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リニューアルされた大和ミュージアムに行ってみた

大和ミュージアム、正式名称を呉市海事歴史科学館という施設がある。戦艦大和に関する資料を筆頭に、呉の造船に関する事柄を展示している博物館だ。昨年からリニューアル工事を行なっていたのだが、それが無事終わり4月23日から営業が再開されたと聞いて、早速行ってみた。今回はリニューアルによって変化したと思われる展示物を中心に紹介していく。
なお、筆者は艦艇についてあまり詳しくない。よって、目玉となる展示物を見落としているかもしれない点をあらかじめ断っておく。全貌が気になる方は、ぜひ自らの足で訪れて欲しい。その価値がある施設なのは断言できる。
また、リニューアル前にもあった展示を、さもリニューアルによって新たに展示されたかのように書いている可能性がある点もご容赦いただきたい。すべて筆者の記憶力不足のせいだ。

外観。左手の建物はミュージアムショップ。

内部のリニューアルが中心であるため、建物自体に大きな変化はない。ただ、以前は博物館内にあった(はず)チケット販売所と売店が別の建物に移設されている。売店については売り場面積も拡大していた気がする。売店の内部は後述する。

1/10戦艦大和。ここの目玉。
1/10大和の進水式に使われた進水斧。
1/10大和の木甲板。触ることができる。
大和の探照灯の反射鏡。
大和に積まれていた参謀長公室の椅子。ダメコンの為出撃前に陸揚げされた物。

入場して順路通りに進むと、1/10戦艦大和がまず目に入る。リニューアル前からここの目玉展示だったが、今でもその立ち位置は変わらないようだ。
注目するべきは、この1/10大和に関連する展示物も増えている事だ。特に、この大和の進水式に用いられたロープカットの斧が新たに展示されている事は注目に値する。そもそも進水式を行なっていた事自体知らなかったし、それにあたって実際の船の式典に使われるのと同等のものが用意されていた事にも驚かされた。単なる展示用の模型でなく、ひとつの船舶として扱われていた事の証明だと言えるだろう。思えば、博物館の公式サイトや解説文でもあくまで「1/10戦艦大和」と記載されていて、模型とはひと言も書いていない。
戦艦大和に対しての想いと誇りが強烈に伝わってくる、大和ミュージアムの名に恥じない展示である事がより分かりやすくなったと思う。
その他、実際の大和に搭載されていた装備品などもこの区画に展示されている。1/10大和と見比べる事で、実際の大和のサイズ感を想像できるだろう。

金剛に搭載されていたボイラー。
解説文。
ボイラーの縮小模型。解説には点字もある。

展示室の方へ進むと、まずは金剛のボイラーがお出迎えだ。この展示は以前からあった物だが、触れる縮小模型の展示が追加されていた点が興味深い。隣の解説に点字が付いている点も含めて、視覚にハンディキャップがある人向けの措置だろう。単に解説文を読むだけでなく形状にも触れる事で、それがどういった物なのかより理解できるようになったのではないだろうか。これ以外の大型展示にも同じような物が設置されており、アクセシビリティが格段に拡大されたと思う。また、大きすぎて全体的な形状が分かりにくい点の改善にも一役買っており、健常者にとっても有益な展示法だろう。他の博物館でもこの方式が導入される事を願う。

比叡の進水槌。斧が使われる前は槌が使われていたようだ。
呉の発展の証拠を示す文章など。
呉の近くにある広の航空工廠の名残り。
1万5千トンプレス機。やっぱり艦艇の工作機械はスケールが大きい。

1階の資料展示室に入って驚いた。明らかに展示物が増えている。こんなのが残っていたのかと思うような物の山で、船に詳しくない自分でも圧倒されるほどだ。船が好きな人はこのフロアだけで半日が潰れるんじゃないだろうか。
展示物の中で、自分が気になった物をいくつかピックアップしてみる。

戦前に発売された艦船模型。
模型のプレートには「呉鎮許可済」の文言がある。

まず、戦前に発売された艦船模型の展示だ。想像以上に高品質で、戦後作られた物だと言われた方が納得しやすい気さえする。解説文によると、これらを発売する際には海軍の許可が必要だったようだ。その為、一部の模型には「呉鎮許可済」と書かれている。この文言は単なる許可を示すだけでなく、売り文句としても有用だったのではないだろうか。なんせ本家のお墨付きである。今で言えば、「海上自衛隊監修」といった所だ。
単なる検閲をセールスポイントに昇華させた会社が上手だったのか、それとも宣伝をしたい海軍と会社の利害が一致した結果なのかはわからないが、この辺はいつの時代も変わらないらしい。

大和を昭和天皇に説明する際に用いた展覧模型の複製。影でシルエットが浮かぶライティングが秀逸。

次は、大和の展覧模型の複製だ。昭和天皇に大和を説明する際に用いられた物を再現している。個人的には、展示物そのものよりも展示の仕方が興味深い。ライティングによって後ろの壁に戦艦のシルエットが映し出されており、とても写真映えする。模型の細部を見て考察するような濃いマニアの需要を満たしつつ、ライト層には一種の美術作品として見てもらう事を意図しているのかもしれない。少なくともライト層である自分にはアートとしての価値もあるように思えた。
ただ展示物を見せるだけでなく、こういった遊び心があると見ている側もひと息つけて、他の展示物にまた集中できるようになると思う。展示物の貴重さや面白さで圧倒するだけでなく、来場者の心理も考慮した設計がなされていて感心した。

大和に乗せられていた人形の複製と人形についての感謝状の原本。

個人的に面白かったのが、大和に献納された人形に関する展示だ。乗組員にも慕われていたらしい。随分と可愛らしい人形で、帝国海軍のパブリックイメージとはかけ離れているように思えるが、大和を動かしていたのは我々と同じ等身大の人間なのだという事を改めて伝えてくれる。
しかもこの人形は2体目らしく、以前に献納された1体目についても感謝状の中で触れている。1体目が本気で慕われていなければ、2体目が贈られる事もなかったのではないだろうか。当時の軍艦乗りの文化の一端を覗ける展示だった。
余談だが、この話、いかにも擬人化ものに取り入れやすそうなネタだと思う。どこかしらが触れてきてもおかしくないだろう。未だに大和が実装されていない某ゲームとかがやるかもしれない。あそこは意外とこういう所真面目に調査してる印象があるので。

戦艦大和の図面や報告書。
大和の他の図面。
ボイラーに関する技術資料。こういった当時の技術水準を示す資料の展示も増えている。

大和の図面やそれ以外の艦に関する図面、技術の調査資料や製図用具などの展示も以前より増えており、大和を作った造船所、ひいては造船で栄えた街としてのプライドが見て取れる。後述する工作機械などの展示からも、造船の偉大さをなんとしても伝えようという熱い気迫が伝わってくる。この姿勢はリニューアル前から変化していないが、それがより鮮明に感じられるようになったと思う。

博物館を設立する際の検討模型。
博物館の展示計画図。1/10タンカー模型も展示しようとしていた事がわかる。
戦前・戦中の展示室イメージ図。1/2水圧ポンプ模型などボツになった展示も多い。

珍しいものとして、博物館を設立する際の設計検討資料が展示されている。博物館の沿革はともかく、設計そのものの資料がある所はなかなか見た事がない。展示室の検討模型では、大きな展示物だけでなく小さめの展示物もしっかりと造形されていて、ミニチュアセットとしても面白い。検討資料としてはやたらと高品質なので、どこかにプレゼンする際の資料だったのかもしれない。
展示計画図を見ると、現在の造船および海事に関する展示にかなり注力する予定だった事が読み取れる。その力の入れ具合は凄まじく、リニューアル前どころかリニューアル後と比較しても計画案の方が詳細だと思えるほど。なんせ1/10のタンカー模型まで作ろうとしていたレベルであり、執念のような物も感じる。
おそらく予算面の都合で造船関連を縮小せざるを得なかったのだろうが、もしこの案のまま計画が進んでいた場合どうなっていたかは気になる所だ。大和についてもキッチリ展示する予定だったから、今と同じ立ち位置にはなっていたのではなかろうか。

零戦や海龍などの展示室。ここはほとんど変わっていない。
零戦62型。リニューアル前は胴体下部に爆弾の模型が置いてあったが場所が変更された。
二五番爆弾の模型。
零戦の触覚展示。展示物は62型なのに、11型〜21型相当の解説をしているパネルが少し引っかかる。

先に進んで、零戦など大型の資料を展示している区画に行く。ここに関しては、リニューアル前と比べてあまり変化はない。触れる模型の展示が追加されている事と、一部の展示物の配置が変更されているくらいだ。といっても、新しい展示がしっかりと用意されているのは抜かりない。

新たに展示された陸奥の装甲。
最も分厚い物だと40cmくらいの厚みがある。
装甲の隣には戦艦などの砲弾も展示されている。

陸奥の装甲が3種類展示されている。一番分厚い物はもはや板ではなく鉄の塊といった感じで、改めて戦艦のスケールに圧倒される。本当に、要塞が動いているような物だ。これらの展示は触れもする。もちろん触り心地は単なる鉄だったが。
装甲の隣には46cm砲弾を始めとした艦載砲の砲弾が展示されている。これらは以前から展示されていた物だが、貫通すべき目標である戦艦の装甲と同時に見られるのは面白い。装甲が鉄塊ならもちろん砲弾も鉄塊で、砲弾の力を否応なしに理解させられる。こんなのが初速7〜800m/sで撃ち出されたら大概のものは貫通するに違いないだろう。反面、実物の装甲を見ると条件次第では砲弾を防げるのにも納得できて、色々と分からなくなる。実物の持つイメージが強烈すぎるのだと思う。ここまでスケールが大きいと、計算式と実際の射撃結果だけ見た方が理解しやすいのかもしれない。
ともかく、戦艦の凄まじさがよく伝わる展示だった。

大和の航海シミュレーター。かなり並んでいたのでスルーした。
協賛・協力企業の紹介。およそ10社ほどあったと思う。
3m測距儀。
この測距儀は2025年に校正した上で展示されているのが特徴か。会社の宣伝の側面もあるかもしれない。
スループ船の初代大和。大和ミュージアムを名乗るからには、という事だろうか。

2階の展示室に移動するまでの通路にも、展示物が色々と置いてある。この辺りは、館内の展示物の提供及び修復に携わっている協力企業の紹介コーナーといった印象が強かった。
体験型の展示として大和の操艦シミュレーターもあったが、混んでいたので眺めるだけにした。次に行く機会があればやってみようと思う。

生産技術や工作機械、航空関連など様々なジャンルの発展をまとめた展示室。
壁面には各種艦艇の図面が所狭しと貼ってある。

おそらくリニューアルで一番変わったのが、この2階の展示室だろう。以前は現代の造船に用いられている技術を解説するエリアだった。展示内容は子供向けの体験展示がメインで、展示室の雰囲気もキッズスペースのような趣が強く、博物館の雰囲気から若干浮いているような感もあった。
現在ではご覧の通り、雰囲気がガラリと変化している。板張りの床に鉄骨で作られた構造物など、レトロな工場の一角のようだ。もちろん展示の内容も変わり、各種工作機械や航空・船舶エンジン、かつての技術資料や火砲などなど様々な分野の資料がこの部屋に集められている。このひと部屋だけで工業博物館を名乗れそうなくらいのボリュームがあり、何かしら興味のある物が見つかるはずだ。ここでは、これらの中から自分が気になった物をいくつか紹介する。

大型竪旋盤。下部の円盤状の物が加工素材を固定するチャック。
竪旋盤の解説。つい最近まで現役だったらしい。
普通の旋盤。船舶だとこれが小型になるのが凄まじい。
軸受けやスパナ、ボルトなど。デカすぎる。

まず、工作機械関連から見ていこう。巨大な竪旋盤が印象的だ。なんかもうデカすぎて何が何やらといった感じである。解説を読むと、1910年に導入され、2024年に解体された事が分かる。2022年の時点ではまだ現役だったようなので、100年以上運用されていたと考えて良さそうだ。サイズどころか寿命のスケールもデカかった。
また、一般的なサイズの旋盤も展示されているが、解説パネルではこれが小型旋盤として紹介されている。個人的に、小型旋盤と言われると卓上旋盤とかああいった物を思い浮かべるのだが、造船の世界ではこれが小型になるらしい。やっぱりスケールが違う。
その他、造船関連で使われていたと思しきスパナや軸受けなども展示されている。もちろんこれらもデカい。スパナに至ってはちょっとした剣のような大きさだ。ゲームとかで、大きなスパナを武器として使ってる奴はこんなのを振り回してるんだなと思うとなかなか恐ろしい。絶対に近寄りたくない。

海中から引き揚げられた3インチ砲。
砲弾の一部を用いて作られた文鎮。
九三式魚雷の鋳造部品の製造法。これを鋳造でやるとなると、かなり苦労しそうだ。
砲弾の図面。
アメリカに敷設された航空機雷の調査記録。

火砲や砲弾、魚雷などの武装に関する展示も多い。砲弾の後部を使って作った文鎮は背景情報がほとんどないが、それ故に想像のしがいがある。砲弾型の飾りもあるし、発射試験を完了した記念に作ったのだろうか。また、魚雷の中の鋳造部品の形状を見て驚いた。かなり複雑な形状の物を鋳造で作っている。しかも魚雷は量産品なので、数をこなしても品質が保たれる必要があるし、できる限り工程も減らさなくてはならないだろう。これを物にした設計者の手腕に脱帽である。
工廠で作ったものの図面だけでなく、戦争末期に投下された米軍の機雷の調査資料も展示されていた。開かれているページだけでもかなり詳細に調査されている事が読み取れる。調査の結果、機雷の寿命が半永久であると判断されており、この結論に至った時の担当者の心情を考えると気が重くなる。
なお、設計図や製造技法、技術資料に関しては他の分野でも似たようなレベルの物が山のように展示されている事を付け加えておく。

三段膨張エンジン。もちろん艦艇用。
解説パネル。
焼玉エンジン。巻上機とまとめて展示されている。
燃焼室はこのひとつだけ。いかにも無骨な姿。

船舶向けエンジンの展示もある。水雷艇に搭載されたらしき三段膨張エンジンが目玉のひとつか。船のサイズ感にもようやく慣れてきたが、それでも人の背丈を優に越すような物を見ると圧倒される。一方、先の金剛のボイラーはこのエンジンよりも遥かに大きく(ボイラーだけなのに!)、戦艦の巨大さを改めて思い知らされた。
もう一方の焼玉エンジンは比較的小柄。船上での巻上機などの動力源に使われたエンジンで、回転数は出ない代わりにトルクは高い典型的な作業用エンジンの特性を持っているようだ。確かに、これで速度を出すのは無理そうに見える。また、単純な構造故に故障も少ないらしい。

火星二一型。航空エンジンの展示はほぼ全てリニューアル前からあった物。
ハ107。解説文が刷新され、搭載された機体が記されるようになった。
(おそらく)航空エンジン唯一の新顔、XF3。

航空エンジンのラインナップはリニューアル前からあまり変わっていないが、展示場所が一ヶ所に集約されたおかげで、エンジン同士を見比べて色々考えるのがやりやすくなった。こういった動線の改善は博物館での体験にかなりいい影響を与えるのでとてもありがたい。
T-4のエンジンのF3の試作型であるXF3が新たに展示されている点も抜かりない。

木製飛行機の翼に使われた麻布の試験に関する資料。
ドイツの飛行艇Ro Ⅱを国産化しようと試みたR-3飛行艇の風洞模型。
Ro Ⅱの構造模型。
Bf109のプロペラ。
高松宮家に献上された航空機模型。戦前戦後問わず様々な機種がある。手前のものは九一式飛行艇。
献上されたMU-2の模型。他の模型と比べると特に気合が入っている。
これも献上品。F-14の空自バージョンをイメージした物。新型戦闘機(第3次F-X)選定時の売り込みの一環だろう。尾翼には"12854"の番号がある。
胴体にはミサイルが取り付けられている。形状はAIM-7に近い。また、可変翼は動かせる構造になっているように見える。
秋水のエンジンの部品。1階の展示室にある物だがここで紹介する。
ノルデン爆撃照準器。これも1階の物。
英国王立空軍博物館との連携に関する覚書。

航空関連の展示物もかなり増えた。広の航空工廠で製造されていた飛行艇に関する模型や当時の技術資料の展示といった地域に根ざした展示と、どこから手に入れたのかよく分からない不思議な展示が入り混じっていてかなり見応えがある。
しれっとBf109のプロペラが展示されているのも驚きだ。しかも触れる。国内に眠っていた可能性もなくはないが、それにしては扱いが軽い。リニューアル作業中に英国王立空軍博物館と連携した事を発表していたので、そこから貸与ないし寄贈されたのだろうか。なんにせよ、国内でBf109の要素に文字通り触れられる珍しい展示なのは間違いない。
貴重な展示といえば、高松宮家に寄贈された航空機の模型が展示されているのもそうだ。高松宮家から海軍の軍人が出ている縁でここにあるのだと思う。戦前戦後を問わず様々な機体の模型が展示されているが、一番インパクトがあるのは空自風のF-14の模型だろう。第3次F-X選定におけるセールスの一環で寄贈されたのだろうが、一体どこがやったのだろう。グラマンからの輸入代理店がやったと考えるのが自然な気もするが、もしかしたらグラマンが直接寄贈したのかもしれない。謎が深まるばかりである。
模型の細部を見ていくと、色々興味深い点がある。まず、尾翼には"12854"、機首には"854"と番号が書かれている。配備された時のイメージで機体番号を書いてある訳だが、本来は尾翼の番号は6桁のはずである。ここまでこだわってそこで間違えるのか、と思わないでもない。また、胴体の下にはミサイルも搭載されている。このミサイルの形状がAIM-7っぽいのも気になるところ。少なくとも、AIM-54には見えない。F-14は長距離ミサイルのAIM-54を運用する事で本領を発揮するはずで、売り込むにあたってそれを活かさない手はないと思うのだが。空自がAIM-54に期待しておらずAIM-7搭載の方が重要だった説、AIM-54を売る気がなかった説、製作者が詳しくなかった説(色々こだわってるのに?)などが思いつくが、筆者の知識不足と相まってよく分からない。謎の多い展示だが、面白い展示なのは確かだ。欲を言えば、これを再現した模型をグッズ化して欲しいものである。
また、展示されている階層は異なるものの、秋水のエンジンの部品やノルデン爆撃照準器なども新たに展示されていた。
先の零戦や航空エンジンの展示と合わせて、航空博物館を名乗っても遜色ないレベルで航空関連の展示が充実している。いっそ航空博物館として訪れるのもアリだろう。

陸奥の装甲を用いて作られた放射線遮蔽材。
解説パネル。
十二糎高角双眼望遠鏡。実際に覗ける。
双眼望遠鏡は修復された物のようだ。

既に述べた展示の他にも、陸奥の装甲を素材として作られた放射線遮蔽材や、艦上での対空警戒に用いられた高角双眼鏡など興味深い展示がまだまだあり、本当に飽きない施設だ。特に、高角双眼鏡は実際に使う事ができる。試しに覗いてみると、右側のレンズには距離と角度の目盛が切ってあった。左側のレンズは捜索の参考用に使うらしいので、普通は両目で捜索を行い、航空機を発見したら右目の目盛で距離と角度を得るといった要領で使うようだ。意外と凝った作りなのに感心した。

売店で買った紅茶と紅茶キャンディ。

売店は撮影不可だったので、商品のラインナップをざっくり書いておく。
大和や零戦をプリントしたハンカチやクリアファイルなどの定番品はもちろん、Tシャツや海自の識別帽っぽいデザイン帽子などアパレル類も妙に充実していた。
食品系も充実しており、中でも戦艦大和もみじ饅頭はお土産として分かりやすく、使い勝手が良さそうだった。もちろんプリントクッキーなどのいかにもお土産といった感じの菓子類も一通り揃っていて、土産物になりそうな物がないと悩む心配はないだろう。むしろどれを買えばいいかで悩むかもしれない。また、間宮羊羹やラムネなど軍艦に絡んだ食べ物も色々とある。
自分は今回紅茶の茶葉と紅茶キャンディを買った。紅茶を淹れて飲んでみると、あっさりとした飲み口ながら後味に爽やかな茶葉の香りが残って美味しかった。紅茶の味には詳しくないが、自分はいい紅茶だと思う。
紅茶キャンディの方は大当たり。その辺で売ってるような紅茶味のキャンディとは違って純粋に紅茶を水飴で固めた物なので、シンプルに紅茶の味を楽しめる。飴としてはあまり溶けにくい部類で、口の中で長持ちする。それを考慮してか甘味も必要最小限で、長く舐めていても口の中でもたつかない。これらが上手く噛み合って、キャンディというより固形紅茶とでもいうべき味わいだ。落ち着きたい時や集中したい時に1つ口の中に含むのに向いているだろう。しかもこの商品、とても安いのである。1パックに大体20個以上入って350円くらい。前述の長持ちする特性も合わせて非常にコスパがよく、とりあえずこれを買っておけば損はしない。おすすめである。自分はその辺で似たような物が売ってないか探したくなるくらいには気に入った。
書籍類も多くはないが売っている。大体は他の書店でも見かける本だが、改めて探そうとすると案外見つからず苦労する事があるので気になったら買ってみよう。博物館の収蔵品をまとめた本もあるが、オープン再開直後の時点ではリニューアル前の内容の物しか無かった。その内現在の内容にアップデートされた物が発売されるはずなので、それまで待つべきか。
その他、プラモデルや完成品の模型など色々と売っていたので、一度店内を覗いてみるといいだろう。


総じて、大幅な新規展示物の追加とレイアウトの改善が行われており、リニューアルオープンの名がふさわしい改装だった。また、名前を冠している艦艇博物館や呉市の歴史館というだけでなく、工業博物館や航空博物館としての側面も高いレベルで有していると言えるだろう。大和ミュージアムという名前ではあるが、戦艦に興味がなくても十二分に楽しめるポテンシャルがあると思う。また、様々なジャンルの展示があり、解説も過不足なく行われているので、初めて行く博物館としても適性が高いのではないだろうか。
広島駅から最寄駅までのアクセスも良好であり、そこからの道案内も丁寧なので普段旅行をしない人でも迷う事は少ないと思う。
どこかの休みで一度、行ってみることをおすすめする。

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