【のぞみん企画】「教えて!あなたの、おじいちゃん、おばあちゃん」
のぞみんさんの企画に参加します。
「隣のおじいちゃん、おばあちゃんでも構いません(笑)」
とのことだったので、今日は近所のおじいちゃんの話をさせてください。
↓のぞみんさんの記事
あれは、私が日本とアメリカを行き来していた頃のことでした。
ある日、近所の道を歩いていると、90代くらいのおじいちゃんとばったり出会いました。
当時の私は、すっかりアメリカ生活に染まっていました。
目が合うと反射的に、とびきりの笑顔で
「こんにちは!」と声をかけました。

すると、おじいちゃんは、にこっと笑って言いました。
「元気な子じゃなぁ。どこの子なんじゃ?」
あまりにも自然なその一言に、私は家を指さしながら答えました。
「そこの家です😊」
すると、おじいちゃんは目をキラキラと輝かせて、
「ほぉ! あそこにこんないい子がおったんか!」
と、それはそれは嬉しそうに笑ったのです。
……いや、リアクションが最高すぎる(笑)
当時の私は、日本にもアメリカにも居場所があるようで、どこにもないような、不思議な気持ちで暮らしていました。
だから、おじいちゃんの
「あそこにこんな子がおったんか!」
という一言は、
「ここにいていい。」
そう言ってもらえたような気がしたのです。
話の流れで、
「でも、もうすぐアメリカへ戻るんです。」
と伝えると、
「そうかぁ、そうかぁ。」
「いつまでおるん?」
と何度もうなずきながら、私の顔を見てくれました。
その眼差しには、ぬくもりがあふれていました。
そして。
話は、ここからです。
渡米する前日。
家のチャイムが鳴りました。
玄関を開けると、おじいちゃんが立っています。
そして開口一番。
「まだおった!これ、持って行き。」
なんだろうと思って見ると、小さなお守り。
それは、
四国八十八ヶ所のお遍路のお守りでした。

……え。
四国?
ここから?
話を聞いて、今度こそ本当に固まりました。
おじいちゃんは、自分でワゴン車を運転して四国八十八ヶ所を巡り、
「あのアメリカへ行く元気な子が、無事に過ごせますように。」
そう祈って、私のためにお守りを授かってきてくれていたのです。
そのお守りには、祈祷の際についたと思われる焼けた跡が残っていました。
後になって知ったのですが、それは護摩(ごま)祈祷や加持祈祷を受けたお守りでした。
仏さまや弘法大師のご加護を願い、火の力で災厄を払い、旅の無事を祈る──そんな深い祈りが込められたお守りだったのです。
そのことを知ったとき、私は胸がいっぱいになりました。
あのお守りは、ただのお守りではありません。
四国まで続く長い道のりと、おじいちゃんが私のことを思いながら祈ってくれた時間、そのすべてが宿った「祈り」そのものだったのです。
……愛が深すぎる。
行動力がすごすぎる。
優しさのスケールが、完全に規格外です。
血のつながりなんて、一滴もありません。
ただ道端で出会い、
「あそこの家の子です。」
と挨拶を交わしただけの私のために、何百キロもの道を車で走り、祈りを届けてくれる人が、この世界にはいたのです。
あの日、手渡されたお守りの重み。
「気をつけて行っておいで。」
その言葉とぬくもりは、何十年経った今でも、私の心の中に大切に残っています。
大人になった今なら分かります。
あのおじいちゃんがくれたのは、お守りだけではありませんでした。
「世界は、こんなにも温かいんだよ。」
そんな安心感だったのです。
世の中には、見返りなんて何ひとつ求めず、人を大切にできる人がいる。
私は、その事実を知っているだけで、人生はずいぶん生きやすくなりました。
だから今日も、人の優しさを信じられます。
そして、いつか私も誰かに、
「あのときのおじいちゃんみたいだな。」
そう思ってもらえるような優しさを渡せたらいいなと思っています。
優しさは、
受け取った人が、また誰かへ手渡していくから。
あの日、おじいちゃんから受け取った祈りは、今も私の心の中で、静かに灯り続けています。
のぞみんさん
今回も心あたたまる企画をありがとうございます♡
企画に参加しながら、あらためて「人とのつながりっていいなぁ」と感じました。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます🙏✨🌈
