた。
窓の外には、稽古場の明かりが見える。今日も誰か来ているんだろう。琴の音が、かすかに聞こえる
気がした。
少し着替えて、一階に降りる。
自分の部屋——といっても、稽古場の隅に置かれた自分用の琴がある場所——に向かった。
絃に触れる。
音を鳴らす。
指が、自然に動く。
毎日弾いているから、体が覚えている。
琴の音は、静かで、澄んでいる。
この音も、好きだった。

3
食卓には三人分。
父——宗一郎は、いつもの席に座っている。
厳格そうに見えるが、怒鳴られたことは一度も
ない。ただ、感情を表に出さない人だった。
僕と似ているのかもしれない。
母が味噌汁をよそって、僕の前に置いた。
「いただきます」
三人で手を合わせる。
箸を取って、ご飯を口に運ぶ。
父は、何も言わない。
母が、小さく話す。
「明日、徳川さんが来るそうよ」
「ああ」
父が短く答えた。
徳川さん——父の一番弟子で、風間流を誰よりも大切にしている人。真面目で、几帳面で、
伝統を守ることに一切の妥協がない。
僕のことも、次期家元として見ている。
「未来も、顔出しなさい」
「……うん」
僕は曖昧に頷いた。
父が、こちらを見た。
何か言いたそうで——
でも、何も言わなかった。
僕も、何も聞かなかった。
父は、バンドのことなんて知らない。
ギターは学校のロッカーに置いてある。
家には絶対に持ち帰らない。
放課後、音楽室にいることも、遊んでいるとしか
思われていないはずだ。
バレるはずがない。
バレては、いけない。

4
翌日、学校帰りに瞬に誘われて、商店街を
歩いていた。
「ギターの弦、切れそうなんだよな」
「またかよ」
「力入れすぎなんだって」
瞬は相変わらず軽い調子で笑っている。
商店街の外れに、楽器も扱っている古い
音楽スタジオがあった。「サウンドウェーブ」という名前だが、看板は色褪せていて、入り口も薄暗い。
この街で唯一、時間貸しのスタジオを持っている
店だ。
「ここ、まだ潰れてないんだな」
「意外と使ってる奴いるらしいぜ。大学生とか、
フリーターのバンドマンとか」
瞬がドアを開ける。
中に入ると、受付に座っている店主——五十代
くらいの、無精髭を生やした男が顔を上げた。
「弦?」
「そうっす」
瞬が軽く手を挙げる。
店の奥から、笑い声が聞こえた。
スタジオの部屋を借りているらしい。
ドアの隙間から、ギターの音と、
誰かの話し声が漏れている。
「——だからさ、PSYCHO RADIOって知ってる?」
「ああ、聞いたことある。都市伝説だろ?」
「いや、マジで存在したらしいんだよ。10何年か
前から噂になってる」
「で? 何なの、それ」
「正体不明の音楽家。会った奴は必ず一曲だけ、
人生変える曲を残すんだって」
「はあ? 意味わかんね」
「だから都市伝説なんだろ」
笑い声が響く。
僕は、その会話をぼんやり聞いていた。
PSYCHO RADIO。
人生を変える、一曲。
「ミキ、行くぞ」
瞬が弦を受け取って、外に出る。
僕も後を追った。
会話の続きは、聞こえなくなった。
でも、なぜか胸に引っかかるものがあった。

5
その週末。
徳川さんが来た。
稽古場には、父と徳川さん、それに弟子が数人。
僕は少し離れた場所で、琴に向かっていた。
指が弦に触れて、音を鳴らす。
静かで、澄んだ音。
「未来くん、最近上達したね」
徳川さんが声をかけてきた。
「ありがとうございます」
「毎日練習しているのが、音に出ている」
徳川さんは笑った。
「この調子なら、次の演奏会で一曲任せられる
かもしれんな」
僕の手が、一瞬止まった。
演奏会で、一曲。
それは——独演、ということだろうか。
今まで、発表会で弾いたことはある。でも、それは合奏だった。父や徳川さん、他の弟子たちと一緒に。
一人で、というのは初めてだ。
「……頑張ります」
僕はそう答えた。
徳川さんは満足そうに頷いて、
また自分の琴に向かった。
稽古が終わって、徳川さんが帰る。
父が、僕の方を見た。
「……よく弾けていた」
「ありがとう」
「続けていれば、ちゃんと身につく」
それだけ言って、父は稽古場を出ていった。
僕は、琴を見下ろした。
ちゃんと身につく。
それは、技術のことだろうか。
それとも——

6
また月曜日が来て、放課後の音楽室。
いつもの五人が集まって、いつものように音を
合わせていた。
一曲終わったところで、紗羅が携帯を取り出した。
「ねえ、ちょっと見てこれ」
「何?」
「商店街の夏祭り。今年、バンドのステージ
募集してるんだって」
「マジで?」
瞬が食いついた。
「五組限定。しかも今年は音響ちゃんとしてる
らしいよ」
紗羅の目が、キラキラしている。
「出てみたくない? 私たち、もう三年だし」
龍二が、珍しく口を開いた。
「……やるなら、ちゃんとやらないとな」
「ちゃんとって?」
「オリジナル」
その一言で、空気が変わった。
大河が腕を組んだ。
「オリジナル、か」
「コピーばっかじゃ、つまんなくね?」
瞬が言った。
みんなの視線が、僕に集まった。
「……ミキ、どう思う?」
紗羅が聞いてくる。
僕は、少し考えた。
オリジナル。
自分たちの音を、形にする。
それは、今まで避けてきたことだった。
でも——
「やってみよう」
僕は言った。
紗羅が、ぱっと笑った。
「じゃあ、曲作らなきゃね」
「ミキが作るの?」
「いや、わかんない。やったことないし」
「わかんなくても、やってみようぜ」
瞬が笑った。
「そうだね。せっかくだし」
紗羅も頷いた。
僕は、ギターを見下ろした。
自分たちの音。
それを、ちゃんと鳴らす。
できるだろうか。
わからない。
でも——
やってみたかった。

7
その夜、僕は自分の部屋で机に向かっていた。
宿題のノートを開いているけれど、
手は動いていない。
頭の中で、音が鳴っている。
さっき鳴らしたコード進行。紗羅の声。
龍二のベースライン。
それを繋げたら、何ができるだろう。
指が、机の端を叩いた。
リズムを取るように。
オリジナルの曲。
自分たちの音。
それを作るって、どういうことだろう。
廊下を、父の足音が通り過ぎる。
僕は息を止めた。
大丈夫。
ギターは学校にある。
家には、何もない。
バレるはずがない。


第2章
1
月曜日の朝は、いつも眠い。
目覚ましを止めて、もう一度布団に潜り込みたくなったけれど、起き上がった。カーテンを開けると、いい天気だった。
階段を降りると母が台所にいた。
「おはよう」
「おはよう。朝ごはん、すぐできるから」
「父さんは?」
「もう散歩に出たわよ」
父は毎朝、家の周りを散歩する。三十分くらい。
僕が起きる頃には、もう出ている。
テーブルに座ると、母が味噌汁をよそってくれた。卵焼きと、ご飯。テレビからは朝のニュースが
流れている。
「今日、遅くなるの?」
「ううん、普通に帰る」
「そう」
箸を取って、ご飯を口に運ぶ。
いつもの朝。何も変わらない。

2
学校に着くと、瞬が既に教室にいた。
「おー、ミキ」
「早いな」
「今日、小テストあんだよ。忘れてた」
「マジで?」
僕も完全に忘れてた。
朝のHRが始まって、担任が入ってくる。一時間目、二時間目、三時間目。授業を受けて、
ノートを取って。
窓の外では、体育の授業をやってる。
昼休み、瞬と購買に行った。
「なあ、夏祭りの曲、どうすんの?」
「まだ全然できてない」
「マジで? やばくね?」
「やばい」
パンを齧りながら、校庭を眺めた。いつもの昼休み。

3
放課後、音楽室に集まった。
いつもの五人。紗羅、瞬、龍二、大河、そして僕。
「じゃ、今日は何やる?」
紗羅が聞いてくる。
「とりあえず前回の続きからやろうぜ」
瞬がギターを構えた。
大河がドラムに座る。龍二がベースを持つ。
僕もギターを手に取った。
「せーの」
音が鳴る。
まだ形になってない曲の、断片。
でも、少しずつ見えてきている気がする。
「そこのコード、もうちょっと明るくできない?」
紗羅が言った。
「明るくって?」
「なんか、重い感じするんだよね」
僕はコードを変えて弾いてみた。
「あ、それいいかも」
紗羅が笑った。
もう一度、みんなで合わせる。
少し、良くなった気がした。
「ねえ、夏祭りの応募、明日までだよ」
紗羅が携帯を見せてきた。
「マジで?」
「マジマジ。今日出さないと」
「曲、まだできてないけど」
「大丈夫でしょ。締め切りまでに完成させれば
いいんだし」
紗羅は、いつも楽観的だ。
「じゃあ、応募しちゃおうぜ」
瞬も言った。
「やるって決めたんだろ」
龍二が、珍しく口を開いた。
「やるなら、やる」
大河も頷いた。
結局、適当な名前で応募した。正式なバンド名は、後で考えればいい。
とりあえず、夏祭り。僕たちは、出ることになった。

4
家に帰ると、玄関に見慣れない靴が何足も
並んでいた。十足以上ある。
誰か来てる?
「ただいま」
声をかけても、返事がない。
奥から、低い話し声が聞こえる。
リビングに向かうと、母が座っていた。
顔が、真っ白だった。
その隣には、徳川さん。それに、他の弟子たちが
十数人。
みんな、こちらを見た。
「……未来」
母の声が、震えていた。
その瞬間、僕は分かった。何か、起きた。
何か、取り返しのつかないことが。
「お父さんが……」
母は、それ以上言えなかった。
徳川さんが立ち上がった。
「未来くん……宗一郎先生が、事故に遭われた」
「……事故?」
「朝の散歩中に、車が……」
徳川さんの声が、遠くに聞こえた。
「病院に運ばれたが……搬送中に……」
「……嘘だろ」
僕は、声を出していた。
でも、誰も否定しなかった。母が、泣いていた。
徳川さんが、俯いていた。
朝、いつも通り散歩に出た父が。
いつも通り帰ってくるはずの父が。
もう、帰ってこない。


5
その後のことは、よく覚えていない。
誰かが僕に椅子を勧めた。座った。
母が、ずっと泣いていた。
徳川さんが、何か説明していた。
でも、言葉が入ってこない。
父が、死んだ。
朝、「いってきます」って言った。
母が「いってらっしゃい」って言った。
それだけ。それだけで、終わった。
「未来」
母が、僕の手を握った。
「……うん」
僕は返事をした。何を返事したのか、わからない。ただ、声を出した。
部屋の空気が、重かった。時計の音だけが、
やけに大きく聞こえた。


6
夜になって、弟子たちが帰った。
母と二人、リビングに残された。
「……お腹、空いてない?」
母が聞いてきた。
「……大丈夫」
「何か、食べなきゃ」
「……うん」
でも、二人とも動かなかった。台所に立つ気力が、なかった。
結局、その日は何も食べなかった。
携帯が、何度か鳴った。紗羅からだった。
瞬からも。でも、見る気になれなかった。

7
葬儀の準備が始まった。
徳川さんが中心になって、色々と手配してくれた。僕と母は、ただ頷くだけだった。
「未来くん、喪主は君になる」
徳川さんが言った。
「……はい」
「辛いだろうが、しっかりしなければ」
「……はい」
返事はした。でも、実感がなかった。
父が死んだ。
その事実が、まだ現実に感じられなかった。

8
葬儀は、三日後に決まった。
その間、家には人が出入りした。
風間流の関係者、近所の人、父の知り合い。
みんな、同じことを言った。
「大変でしたね」
「お悔やみ申し上げます」
「お若いのに」
僕は、何度も頭を下げた。ありがとうございます、と言った。でも、心は動いていなかった。
ただ、体が動いているだけだった。
学校は、休んだ。担任に電話して、事情を話した。
紗羅からメールが来た。
「ミキ、大丈夫? 何かできることあったら言って」
瞬からも。
「無理すんなよ」
龍二からも、大河からも。みんな、優しかった。
でも、返事を書く気になれなかった。
バンドのこと。夏祭りのこと。全部、遠くに感じた。

9
葬儀の日が来た。
喪服を着て、会場に向かった。
たくさんの人がいた。
父の顔は、穏やかだった。
眠っているみたいだった。
でも、もう目を覚まさない。
焼香が始まった。僕は、喪主として立った。
一人ずつ、前に出てくる。頭を下げる。
何度も、何度も。
紗羅が来た。瞬も、龍二も、大河も。
みんな、制服姿で来てくれた。
「ミキ……」
紗羅が、何か言いかけた。
でも、何も言わなかった。
ただ、頭を下げて、去っていった。

10
葬儀が終わった。
家に戻ると、急に静かになった。
母が、リビングに座っている。僕も、隣に座った。
「……未来」
母が、小さく言った。
「お父さん、本当は……」
母は、そこで言葉を切った。
「……何?」
「……ううん、何でもない」
母は首を振った。
何か、言いたそうだった。でも、言わなかった。
僕も、聞かなかった。

11
次の日から、学校に戻った。
みんな、気を遣ってくれた。
「大丈夫?」って、何度も聞かれた。
「大丈夫」って、何度も答えた。
でも、本当に大丈夫かどうか、わからない。
放課後、音楽室に行った。
みんな、いつも通りそこにいた。
「……ミキ」
紗羅が、僕を見た。
「……悪い、まだギター持てない」
「いいよ、無理しないで」
「曲、どうなってる?」
「ぼちぼち進めてる。焦らなくていいから」
僕は、椅子に座ってみんなの音を、ただ聞いていた。
ギターを持たずに。
音だけが、部屋に響いている。

12
家に帰ると、徳川さんが来ていた。
「未来くん、少し話がある」
リビングで、向かい合って座った。母も、隣にいる。
「風間流のことだが……」
徳川さんが口を開いた。
「当面は、私が代行という形で稽古を続ける。
だが——」
徳川さんは、僕をまっすぐ見た。
「君は、風間流十五代目を継ぐ覚悟を決めてほしい」
「……はい」
「覚悟、だ。いつか、ではない」
徳川さんの声に、重みがあった。
「宗一郎先生は、この家を、この流派を、
君に託されたんだ」
十五代目。その言葉が、胸に乗った。
「……分かりました」
僕は答えた。
徳川さんは頷いて、帰っていった。母が、僕を見た。
「未来……無理しなくていいのよ」
「……うん」
「お父さんも、きっと……」
母は、それ以上言わなかった。
父が、何を思っていたのか。
もう、聞くことはできない。

第3章
1
学校に戻って、一週間が過ぎた。
授業を受けて、ノートを取って、
昼休みは瞬と他愛もない話をする。
普通の日常が、戻ってきた。
でも、何かが違う。
放課後、音楽室に行く。
みんな、いつも通りそこにいた。
「ミキ、今日は?」
紗羅が聞いてくる。
「……まだ」
僕は首を振った。
ギターケースは、ロッカーに入れたまま。
触る気になれない。
「無理しなくていいから」
紗羅が言った。
「でも、夏祭り……」
「大丈夫。まだ時間あるし」
本当に、大丈夫なんだろうか。
僕は椅子に座って、みんなの音を聞いていた。


2
家に帰ると、母が稽古場にいた。
「未来、お帰り」
「ただいま」
「今日は琴、弾かないの?」
「……弾く」
僕は自分の琴の前に座り絃に触れる。音を鳴らす。指が、覚えている。
静かで、澄んだ音。
この音は、まだ出せた。
「きれいな音ね」
母が言った。
「……うん」
「お父さんも、きっと喜んでるわ」
母の声が、少し震えた。
僕は、また絃を弾いた。音だけが、部屋に響く。


3
週末、徳川さんが来た。
弟子たちも、十数人集まった。父がいない稽古場。でも、稽古は続いている。
「では、始めましょう」
琴の音が、重なっていく。僕も、その中に加わった。
徳川さんの音は、相変わらず正確だった。
一音一音が、決められた場所にきちんと
収まっている。
「未来くん、そこは少し遅い」
「はい」
「もう一度」
もう一度、弾く。
「よし」
徳川さんが頷いた。
稽古が終わって、弟子たちが帰っていく。
徳川さんが、僕に声をかけてきた。
「未来くん、よく頑張っている」
「……ありがとうございます」
「だが、まだ迷いが音に出ている」
徳川さんの目が、僕を見た。
「迷いのある音では、十五代目は務まらない」
「……はい」
「覚悟を決めなさい」
徳川さんは、それだけ言って帰っていった。
覚悟。また、その言葉だ。

4
月曜日、学校。
昼休み、瞬が話しかけてきた。
「なあ、ミキ」
「ん?」
「そろそろ、曲作り本格的にやらなきゃヤバくね?」
「……そうだな」
「お前、作詞作曲やるんだろ?」
「いや、みんなでって……」
「でもメインはお前だろ」
瞬の言葉が、重い。
「とりあえず、何か持ってきてよ。メロディーとか、歌詞とか」
「……わかった」
僕は頷いた。でも、何も浮かばない。
曲を作る。自分たちの音を、形にする。
それが、できない。


5
放課後、音楽室。
「ミキ、何か持ってきた?」
紗羅が聞いてくる。
「……ちょっと待って」
僕はノートを開いた。
そこには、何も書かれていない。
「……すまん、まだ」
「そっか」
紗羅は、失望した様子もなく笑った。
「じゃあ、とりあえずコード進行だけでも
決めてこっか」
「うん」
僕はギターを……手が、止まった。
ギターケースを見る。開けられない。
「……ミキ?」
紗羅が、僕を見た。
「……悪い、やっぱりまだ無理」
「大丈夫。焦らなくていいから」
紗羅の声は、優しかった。でも、その優しさが、
逆に辛かった。


6
家に帰ると、母が父の部屋を片付けていた。
「未来、ちょっと手伝ってくれる?」
「うん」
父の部屋。遺品が、そこにある。本、書類、琴に関する資料。
「これ、どうしようかしら」
母が、一冊のノートを手に取った。
「何それ?」
「お父さんの……日記、かしら」
母がページをめくる。そこには、父の文字。
几帳面な字で、びっしりと書かれている。
「……読んでいいの?」
「きっと、お父さんも未来に読んでほしいと思うわ」
母が、僕に渡してくれた。
ページを開く。稽古のこと。演奏会のこと。
流派のこと。
そして——
「未来が、学校で何かをやっているようだ」
僕の手が、止まった。
「詳しくは知らない。聞いてもいない。
だが、少し遅く帰ってくる日がある」
「妙は『友達と遊んでるのよ』と言うが、
違う気がする」
「何か、熱中しているものがあるのだろう」
「それが何であれ、未来のやりたいように
やればいい」
父は、知っていた。バンドのことを。
ギターのことを。
知っていて——何も言わなかった。
「未来?」
母が、僕を見た。
「……大丈夫」
僕は、ノートを閉じた。でも、胸の奥が、
ざわついていた。


7
その夜、自分の部屋で父の日記を読み返した。
もう一度、あのページを開いた。
「それが何であれ、未来のやりたいように
やればいい」
父は、知っていた。そして、認めていた。
でも、何も言わなかった。なぜ?
なぜ、何も言わなかったんだ?
聞きたかった。でも、もう聞けない。
携帯を取る。紗羅からのメール。
「ミキ、無理しないでね。でも、待ってるから」
僕は、返信を書こうとして、やめた。
何を書けばいいのか、わからない。


8
次の週末も、稽古があった。
徳川さんと、弟子たち。
みんな、真剣に琴を弾いている。
僕も、その中にいた。
でも、心はここにない。
「未来くん、集中しなさい」
徳川さんが言った。
「すみません」
もう一度、弾く。でも、やっぱり集中できない。
稽古が終わって、徳川さんが言った。
「未来くん、最近、調子が悪いようだが」
「……すみません」
「何か、悩んでいることがあるのか?」
「……いえ」
「そうか」
徳川さんは、それ以上聞かなかった。
「だが、覚えておきなさい。君は十五代目になる。
迷いは許されない」
「……はい」
迷いは許されない。でも、僕は迷っている。
何を選べばいいのか、わからない。


9
放課後、音楽室に行くと、みんながいた。
「ミキ!」
紗羅が笑顔で迎えてくれた。
「今日は、どう?」
「……ごめん、やっぱりまだ」
「そっか」
紗羅は、また笑った。
でも、その笑顔が少し寂しそうに見えた。
「ねえ、ミキ」
瞬が言った。
「俺ら、待つのは全然いいんだけどさ」
「……うん」
「でも、夏祭りまで、あと一ヶ月もないんだよな」
一ヶ月。もう、そんなに迫ってる。
「曲、どうする?」
龍二が聞いてきた。
「……オリジナル、諦める?」
大河が言った。
「コピーでもいいんじゃないか」
オリジナルを、諦める。
それも、選択肢なのかもしれない。
でも——
「……もうちょっと、待ってくれ」
僕は言った。
「もうちょっとだけ」
「わかった」
紗羅が頷いた。
「待ってる」
みんなも、頷いた。
僕は、椅子に座った。ギターを持たずに。


10
家に帰ると、母が稽古場にいた。
琴の前に座って、何かを弾いている。
母も、琴が弾けるんだった。
「お帰り、未来」
「ただいま」
「今日は、弾かないの?」
「……弾く」
僕も琴の前に座った。絃に触れて音を鳴らす。
母も、一緒に弾き始めた。二つの琴の音が、重なる。
「ねえ、未来」
母が言った。
「お父さんね、いつも言ってたの」
「……何を?」
「未来には、未来の音がある、って」
未来の音。
「お父さんは、それを信じてたわ」
母の手が、止まった。
「だから、何も言わなかったのかもしれないわね」
僕は、母を見た。
「未来が、自分で見つけるまで」
自分で、見つける。自分の音を。
「……でも、わからない」
僕は言った。
「何が自分の音なのか」
「それは、未来にしかわからないわ」
母は、また絃を弾き始めた。
「でも、きっと見つかるわよ」
音が、部屋に響く。僕も、また弾いた。
琴の音と、心の中でギターの音が混ざる。
でも、それは音にならない。

11
その夜、自分の部屋で机に向かっていた。
ノートを開く。歌詞を書こうとして、ペンが止まる。
何を書けばいいのか。何を歌えばいいのか。
窓の外、月が見えた。父がいない夜。
父の声が聞こえない夜。
でも、父の言葉は残っている。
日記に書かれた、父の本心。
「それが何であれ、未来のやりたいように
やればいい」
父は、認めてくれていた。
でも、それで僕はどうすればいい?
琴を続けて、十五代目を継ぐのか。
それとも——
ペンを置いた。答えが、出ない。


第4章
1
夏祭りまで、あと一ヶ月を切っている。
放課後の音楽室に、いつもの四人が集まっている。
「ミキ、さすがにヤバいよ」
瞬が言った。
「わかってる」
「わかってるなら、何か持ってきてよ。メロディー
とか、歌詞とか」
僕は何も答えられない。ノートは、相変わらず
真っ白のままだ。
紗羅が、困ったように笑う。
「ねえ、もうコピーにしない? その方が確実だし」
「……それでいいの?」
「いいも何も、時間ないし」
龍二が口を開いた。
「オリジナルは、また今度でいいだろ」
大河も頷いた。
「今回は無理すんな」
みんな、優しい。でも、その優しさが逆に辛かった。
「……もうちょっと待って」
僕は言った。
「もうちょっとだけ」
紗羅が、小さくため息をつく。
「わかった。でも、来週までね。それ以上は無理
だから」
「……うん」
来週まで。あと一週間しかない。
窓の外では、部活の声が聞こえている。
サッカー部のかけ声。陸上部の足音。
音楽室の中だけが、妙に静かだ。


2
家に帰ると、徳川さんが来ていた。
リビングで、母と何か話している。僕が玄関に
入ると、徳川さんが顔を上げた。
「あ、未来くん。ちょうどいい」
「……はい」
「君にも聞いてもらいたいことがある」
僕はテーブルに座った。
母が、お茶を出してくれるた。
「演奏会の日程が決まった」
徳川さんが言う。
「八月の第一日曜日だ」
八月の第一日曜日。
その瞬間、頭の中で何かが弾けた。
「……それって」
「どうした?」
「……いえ」
八月の第一日曜日。それは、夏祭りの日だった。
「そして——」
徳川さんが続ける。
「宗一郎先生の遺志を継ぎ、君の十五代目襲名披露も兼ねることになった」
「……は?」
僕の声が、裏返った。
「襲名披露?」
「そうだ」
徳川さんは、真剣な顔でこちらを見ている。
「まだ早いと思うかもしれない。だが、風間流には
家元が必要だ。君しかいない」
「でも、僕はまだ……」
「学生であることは承知している。だが、形だけでも継いでもらわなければならない」
形だけでも。その言葉が、ずっしりと胸に乗った。
「演奏会は午後六時開演。君の出番は七時頃に
なるだろう」
午後六時から。
夏祭りのステージは、午後四時だ。
時間は——ギリギリだけど、間に合うかもしれない。
「演奏会では、君に独演で一曲弾いてもらう。
十五代目としての、初めての演奏だ」
徳川さんの目が、まっすぐ僕を見ている。
「覚悟を決めなさい」
僕は、何も言えなかった。
ただ頷くことしかできなかった。


3
徳川さんが帰った後、自分の部屋に閉じこもった。
ベッドに座って、頭を抱える。
八月の第一日曜日。夏祭りと、演奏会が同じ日。
夏祭りが午後四時。演奏会が午後六時から、
僕の出番は七時頃。商店街から会場まで——
車で三十分くらいか。
ギリギリだ。でも、間に合うかもしれない。
いや——でも、襲名披露だ。十五代目を継ぐ。
そんな大事な日に、バンドのLIVEなんてやって
いいのか?
携帯電話を手に取った。
紗羅にメールを送ろうとして、文字を打ち始める。
「ごめん、やっぱり無理だった。
コピーで行ってくれ」
送信ボタンに指を置く。でも、押せなかった。
これでいいのか? これで、本当にいいのか?
「それが何であれ、未来のやりたいように
やればいい」
父の言葉が、頭をよぎった。
やりたいように。でも、僕は何をやりたいんだ?
メールを消した。まだ、送れない。


4
授業を受けていても、何も頭に入ってこない。
教科書の文字を目で追っているだけで、意味が
入ってこなかった。
昼休み、瞬が話しかけてきた。
「なあ、ミキ」
「ん?」
「お前、何かあった?」
「……別に」
「嘘つけ。顔に書いてあるぞ」
瞬は、いつもみたいに笑っていない。
「……ちょっと、色々あって」
「色々って?」
「……家のこと」
「そっか」
瞬は、それ以上聞かなかった。
ただ、肩を叩いてくる。
「まあ、無理すんなよ」
「……うん」
窓の外に、青い空が広がっている。
もうすぐ放課後が来る。音楽室に行かなければ
ならない。
でも、何を言えばいいのか、わからなかった。


5
放課後、音楽室に入ると、みんな既に集まっている。
ギターを構えて、何か音を出している。
「ミキ」
紗羅が、僕を見た。
僕は、何も言えなかった。ただ、首を振った。
紗羅は、少し黙ってから頷いた。
「そっか。じゃあ、コピーで行くね」
「……ごめん」
「謝らなくていいよ」
瞬が、何か言いかけて、やめた。龍二も、大河も、何も言わない。
「どの曲がいい?」
紗羅が聞いてくる。
でも、僕は答えられなかった。どの曲でもいい。
僕は、もう関係ないんだから。
「……ごめん、今日は帰る」
「ミキ」
紗羅が、僕を呼び止めた。
「……大丈夫?」
「大丈夫」
嘘だった。全然、大丈夫じゃなかった。
音楽室を出て、廊下を歩く。階段の手すりが冷たい。校門を出ると、商店街の通りに夕方の人の
流れがあった。
サウンドウェーブの前を通り過ぎようとした時、
中から、ギターの音が聞こえた。
僕は、立ち止まった。もう、あの音は出せない。
ギターを持つこともないだろう。
全部、終わったんだ。

6
家に帰ると、誰もいなかった。
母は買い物に出ているらしい。
リビングに、メモが置いてある。
「すぐ戻ります」
稽古場に入って、琴の前に座って絃に触れる。
音を鳴らす。
静かで、澄んだ音。この音なら、出せる。
琴なら、弾ける。
だったら、これでいいじゃないか。
十五代目を継いで、琴を弾いて、風間流を守る。
それが、僕の役目。
でも——手が、止まった。
何か、違う。何かが、足りない。この音じゃない。
僕が本当に鳴らしたい音は、これじゃない。
琴から手を離した。部屋が、静かになる。
稽古場の窓から、夕陽が差し込んでいる。


7
その夜、自分の部屋で机に向かっていた。
ノートを開く。真っ白なページ。
何も浮かんでこない。
窓の外に月が見えた。
突然、携帯電話が、鳴った。メールの着信。
見ると、差出人は——
PSYCHO RADIO
僕は、息を呑んだ。
PSYCHO RADIO。あの、都市伝説の。
サウンドウェーブで聞いた、噂の。
なぜ、僕に? なぜ、今?
手が震えながら、メールを開いた。

本当の君を全て出しなさい。
もうわかっているはずだよ。



それだけだった。
本当の君を、全て出しなさい。
もうわかっているはずだよ。
僕は、画面を見つめた。わかっている? 何が?
僕は、何もわかっていない。
何を選べばいいのかも、何をやりたいのかも。
でも——
ふと、父の日記の言葉が浮かんだ。
「それが何であれ、未来のやりたいように
やればいい」
やりたいように。
本当の君を、全て出しなさい。
全て——琴も、ギターも?
部屋の中、時計の音だけが聞こえている。


8
次の日、学校で授業を受けている間、
ずっと考えていた。PSYCHO RADIOのメッセージ。父の言葉。
本当の君を、全て出す。
それは、どういうことだろう。
昼休み、購買でパンを買って、
そのまま屋上に上がった。
空が、広い。風が吹いている。
琴も、ギターも。どちらも、僕の中にある。
どちらかを選ぶんじゃなくて——どちらも、鳴らす。
そんなこと、できるのか?
夏祭りは、午後四時から。
演奏会は、午後六時開演で、僕の出番は七時頃。
商店街から会場まで、車で三十分。
ギリギリだ。でも——間に合うかもしれない。
それ以前に——琴とロックを、混ぜる。
そんな曲、作れるのか?
頭の中で、何かが繋がり始めた。
琴のフレーズが浮かぶ。ギターのリフが重なる。
まだバラバラだけど、何かが見えてきた気がする。


9
放課後、音楽室のドアを開けると、
みんな既にそろっていた。
瞬がギターを弾いている。紗羅が歌っている。
「ミキ」
紗羅が、僕を見た。
「……聞いてほしいことがある」
「何?」
「夏祭り、僕も出たい」
みんなの手が、止まった。
「でも、家の演奏会と同じ日なんだ」
「……それで?」
「夏祭りが午後四時で、演奏会が午後六時開演。僕の出番は七時頃だから——ギリギリだけど、
両方出られる」
「両方って……」
瞬が言った。
「大丈夫なの? 家の演奏会って、結構大事なんじゃ」
「大事。襲名披露も兼ねてる」
紗羅が、目を丸くした。
「襲名披露って……」
「うん。十五代目を継ぐことになった」
みんな、黙った。しばらく誰も何も言わなかった。
「それより、曲は? オリジナル、
まだできてないんでしょ?」
紗羅が聞いてくる。
「……作る」
「今から?」
「うん。琴とロックを、混ぜた曲」
「琴と……ロック⁉︎」
紗羅が、目を丸くする。
「そんなことできるの⁉︎」
「わからない。でも、やってみたい!」
龍二が、口を開いた。
「……面白そうだな」
大河も頷いた。
「やってみるか」
紗羅が、笑った。
「じゃあ、やろう。でも、琴ってどうやって
持ってくるの?」
「大丈夫、持ち運びは出来る」
「ギターは?」
「僕が、弾く」
「ミキが?」
「うん。琴とギター、両方」
瞬が、首を傾げた。
「それ、できんの?」
「……やってみる」


10
家に帰ると、母がいた。
「お帰り、未来」
「ただいま」
「今日は、何か元気そうね」
「……うん」
稽古場に入って、琴の前に座った。絃に触れる。
音を鳴らす。
この音と、ギターの音を混ぜる。そんなこと、
本当にできるんだろうか。
でも、やってみなければわからない。
頭の中で、メロディーが鳴り始めた。琴の音と、
ギターの音が、少しずつ重なっていく。
まだ形にはなっていない。でも、何かが見えてきた気がした。
「未来、何か作ってるの?」
母が、稽古場に入ってきた。
「……うん」
「聞かせてくれる?」
僕は、また琴を弾いた。まだバラバラだけど、
メロディーのラインが見える。
母が、静かに聞いている。
「きれいね」
「……まだ途中だけど」
「お父さんも、きっと聞きたかったと思うわ」
母の声が、優しかった。


11
次の週末、稽古があった。
徳川さんと、弟子たちが集まっている。十数人の琴の音が、重なっている。
僕も、琴の前に座る。でも、頭の中は夏祭りの曲でいっぱいだった。
「未来くん、集中しなさい」
徳川さんが言った。
「すみません」
もう一度、弾く。でも、やっぱり集中できない。
稽古が終わって、弟子たちが帰っていく。
徳川さんが、僕を呼び止めた。
「未来くん、最近、調子が悪いようだが」
「……すみません」
「何か、あるのか?」
徳川さんの目が、僕を見ている。
僕は、少し迷ってから口を開いた。
「……実は、学校で音楽をやっていて」
「音楽?」
「はい。友達と、バンドを組んでいます」
徳川さんの顔が、変わった。
「……バンド?」
「はい」
「ロックバンドか?」
「……はい」
徳川さんは、少し黙ってから言った。
「そうか。それで、何かあるのか?」
「……はい。夏祭りで演奏することになっていて」
「夏祭り……襲名披露と同じ日じゃないか」
徳川さんの声が、低くなった。
「襲名披露の日に、バンドで遊ぶつもりか?」
「遊びじゃないです」
「遊びじゃない?」
徳川さんが、僕を見る。
「では、何だ? 君は、風間流を継ぐのだろう」
「継ぎます。でも——」
「でも?」
「バンドも、やりたいんです」
徳川さんが、ため息をついた。
「未来くん。君は、十五代目になるんだ。
そんな遊びは、やめなさい」
「遊びじゃないって言ってるじゃないですか!」
「では、聞く。 琴とロック、どちらが大事なんだ?」
「……どちらも、大事です」
「どちらも?」
徳川さんが、首を振った。
「そんなことはできない。
どちらも中途半端になるだけだ!」
「……でも」
「未来くん」
徳川さんの声が、厳しくなった。
「夏祭りには、行くな」
「……え?」
「襲名披露の日だ。君は、演奏会に集中すべきだ。
バンドなど、やめなさい」
僕は、何も言えなかった。
徳川さんは、それだけ言って帰っていった。
リビングに、僕と母だけが残される。
「未来……」
母が、小さく言った。
「……大丈夫」
僕は答えた。でも、大丈夫じゃなかった。


12
その夜、自分の部屋でノートを開いた。
ペンを取る。今度は、手が動いた。
メロディーのライン。コード進行。琴のフレーズ。
ギターのリフ。
少しずつ、書いていく。まだ完成じゃない。
でも、始まっている。
徳川さんの言葉が、頭をよぎる。
「夏祭りには、行くな」
でも、僕は行く。両方、やる。琴も、ギターも。
どちらも、僕の音だから。
携帯電話を取って、紗羅にメールを送った。
「明日、ちょっと聞いてほしいものがある」
すぐに返信が来た。
「楽しみにしてる!」
窓の外、月が見えた。
本当の君を、全て出しなさい。
PSYCHO RADIOの言葉が、また頭をよぎった。
全て出す。

第5章
1
次の日、音楽室に入ると、いつもの四人が
集まっている。
僕はノートを開いた。
「これ、見てくれ」
みんなが、覗き込む。
そこには、メロディーのライン。コード進行。
琴のフレーズ。ギターのリフ。まだ完璧じゃない。
でも、形が見えてきている。
「これ……琴?」
紗羅が、指差した。
「うん。ここで琴が入って、ここでギターが重なる」
「マジで混ぜんの?」
瞬が、目を丸くしている。
「やってみる」
龍二が、口を開いた。
「……コード進行、これでいくのか?」
「うん。どう思う?」
「悪くない。ベース、こう動かしてみていい?」
龍二がベースを構える。音を出す。
低音が、部屋に響いた。
「あ、それいいかも」
紗羅が言った。
大河がドラムに座る。
「じゃあ、ちょっとやってみるか」


2
最初は、バラバラだった。
琴のフレーズをギターで弾いてみる。
でも、何か違う。音が、軽すぎる。
「ミキ、もっと強く弾いて」
紗羅が言った。
「強く?」
「うん。琴の音って、繊細じゃん? でも、ロックに乗せるなら、もっと強く」
僕は、もう一度弾いた。強く。弦を叩くように。
音が、変わった。
「あ、それ!」
紗羅が笑った。
「それでいこう」
瞬が、ギターを重ねる。龍二が、ベースを入れる。大河が、リズムを刻む。
少しずつ、音が重なっていく。まだ完璧じゃない。でも、何かが見えてきた。
「歌詞は?」
紗羅が聞いてくる。
「……まだ」
「じゃあ、一緒に考えよう」
紗羅が、隣に座った。
窓の外では、部活の声が聞こえている。
「どんな曲にしたい?」
「……わからない」
「じゃあ、ミキが今、思ってることは?」
僕は、少し考えた。琴も、ギターも。
どちらも、僕の音。
父の言葉。PSYCHO RADIOのメッセージ。
「……全部、出したい」
「全部?」
「うん。琴も、ギターも。どっちも、僕だから」
紗羅が、頷いた。
「じゃあ、それを歌にしよう」


3
それから、毎日練習した。
放課後、音楽室に集まって、音を合わせる。
少しずつ、曲が形になっていく。
歌詞も、紗羅とみんなと一緒に書いた。
僕が思っていること。感じていること。
全部、言葉にした。
家では、琴の練習を続けている。夕飯の前、
一時間ほど。絃に触れて、音を確かめる。
母が、時々聞いている。
「きれいね」
「……ありがとう」
「演奏会、楽しみにしてるわ」
母の声が、優しかった。
徳川さんとの稽古も、続いている。
十数人の琴の音が、重なっている。
「未来くん、よく弾けている」
徳川さんが言った。
「ありがとうございます」
「だが、まだ迷いがある」
徳川さんの目が、僕を見ている。
「……はい」
「迷いを捨てなさい。十五代目として、
堂々と弾くんだ」
僕は、頷いた。
迷いを捨てる——そのためには、全部やるしかない。


4
一週間が過ぎた頃、ようやく曲が、完成した。
「タイトル、どうする?」
紗羅が聞いてきた。
「……まだ決めてない」
「じゃあ、今決めようよ。夏祭りまで、
もうすぐだし」
みんなが、考え込む。
「琴とロックを混ぜた曲だから……」
瞬が言いかけて、やめた。
「フュージョン、とか?」
「ダサくね?」
「じゃあ、レゾナンス?」
「それもなんか……」
みんな、首を傾げている。
「……ニコイチ」
僕が、小さく言った。
「は?」
「ニコイチ。二つで一つ」
「あ——」
紗羅が、笑った。
「それいいかも。琴とギター、二つで一つ」
「シンプルだけど、いいんじゃね?」
瞬も頷いた。
「じゃあ、決まり。曲のタイトルは『ニコイチ』!」
紗羅が言った。
「バンド名は?」
大河が聞いてきた。
「……適当でいいんじゃね?」
瞬が言った。
「青春、とか?」
「青春……ズ?」
「ダサっ」
みんなが、笑った。
「でも、まあ、いっか」
紗羅が言った。
「青春ズで‼︎


5
八月の第一日曜日が来た。
目が覚めると窓の外は素晴らしく晴れていた。
今日だ。夏祭りと、演奏会。両方、やるんだ。
朝ごはんを食べたあと稽古場に向かった。
琴を、専用のキャリーバッグに入れる。
母が声をかけてきた。
「未来、今日は大変ね」
「……うん」
「お父さんも、きっと見てるわよ」
母が笑顔で言った。
「頑張ってね」
「ありがとう」
僕は、キャリーバッグを引いて、家を出た。


6
商店街に着いたのは、午後三時だった。
夏祭りの準備が、進んでいる。
ずらりと並んだ屋台に人が集まっている。
特設ステージが、設置されていた。
「ミキ!」
紗羅が、手を振っている。
みんな、既に集まっていた。
「琴、持ってきた?」
「うん」
僕は、キャリーバッグを下ろした。
「マジで持ってきたんだ」
瞬が、笑った。
「やるって言ったから」
「じゃあ、リハやろう」
大河が言った。
ステージに上がった。
機材をセットしながら琴をステージの端に置いた。ギターも、スタンドに立てかける。
「音、出してみていい?」
スタッフに聞くと、「どうぞ」と言われた。
僕は、琴を弾いた。
旋律が、スピーカーから流れはじめる。
「おお、ちゃんと聞こえる!」
瞬が言った。
「じゃあ、一回通してみよう」
みんなで、音を合わせる。琴の音が、
ギターの音が、ドラムの音が、ベースの音が、
紗羅の声が——
全部ひとつになった。


7
午後四時。
ステージが、始まった。僕たちの出番は、三番目。
先に二組のバンドが演奏している。
観客が集まっている。夏の日差しが、強い。
子供たちが走り回って、屋台から焼きそばの
匂いがする。
僕は緊張していた。
紗羅が心配そうに言った。
「大丈夫?」
「……うん」
「じゃあ、行こう」
ついにステージに上がった。
観客の注目が集る。
マイクの前に立つと紗羅が、話し始めた。
「こんにちは!私たち『青春ズ』です‼︎」
観客から、笑い声が起きた。「青春ズ、って。」
「今日はオリジナルの曲を演奏します。
曲のタイトルは『ニコイチ』‼︎」
拍手が起きた。
「この曲は、仲間のミキが作りました。
琴とロックを混ぜた曲です」
観客が、ざわつく。琴? ロック?
僕は、琴の前に立った。絃に触れる。深呼吸。
大河が、カウントを出した。
「せーの‼︎」

8
最初の一音が、鳴った。
琴の音。静かで、澄んだ音が、
スピーカーから流れる。
観客が、静まり返った。
僕は、絃を弾き続ける。伝統的なフレーズ。
父が教えてくれた音。
琴の旋律が響く。
静かで、澄んだ音が、商店街を包んでいく。
そこに——
瞬のギターが、重なった。歪んだ音。力強い音。
琴とギターが、混ざる。
龍二のベースが入る。低音が、地面を揺らす。
大河のドラムが入る。リズムが、刻まれる。
そして——
紗羅の声が、乗った。
僕たちが一緒に作った歌詞。琴も、ギターも。
どちらも、僕の音。
全部、出すんだ。
観客が、じっと聞いている。
僕は、琴を弾き続けた。指が、自然に動く。
毎日練習した音。父が教えてくれた音。
でも、今は違う。ギターと混ざって、
新しい音になっている。
ドラムとベースに支えられて、紗羅の声に
乗っている。
Aメロ、Bメロ、サビ——
曲が、進んでいく。
そして、間奏。
僕は、琴から手を離した。ギターを手に取る。
ストラップを肩にかける。
瞬が、こちらを見て頷いた。
僕は、ギターを弾き始めた。


9
ギターソロ。
瞬と僕の、ツインギター。
歪んだ音が、響く。
琴とは違う。でも、同じなんだ。
どちらも、弦を弾く楽器。
どちらも、僕の音。
瞬が、リードを取る。僕が、ハーモニーを重ねる。
音色が絡み合う。
観客が、声を上げている。
「すげえ!」
「カッコいい!」
ギターソロが、終わった。
僕は、ギターをスタンドに戻し、
また琴の前に立った。
ラストサビ。
紗羅の声が、また乗る。
僕は、琴を弾いた。さっきより強く。
さっきより激しく。
琴の音が、ロックに乗る。
瞬のギターが、重なる。
龍二のベースが、響く。
大河のドラムが、刻む。
紗羅の声が、高くなる。
そして——
最後の一音が、鳴った。
琴の音。
静かで、澄んだ音。
でも、さっきとは違う。
ロックを通過した、琴の音。
静寂。
一瞬の、静寂。
そして——
拍手が起きた。
「すごい!」
「琴とロック、初めて聞いた!」
「めちゃくちゃカッコよかった!」
観客が、笑顔で拍手している。中には、
立ち上がっている人もいる。
紗羅が、笑っている。瞬も、龍二も、大河も。
みんな、笑っていた。
「ありがとうございました!」
紗羅が、頭を下げた。
僕たちは、ステージを降りた。


10
ステージを降りると、誰かが駆け寄ってきた。
「未来!」
その声に、僕は振り返った。
母だった。
「母さん……なんで?」
「見に来たのよ。内緒で」
母が、笑っている。
「すごかったわ。お父さんも、きっと喜んでる」
「……ありがとう」
「でも、もう時間ないでしょ? 演奏会」
母が、時計を見た。
午後四時半。演奏会は、午後六時開演。
僕の出番は、七時頃。
「急いで! 車で送るわ」
「え、でも——」
「いいから、早く!」
母が、僕の手を引いた。
琴をキャリーバッグに入れて、母の車に乗り込む。
「みんな、ありがとう!」
僕は、窓から手を振った。
紗羅たちが、笑顔で手を振り返している。
母が、エンジンをかけた。車が、動き出した。


11
車の中、母と二人。
「母さん、来てたんだ」
「うん。未来が頑張ってるの、見たかったから」
母が、笑った。
「琴とロック、すごく良かったわ」
「……ありがとう」
「お父さんもね、きっと新しいことに
挑戦してほしかったと思うの」
母の声が、優しかった。
「伝統は、守るものじゃなくて、繋ぐものだって。
いつも言ってたわ」
「……繋ぐもの?」
「そう。次の世代に、繋いでいくもの。
そのためには、変わっていくことも必要なんだって」
窓の外を景色が流れていく。商店街を抜けて、
大通りに出た。
次は、演奏会。十五代目としての、初めての演奏だ。


12
会場に着いたのは、午後五時半だった。
僕は車を降りて、琴を持った。
「未来、頑張ってね」
母が、笑った。
「……うん」
会場の入り口に、徳川さんがいた。
「未来くん!」
徳川さんが、駆け寄ってきた。
「どこに行っていたんだ!」
「……すみません」
「演奏会は、もうすぐ始まる。
準備は済んでいるのか?」
「……はい」
徳川さんの顔が、厳しい。
「もういい。とにかく、準備をしなさい」
僕は、楽屋に向かった。琴を置いて、着替え始めた。
鏡に映る自分。
これから、十五代目として演奏するんだ。
でも——もう迷いはない。全部、出す。


13
午後六時。
演奏会が、始まった。
客席には、たくさんの人がいる。風間流の関係者、他の流派の人たち、地域の人たち。母も、前の方に座っている。
最初に、徳川さんたちの演奏があった。伝統曲。
正確で、美しい音。拍手が起きた。
そして——
「次は、風間未来による独演です」
アナウンスが流れた。
僕は、ステージに上がった。琴の前に座る。
客席が、静まり返る。
徳川さんが、じっと見ている。母も、見ている。
僕は、絃に触れて深呼吸した。
そして——弾き始める。

14
最初は、伝統的なフレーズ。
父が教えてくれた音。静かで、澄んだ音。
客席が、静かに聞いている。
でも——そこから、変わっていった。
リズムが、変わる。強弱が、変わる。
伝統的なフレーズに、新しいアレンジが加わる。
さっき、夏祭りで弾いた『ニコイチ』のフレーズが、混ざる。琴だけだけど——ロックの要素が、
入っている。
客席が、ざわついた。これは——何だ?
でも、僕は弾き続けた。全部、出す。
琴も、ロックも。伝統も、新しさも。
どちらも、僕の音。
指が、絃を叩く。強く。
さっき紗羅が言った通り、強く。
音が、響く。今までにない音。
でも、父の音も、そこにある。
僕は、両方を鳴らしている。
曲が、終わった。静寂。
そして——拍手が起きた。客席が、立ち上がる。
スタンディングオベーション。
僕は、頭を下げた。


15
ステージを降りると、徳川さんが待っていた。
「未来くん」
怒られる——そう思った。
でも、徳川さんは笑っていた。
「……素晴らしかった」
「え?」
「君の音は、宗一郎先生の音を受け継ぎながら、
新しかった」
徳川さんが、僕の肩を叩いた。
「伝統も、時代とともに進化していくものなのかも
しれないな」
「……徳川さん」
「君は、十五代目として相応しい」
徳川さんが、頷いた。
「これからも、君の音を鳴らしなさい」
僕は、何も言えなかった。ただ、頭を下げた。

16
演奏会が終わった。
楽屋で、着替えていると、母が入ってきた。
「未来」
「母さん」
「すごかったわ。お父さんも、きっと喜んでる」
僕と母は力強く抱き合った。

17
母の車の助手席に座って、窓の外を見ていた。
今日、夏祭りと演奏会。両方、やった。
琴も、ギターも。
PSYCHO RADIOのメッセージが、頭をよぎった。

本当の君を全て出しなさい。
もうわかっているはずだよ。


僕は、全部出した。琴も、ギターも。
伝統も、ロックも。
どちらも、僕の音だから。


18
数日後。
夏休みが、まだ続いている。
昼過ぎ、紗羅から携帯電話に連絡が来た。
「今日、音楽室集まれる?」
「いいよ」
学校に行くと、いつもの四人が集まっていた。
「ミキ、演奏会どうだった?」
紗羅が聞いてきた。
「……うまくいった」
「よかったね!」
紗羅が、笑いなが言った。
「じゃあ、次の曲作ろうよ」
「次?」
「うん。また、琴とロック混ぜた曲」
瞬が言った。
「面白かったし、もっとやろうぜ」
龍二も、大河も頷いた。
僕は、笑顔で、
「……うん。やろう」
ギターを手に取って弦を鳴らす。
この音が、好きだ。琴の音も、好きだ。
どちらも、僕の音。
窓の外、夏の空が青い。夏休みの音楽室に、
音が響いている。



作詞:青春ズ&claude&コトリパパ
作曲:sunoAI
歌:青春ズ

ニコイチ

放課後の音楽室 鳴らした音
バラバラだったけど 今は違う
誰かが笑った 無理だって
でも私たち やってみたかった

琴もギターも ドラムもベースも
全部混ぜちゃえ 欲張りでいいじゃん
答えなんてない 自分たちで作る

二つで一つ ニコイチでいい
違うものでも 一つになれる
和もロックも 全部私たちだ
鳴らせ このメロディを 今!

悩んで迷って ぶつかって
それでも信じた この仲間を
伝統も新しさも 抱きしめて
走り出すんだ 今から

誰が何て言おうと 関係ないよ
私たちには 私たちの音
混ぜていくんだ 未来へと

二つで一つ ニコイチでいい
違うものでも 一つになれる
和もロックも 全部私たちだ
鳴らせ このメロディを 今!

二つで一つ ニコイチだから
どっちも譲れない
青春も音楽も 仲間も全部
抱きしめて 走り出せ 今!

二つで一つ ニコイチでいい
これが私たちの 音なんだ!

二つで一つ ニコイチでいい
これが私たちの青春(いま)なんだ!



PSYCHO RADIOプロジェクトvol.4「絃と弦」
いかがでしたでしょうか⁉️
あれも、これもと色々取り入れているうちに、
かなりの長文になってしまいました💦
でも、かなり熱のこもった作品になっている
と思います❗️😁

ご意見、ご感想などありましたら
コメント欄にお願いします‼️
次の作品の励みになります❗️

以上コトリパパでした!

完全燃焼で書き上げました!
また次の記事でお会いしましょう!

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