【出産レポ】計画無痛分娩
2026年6月、2人目となる男の子を出産した。
今回は、初めての計画無痛分娩。
無痛だから少しは余裕がある出産になるかなと思っていたが、まさかの麻酔が効かないなど、想像していた以上に濃い一日になった。
息子誕生の分娩記録として、入院から誕生までのストーリーをここに綴っておこうと思う。
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計画予定日前日(入院日)
計画無痛分娩の予定日は、元々の出産予定日よりもちょうど1週間早い、39週0日に当たる日だった。
計画日の前日から入院することになっており、夫はこの日有給を取ってくれていた。
入院受付で午前11時に病院に来るようにと言われていたため、息子を保育園に送り出し、少し手持ち無沙汰な時間。
静かにソワソワしている私を見かねた夫が、時間まで病院近くのカフェでも行く?と提案してくれた。
数日前に夫と息子に宛てて書いておいた手紙をこっそりと息子の机に並べて置き、陣痛バッグと入院バッグを持って家を出た。
カフェでは出産前最後の夫との時間を、ゆったりと過ごすことができた。
カフェという日常の場でありながらも、私の中ではもっぱら嵐の前の静けさという感覚だった。
どうか無事に出産を終えられますように。
産後の生活を家族全員で乗り越えられますように。
そう願いながら、残りの夫との時間を惜しむように過ごした。
幸先の悪いスタート
午前11時、入院。
受付を済ませると、待機室のような部屋に案内された。ここで分娩前の諸々の処置を済ませるらしい。
これから出産までの流れの説明や、各種書類の確認などを行い、NSTで胎児の状態を確認。
その後、腕に点滴の注射、背中に麻酔を投与するための注射をする流れと説明を受けた。
NSTの間に、お昼ご飯が出た。
入院中の楽しみの一つがご飯だったので早速ご飯が食べられることが嬉しく、束の間の喜びに浸りながらベッドの上で昼食をたいらげた。

13:30過ぎ
まずは腕に点滴の注射針を打つ。
血管がなかなか見つからず、助産師さんが右腕に2回注射を失敗した。
別の助産師さんを呼び、今度は左腕で失敗し、再度右腕に刺すがまた失敗。
最終的には麻酔科の先生が来て5回目でようやく成功。それでも刺した後に血管を追いかけてグリグリと針を探られ、やっと入ったという感じだったため居た堪れなくなり、分かりづらい腕をしていてすみません、と何故か謝ってしまった。
14:00頃
無痛分娩のための麻酔の管を背中へ。
皮膚麻酔をしてから管を入れるので痛みはそこまでなかったが、管が入る感覚は少し気持ち悪かった。
麻酔の効き目を確認するため、テスト的に少量の麻酔を投与。
少し経ってから保冷剤を足やお腹、手などにあてて冷たさを確認された。
微かに冷たさを鈍く感じるところがあったりもしたが、「ここ(手)と比べて、ここ(足)の冷たさはどう?」と何度も訊かれて、正直そこまで違いがわからない部分もあった。
分からないところは、正直な反応をして応えたが、どうやら麻酔は効いているらしいと判断された。
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バルーンは激痛
14:50
先生の内診では子宮口はまだほとんど開いておらず、バルーンを入れることに。
器具だか指だかが入れられ、ググッと押されるような力が加わると、下腹部にとんでもない痛みが走った。
赤ちゃんが下がってきていないためにバルーンがなかなか奥まで入らず、力尽くで押し込まれる。
しかも、それが一瞬ではなく、しっかりとバルーンが入るまで続き、その時間の体感が非常に長く感じた。
最終的になんとか奥まで入ったが、その時点で放心状態。
個人的には、バルーンを入れた時の痛みは陣痛の次に辛かった。
点滴の注射や麻酔のための背中の注射、そしてバルーンの挿入。
当初想像していたような前日入院の過ごし方とは違い、手足に注射針、股に異物を入れられた状態で過ごす時間は、想像以上に不自由で苦痛だった。
無痛分娩に辿り着くまでにいろんなところにいろんな痛みを伴わなければならないことを実感し、また無痛分娩が完全な無痛状態にはならないことを加味すると、なんだか無痛ってそこまでメリットないかもな…などと思い、すでに少し後悔の気持ちが湧き上がっていた。
その後、待機室での全ての処置が終わり、夕方には個室へ移動した。
夕食を食べ、やっと一息つける時間。
ここぞとばかりにiPadで出産前日の気持ちを綴った記事を書いて時間を過ごした。
21時前にトイレに行くと、少量の出血があった。
ナプキンと、ティッシュに少し血がつく程度ではあったが、念のためナースコールをして助産師さんに出血があった旨を伝えた。
「バルーンが抜けたり、どろっとした出血があれば教えてください」と言われ、そのまま様子を見ることに。
22時頃、就寝。
日中少し眠ってしまったため、夜眠れないかもと思っていたが、ホットアイマスクをつけて目を瞑るとすぐに眠ってしまった。
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出産当日スタート
朝方、4:45
トイレで目が覚め、そのまま起床。
バルーンは落ちておらず、「子宮口開いてないのかな…」と若干不安になる。
6:50
LDRへ移動し、NSTを開始。
助産師さんが「お腹の形がすごく綺麗ですね。進み始めたら早そう!」と言ってくれたのだが、一人目出産時にも「子宮口が柔らかいから、進んだら早そう」と言われてぬか喜びした経験があったため、助産師さんの言葉は正直あまり素直に受け取ることができなかった。
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バルーンの恐怖、再び
8:00、院長先生による内診。
バルーンはまだ抜けてないと思ったら、実は子宮から抜けて膣にある状態。つまり実質抜けている状態だったとのこと。
子宮口は3cmに開いていた。
ここからより大きいバルーンを入れて、子宮口をさらに開いていくという説明を受けた。
またあの激痛と恐怖に耐えなければいけないのか…。
泣きそうになりながら耐え、入れ終わった後に思わず助産師さんに「バルーンはこれで最後ですか?」と確認してしまった。
「大丈夫、これで最後ですよ」と言われ、心底ホッとした。
バルーンを入れた10分後、初めて陣痛らしい痛みを感じた。
そしてその直後、トイレに行き、少しだけお腹に力を入れた瞬間、まさかのバルーンが抜けて便器の中に脱落。
子宮口が開いて抜けたにしては時間が経ってなさすぎる…これは…やり直しなのか…?!(泣)と絶望。
ひとまずトイレのナースコールで助産師さんを呼び状況を説明すると、トイレを済ませた後、また内診して確認しますね、と言われた。
最後と思っていたバルーン挿入をまた耐えなければいけない恐怖に、内診を待つ間すでに泣きそうだった。
内診すると子宮口は4cm。バルーンがうまく入ってなかったのかもと言われた。
再びバルーンを入れるための処置が取られる。痛くて痛くて全身に力が入り、声が出てしまう。
先生も助産師さんも「ごめんね、ごめんね、痛いよね、あと少し」と声をかけてくれているが、なかなか終わらない。
一度手を止めると、私の消耗した様子を見て、「子宮口が開いてバルーンが正しく落ちたのかもしれない。子宮口を柔らかくなっているから、バルーンはやめよう」と言ってくれた。
その言葉を聞いた瞬間、ホッとしてポロポロと涙が流れてきてしまい、助産師さんがタオルを手渡してくれた。
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促進剤スタート
9:23
促進剤投与開始。
30分ごとに量を増やしていくらしい。
10:50
まだ強い生理痛程度の耐えられる痛みだったため、助産師さんに痛みレベルを訊かれた時に2〜3くらいと答えた。
次にもっと痛みが強くなるようなら呼んでくださいと言われたのだが、助産師さんが部屋を出てすぐに急に痛みが強くなってきたのを感じた。
顔をしかめるくらいの痛みにまでなっており、感覚としては4〜5のレベル。
間隔も短くなってきた。
ついさっき2〜3と伝えたばかりなのに早すぎるかな、もう少し耐えた方がよいのかな、と思いつつ、やはり痛みが強くなっているのは間違いないと感じたため、11時頃にはナースコールを押した。
内診をしてもらうと、この時点で子宮口5cm。
ここから一気に進んでいく。
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麻酔が効かない
陣痛は2分間隔くらいになっていると、助産師さんが言っていた。
麻酔を入れる判断をしてくれたため、麻酔科の先生が来るのを待つ。
「先生、もう準備できてますからね」と言われたのに、なかなか来てくれず痛みもありこの時間がものすごく長く感じた。
麻酔を投与してからもすぐには痛みが引かず、麻酔が効くまでに20〜30分はかかると聞いていた。
そのため、この痛みから解放されるまでには先生が来るのを待つ時間と、そこからさらに麻酔が効くまでの時間が発生するということだ。
1秒でも早く痛みをとってほしいのに…準備できてるなら早くきてくれよと心の中で苛立っていた。
すでに時間をみる余裕もなかったが、20分くらいは経っただろうか。ようやく麻酔科の先生が来てくれた。
その時点ですでに痛みがお尻の方に下がってきて、いきみたくなる感覚があるのを感じていた。
麻酔を入れてしばらくして、何度かお腹や脚に保冷剤を当てて冷たさを確認されるが違いがよく分からない。
足先の冷たさが鈍くなってるような気がするが、それ以外はわずかな違いを感じるくらいだった。
11:41
夫に連絡をする。
電話を繋ぐ時に「話せないかもしれません」と助産師さんに伝えると、代わりに状況とすぐに来てほしい旨を話してくれた。
連絡から恐らく10分程度で夫が病院へ着き、部屋に入ってきた。
痛みで目を合わせることも声をかけることもする余裕はなかったが、姿が見えた瞬間になんだか安心して涙が溢れてきたのを覚えている。
この頃が痛みのピークだっただろうか。
痛みレベルは8〜9。いや、10に近かったかもしれない。
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麻酔が効かない原因
一向に麻酔が効かず、そうしているうちにお産は進み、先生や助産師さんたちが少しざわざわとしだしたのを感じた。
麻酔が効かないのは、どうやら管の位置?角度?が原因かもしれないとのことで、身体の向きを変えて調整してもらった。
少し楽になったものの、8が7になったかな?という程度。
何度か追加の麻酔を入れても変わらず。
そこで助産師さんが帝王切開用の麻酔を使う判断をしてくれて、また麻酔科の先生を呼ぶことに。
背中の管も入れ直しになり、先生に「痛いよ、ごめんね。」と言われたが、陣痛の痛みに比べたら全然痛みを感じなかった。
そして、この麻酔が効き始め、一気に痛みがなくなり、お腹の張りだけが分かる状態になった。
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いよいよ、出産の時
帝王切開用の麻酔が入れるとほぼ同時に、一気に分娩の準備が始まった。
もはや記憶が曖昧だが、医師の先生や助産師さんたちが少なくとも5人以上はその場にいた気がする。
お腹の張りに合わせて息を吸う練習。
左右のグリップを持ち、助産師さんの指示に従ってお腹の方を見ながら長く息を吐く。
「上手ですよ」と言ってもらえたが、正直ちゃんとできていたかは分からない。
探り探りのまま、それを何度か繰り返した。
「次にいきむ時、合図をしたら力を抜いて、手をお腹の上においてください」
その時は、それが産まれる合図だとは思っていなかった。
ただただ言われた通りに指示を受け取り、グリップから手を離して力を抜いた次の瞬間だった。
12:59
ついに、息子が誕生した。
息子は、産まれると同時にしっかりとした大きな産声を聞かせてくれた。
脚の間から小さな顔が見えると、すぐに涙が溢れた。
やっと産まれた。大事に大事にお腹の中で育ててきた、大切な大切な子。
よかった。無事に産まれてきてくれて、本当によかった。
すぐにお腹の上に赤ちゃんを持ってきてもらい、まだ産まれたてのベトベトな手足に恐る恐る触れると、「頑張ったね」と声をかけた。
そしてすぐに処置のために、赤ちゃんは別の部屋に移動された。
下の処理をしてもらいながら、助産師さんが話してくれた。
赤ちゃんが出てくる少し前に首にへその緒が巻いており、やや危険な状態だったが、助産師さんが上手に外しながら取り上げてくれたらしい。
また、本来なら出産後に使う帝王切開用の麻酔を先に使用したのも、赤ちゃんの状態を考えて早く出してあげた方がいいと判断した、と説明された。
会陰切開は約3cm程度。
縫合中、夫は別室で先に赤ちゃんと対面。
その後に夫と赤ちゃんが私のところに戻って来てくれ、3人でゆっくり過ごすことが出来た。
怒涛の分娩を終え、ついさっきまで死ぬほどの痛みに襲われていた人間とは思えないくらい普通のテンションで夫と話したり、遅い昼食を摂るなどできていた。
産まれたての赤ちゃんて、こんなにふわふわしてたっけ。
上の子が赤ちゃんだった時と、顔がそっくりだな。
保育園のお迎えまでに産むことができて、本当によかった。
初めての赤ちゃんとの時間はゆったりと、だけどあっという間に過ぎていった。
15時に面会終了となり、夫が帰宅した。
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出産直後の身体
17時半頃、歩行とトイレにチャレンジ。
歩行のためにまずはベッド横に立ち血圧を測るが、どうやら異常値が出たようで、再度測り直しになった。
自覚症状がなく、自分としては問題なく歩行できそうという感覚だったのだが。
一度座ってから、再度立って血圧を測ると正常値内に戻ったようで、慎重に歩行してみましょうと言われ、トイレまでの歩行を行うことができた。
そして、トイレ。
尿意があるのに、排尿できない状態だったため、導尿することになった。
しかし、その日の夜には自力で排尿成功。
ちょろっとだけではあったが、上の子の時には割と長いこと排尿できずにいたため、その日のうちに成功できたことが奇跡のように感じた。
21時にLDRから個室に移動し、22時すぎには就寝した。
翌朝は4時にトイレで起き、その後7時に完全に起床した。
便通もあり、母子同室が始まる前にシャワーも浴びることができた。
息子の時には時間がかかり、精神的にもキツかった身体の回復が、こんなに早く実感を得られるなんて。
身体が少しずつ日常へ戻っていく感覚が、なんだかものすごく嬉しかった。
そして10時頃、検査と沐浴を終えた息子がお部屋へ。
そこからいよいよ、母子同室。
二人目の我が子との生活が始まった。
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これを書いている現在はすでに退院しており、息子も毎日元気に泣いて、すくすくと育っている。
お腹の中にもう赤ちゃんがいない寂しさとか、新生児と過ごす日々の尊さとか、いろんな思いを巡らせながら毎日を過ごしている。
私にとって最後の妊娠、最後の出産を無事に終えることができたこと、心の底からホッとしている。
そして今過ごしているのは、最後の赤ちゃんとの日々。
この毎日を忘れてしまわぬように、少しでも記憶に刻み込んでいけるように、大切に過ごしていきたいと思う。
