第48話 仲間図鑑 No.003 答えではなく、灯りを置く人。
コンコンコン♪

編集部の扉を叩く音がした。
「はーい😊」めりこが扉を開けると、
そこに立っていたのは、ひとつのランタンを手にした男性だった。
その人の名前は、ランタン親父さん。
……と言っても、
今日、初めて会った人ではない。
少し前から、noteで言葉を交わしていた人だった。
⸻
この人は、何をしている人なんだろう?
ランタン親父さんの記事やコメントを読むようになって、
私は少し不思議に思っていた。
この人は、いったい何をしている人なんだろう?
誰かの記事を読んでは、
本人にとっては当たり前すぎて、
まだ価値だと気づいていない経験や言葉を見つける。
そして、
「ここに、こんなものがありますよ」
と、少し見えやすい場所へ置き直す。
でも、
「こうしたほうがいい」
と、自分の答えを押しつける感じではない。
その人が歩いてきた道を一緒に眺めながら、
まだ本人にも見えていないものを探している。
そんな人だった。
やり取りを重ねながら、
私は、この人に似合うRPGの職業を考えていた。
⸻
答えではなく、灯りを置く人
誰かを強く引っぱっていく人ではない。
「こっちへ来なさい」
と、先頭から呼ぶ人でもない。
その人が、
自分の足で歩けるように。
少し先の道に、
そっと灯りを置く人。
そんな姿が浮かんだ。
そして、ひとつの言葉が生まれた。
🏮 導灯師(どうとうし)
その名前を、ランタン親父さんにお伝えした。
すると後日、
思いがけない話を聞かせてくださった。
⸻
灯りを置いていたのは、今だけじゃなかった
ランタン親父さんは、これまでいろいろな場所を歩いてきた。
アメリカで過ごした時間。
カンボジアで暮らした11年。
仕事の中で、人と人の間に立ってきた時間。
そして、途中で終わった計画や、
思うようにいかなかったこともあった。
カンボジアでは、
立場の違う人たちの間に入り、
それぞれが同じ絵を見られるようにしながら、
まだつながっていないところに
道をつくろうとしていたという。
その計画は、コロナによって途中で止まった。
けれど、
そこでやっていたことは、なくなってはいなかった。
今、noteで誰かの記事を読むときも、
ランタン親父さんは同じようなところを見ている。
その人には経験がある。
想いがある。
伝えたい相手もいる。
でも、本人にとっては当たり前すぎて、
そこにある価値が見えていないことがある。
その小さな灯りを見つけ、
その人に合った形へ置き直していく。
カンボジアでは、
人と人の間に道をつくろうとしていた。
そして今は、
人の経験と、その先にいる誰かとの間に道をつくろうとしている。
形は違っても、
ずっと同じものを探していたのかもしれない。
⸻
何者にもなれなかった?
ランタン親父さんは、62歳からnoteを始めた。
成功者として、
誰かを上から導くためではない。
本人も、まだ途中にいる。
迷ったこともある。
遠回りしたこともある。
何者かになろうとして、
答えが見つからなかった時期もあったという。
でも、
何者にもなれなかったのではなく、
ひとつの肩書きに、自分の人生を収められなかっただけなのかもしれない。
アメリカも。
カンボジアも。
仕事も。
家族も。
失敗も。
遠回りも。
一見バラバラに見えた道は、
今の自分の足元まで、ちゃんと続いていた。
だから今、
ランタン親父さんは、
誰かの記事の中にある、
その人自身にもまだ見えていない道を探している。
⸻
名前をつけたつもりだった
私は、
ランタン親父さんに新しい職業をつけたつもりでいた。
でも、どうやら少し違った。
「導灯師」という言葉をきっかけに、
ランタン親父さん自身が、これまでの人生を振り返ってくださった。
そして私も気づいた。
仲間図鑑の職業って、
その人に新しい肩書きをつけることじゃないのかもしれない。
その人がこれまで誰かに渡してきたものに、
名前を見つけること。
賢者にも。
艶姫にも。
そして、目の前にいるこの人にも。
すでに、その人だけの力があった。
私たちは、
それを見つけただけなのかもしれない。
⸻
めりこは、もう一度その人を見る。
手には、小さなランタン。
道のすべてを照らせるほど、
大きな灯りではない。
でも、
次の一歩を踏み出すには、
それくらいの灯りで十分なのかもしれない。
「ランタン親父さん😊」
めりこは笑った。
「編集部へ、ようこそ!」
そして、
仲間図鑑に新しい一行が刻まれた。
📚 仲間図鑑 No.003
🏮 職業――導灯師

誰かの人生に、答えを置くのではない。
その人が歩いてきた道の中から灯りを見つけ、
自分の足で次の一歩を踏み出せるよう、
少し先を照らす人。
⸻
そして、このときのめりこは、
まだ知らなかった。
自分が見つけた、
たったひとつの「導灯師」という言葉から、
やがて、
本当に一曲の歌が生まれることを――。
🏮🎵
つづく。
もっとランタン親父さんの世界に触れてみたい方は、ぜひnoteもご覧ください。👇
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