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映画感想文「黄金泥棒」人生に倦んだ主婦の鬱屈を田中麗奈が余すことなく表現、コメディエンヌ本領発揮

やっぱ、好きだな、田中麗奈。

美人でスタイルもいい。なのにどこにでもいる平凡な倦怠期の主婦に見える不思議よ。

子供はいなく夫婦2人暮らし。福岡に住むミカコ(田中麗奈)。家事が終わればテレビの前でだらだら。夫(阿諏訪泰義)とは仲悪いわけではない。しかしラブラブでもない。要するにお互いに飽きがきて、トキメキはない。

そんな彼女がある日、百貨店の特設売り場で金の展示会にふらりと立ち寄る。そしてなんと、高価な金のおりん(お椀型の仏具)を盗んでしまうのだ。なぜ?って、自分でも答えられない。気が付いたらデパ地下のお惣菜を入れたエコバッグに突っ込んでいた。

この、人生に倦んでいる主婦、っていう設定がよく似合うんだな、近年の田中麗奈は。

投げやりな鬱屈が虚な瞳に照らし出されてる。なんか、凄くリアリティがある。こういう人いるよね感が凄いのだ。

その上、彼女の素晴らしいところは、コメディアンヌとしての才に長けていることである。悲しみに笑いが入り混じり、なんとも言えない魔力を放つ。こう、この哀しみと笑いのミックスが田中麗奈の真骨頂だ。

あっけなく、すぐに捕まるミカコ。結果、人のよい夫は巻き添えに。しかしそこからの快進撃がすごかった。彼女の企てる人生復讐劇。これがまたアホらしくて痛快で、思わず何度も声を上げて笑った。

そして相手役の宝石商カネシロ役で森崎ウィン。この人は人懐っこい笑顔と爽やかさが売り。しかし、行きすぎるとそれが胡散臭さに変わる。本作ではそっちに振り切り。チャーミングな怪しい男をイキイキと演じてる。

あー、スッキリ。おかげで清々しいはなきん。ラストのオチも最高。爽快になりたい方におすすめ。

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