【正義論界隈おじさん/おばさん20人⑯】マッキンタイア(徳と伝統おじさん)
❶ インディアン虐殺
「伝統と物語を断ち切る行為だ。インディアンの徳の物語も、開拓者のキリスト教的伝統も、双方が破壊された」
❷ トロッコ問題
「AかBかという抽象的なパズルには意味がない。レバーを握る者が、どういう共同体の『物語』と『伝統』の中で生きてきたかという文脈なしに正義は語れない」
❸ 真の愛国者
「近代の薄っぺらい個人主義なんて捨ててしまいなさい。愛国心は立派な『徳』だ。自分たちの共同体が長年紡いできた伝統と物語のなかに帰りなさい」
❹ クルド人問題
「街には街の物語がある。新しく来た人も、その物語を学ばねばならない。だが古い住民も、物語を排除の棍棒にしてはならない」
❺ テロリストへの拷問(タイムボム問題)
「近代倫理学はこの問いに答えられない。なぜなら功利主義と義務論を同じ土俵で比べようとするからだ」
❻ 富裕層への重税
「富裕層への重税以前に、富を何のために持つのかという徳の物語が失われている」
❼ 死刑制度
「キリスト教的赦しの伝統か、古代的応報の伝統か—われわれはどの物語の継承者であるかを自覚せよ」
❽ ヘイトスピーチ
「ヘイトスピーチは、共通の徳の伝統を失い、バラバラになった社会の末路の風景にすぎないよ」
❾ エロマッサー
「人間の性には、愛や家族の形成という本来の『テロス』がある。手コキも売春も、等しく共同体の美徳と伝統を破壊する悪だ」(両方NG派)
❿ 政治的ステルスナッジ
「物語と伝統に戻れ。ステルスナッジは、徳ある市民の物語を破壊する操作だ」
⓫ 天皇制
「ある家系を神聖化し、ある出自を汚れとして語る伝統は、徳ではなく記憶の病である」
⓬ ベトナム戦争
「当時のアメリカ政府は、キルレシオ(敵の殺傷数)という『官僚的なマネジメント』ばかりを追求し、そこにはいかなる『共通善』もなかった」
⓭ 転売ヤー
「転売ヤーという現象は、近代市場社会が共同体の物語や祝祭など、文化的実践を解体した帰結だ」
⓮ デザイナーベビー
「近代の道徳的言語—権利・功利・自律—はこの問いに答えられない。なぜなら問いの核心は技術ではなく、人間がどんな物語の中に生きるべきかだからだ」
⓯ AIによる雇用喪失
「職人が技を磨き、共同体に貢献し、徒弟に伝える—この物語的実践がAIによって解体されるとき、失われるのは収入ではなく徳の実践の場だ」
⓰ 安楽死問題
「良き死とは何かを共同体は語らねばならない。だが、その物語が弱者に『潔く退け』と説くなら、徳ではなく残酷な美談である」
⓱ 食用ロブスターの安楽死問題
「よい料理人とは、素材を粗末にしない者だ。命あるものを扱う技芸に、苦痛への鈍感さが混じれば、それは徳ではなく習慣の劣化である」
⓲ フューチャーデザイン
「物語と伝統に戻れ。フューチャーデザインは、共同体が世代を超えて語り継ぐ徳の物語を制度として守るためのものだ」
