感謝の気持ちを込めて【2】#創作大賞2025 #創作大賞感想
あなたは普段、どんな役を演じていますか?
父親? 母親? 優等生?
それとも敢えて、聞き分けの悪い子供だったり?
誰に求められた訳でもないのに、
気付けば人は、
なにかの役を演じてしまっている。
或るいはそれは、演じているのではなく、
背負わされたものなのかもしれないけれど——。
そんな役など放り捨てて、
演じることを止めたとき、
人は果たして、どう変わるのでしょうか?
今日紹介するのは、PJさんの小説。
ピエロのメイクで笑う男と、
プリンセスのように愛を渇望する女の、
愛と使命の狭間で揺れる、静かで壮大な物語です。
我々は何故死ぬのか?
人は何のために生きるのだ?
そんな不穏な人工知能との会話で
幕を開ける本編は、物語の序盤、
ひとりの青年の視点から語られていきます。
青年の名前は、高畠信男。
ピエロのメイクを纏う彼が見せる芸は軽やかで、
誰もが口を綻ばせる見事なもの。
それはある意味、一瞬の快楽を与える手品であり、
観客の心から「演じている役」を奪い去る
束の間のマジック。
悲しみ、ストレス、そして怒り。
そんな感情すらをも忘れさせる、癒しの時間。
二人の喧嘩のたびに僕はおどけて見せた。
僕が変なことをやれば二人は笑ってくれた。
彼には少年時代、
壊れそうな家族を守るため、ピエロに扮して、
必死に家族を笑わせた過去がありました。
それは一瞬、家族を笑顔にし、
また元の「仲のよかった家族」に戻れると、
希望を抱かせるものでしたが、
結局はそれも無駄に終わり、
最終的には「愛する家族を失う」という
大きな喪失感を、彼は味わうことになります。
大切な誰かが〝消える〟とき、
人は孤立し、大きな選択を迫られる。
私の考えすぎかもしれませんが、
本作を語る上で外せない重要なテーマの根底が、
このエピソードに見え隠れしていると思いました。
僕のピエロには何の意味もなかった
彼はそれでも、ピエロを演じ続けました。
コントラクターの仕事をこなすのに便利だからという理由も勿論あると思います。
だけど私は、彼がピエロに扮し、
頬に涙のシールを貼りながらも、
人々を笑わせる道を「選んだ」のには、
なにかもっと深い理由があったのだと思えました。
「共闘してくれませんか?」
本作のもう1人の主人公、安藤素直からの提案。
組織に禁じられていた「呼び名」で呼び合い、
共闘の契約を打診されたとき、
主人公は大いにうろたえます。
呑んでいたジョッキを落とし、
割れたガラスで、
右の人差し指を切ってしまうほどに——。
それは単なる戦いの宣言ではなく、
彼女が選んだ「信頼という名の選択」だったのですが、それがどのようなリスクを孕んでいるのかは、ネタバレになるのでここでは控えます。
「高畠君、人は何故死ぬんだ?」
この問いに端を発した会話によって、
ドーキンスの『利己的遺伝子説』が論ぜられ、
生と死、命の仕組みを越えた「進化という選択」が大きなテーマとして浮かび上がってきます。
主人公の師匠と安藤さんによる「生物としての進化」についての会話は、非常に読み応えのあるシーンなので、ぜひ皆さんも読まれてみてください。
(該当シーンは#28にあります!)
右の人差し指が、脈を打つように痛んだ。
選択したことにより「消える」という出来事は、
決して形を持たないけれど、
その痕跡は確かに残り、
誰かの声や指先に、そっと宿り続ける——。
そして彼らが目にするその未来は……。
いったい何が失われ、
いったい何を手にするのか。
本作は、異能と使命に彩られた
ファンタジー小説でありながら、
実は最も人間的な「孤独と選択」そして、
選ぶことによる「喪失=進化か滅びか」を描いた、
サイエンスフィクションのような物語でした。
高畠信夫と安藤素直が交わした言葉と選択が、
どのような結末を迎えるのか、
皆さんもぜひ読んで、確かめられてみてください。
私もまた、この世界からふたりの未来を考え、
これからの「選択」を
問い続けていきたいと思います。
それでは、さっそく。
今夜の晩御飯は
味噌ラーメンか……塩ラーメンか……。
う~ん、非常に悩ましい。
やっぱりなにかを選び取るって、
宇宙の摂理に触れるような行為なんですね!
俺の胃袋は宇宙だ!的なね 笑

私の脳内イメージで描きました!
キャライメージを壊したのならごめんなさい!
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