【温泉探訪記#14】鉄分豊富な湯に注目!夕日が見られる湖畔のホテル「サロマ湖鶴雅リゾート」(北海道 北見市)
突然だが、皆さんは日本で3番目に大きな湖をご存知だろうか。
1位は滋賀県の琵琶湖、2位は茨城県の霞ヶ浦というのは全国的に知れ渡っていると思う。そしてそれに続くのは、我らが北海道・オホーツク地方のサロマ湖である。
サロマ湖はオホーツク海に面しており、湧別町、佐呂間町、北見市(旧・常呂町)にまたがる日本最大の汽水湖。牡蠣やホタテといった豊富な漁業資源のほか、景観も人気の観光地だ。
そんなサロマ湖沿岸の宿泊地として最も有力なのが、常呂にある「サロマ湖鶴雅リゾート」。湖岸からは夕日がよく望める絶好のロケーションであり、温泉成分も特筆すべきものとなっている。
本記事では、こちらの温泉と景色についての記録をお送りしたい。ちなみに、この度は前職を退職した際の有給消化中に訪問したため、珍しく平日である。
訪問日時:2026年4月8日(水)15時
外観〜受付
サロマ湖鶴雅リゾートは、国道238号から分かれた先の湖沿い、栄浦集落の南側に位置する。雪も解けてきて我々道民としては待ちに待ったお出かけシーズン、冬と春の狭間に流れるオホーツクの空気は限りなく澄んでいた。
ワッカ原生花園やところ遺跡の森といった観光地の玄関口であり、近くには宿泊研修施設もあるため小学校の頃から幾度となく目にしてきたこの緑屋根。まずは日帰り入浴用の駐車場に車を置いて、周りを少し歩いてみる。

ホテルとは関係ないが、この湖岸を走る道道442号は
自転車レーンの整備度が素晴らしくて好きである

ちょうどチェックインが始まってくるタイミングで、
この時も2台ほどこちらに入ってきた
左手にはサロマ湖を望み、のっけから良いムードを演出してくれる。しかしこの日はとても風が強くて寒かったので、散策はこのくらいにして建物に入るとしよう。

日陰になってしまって見づらいが、
ちょっとした庭園のよう
そんな館内に入ってまず目に入ったのは、なぜかアパレルショップ。その隣には入浴受付を兼ねた土産物売り場も一緒に並んでいて、この品揃えはなかなか珍しいと思う。
実際、オホーツクの気温はときおり意味不明な乱高下を見せることがあるから、旅の最中に良さげな服を買えるというのは結構ありがたいかも知れない。

温泉宿でよくある
こちらの方が人気がありそう

びっくりするほど立派だったので、
ぜひ入ってみてほしい
成分解説&入浴
さっそく売店で受付を済ませ、「ワッカの湯」なる温泉へ向かう。料金は大人1,200円。
余談だが、ワッカとはアイヌ語で水を意味する言葉。近くにあるワッカ原生花園の先には花の聖水という湧き水スポットがあり、私も中学校の宿泊研修の際に自転車を漕いで行ったことがある。

こちらは和風の雰囲気。
あと今更ながら、当時は前の携帯だったので乱反射が酷い⋯
ここは2階建ての男女入れ替え制となっていて、各大浴場へは専用のエレベーターで分かれていく。エレベーター前の小さなロビーには自販機と椅子があり、待ち合わせ場所にちょうど良い。

日替わりなので、宿泊すれば1泊で2通りが楽しめる
ここで恒例の分析書を見ていくと、泉質は含鉄(Ⅱ)―ナトリウム・マグネシウム・カルシウム―塩化物冷鉱泉(低張性中性冷鉱泉)と、これまで本noteで取り上げてきた分析書の中で最長!
まず含鉄泉というのが珍しい。
その名の通り鉄分を多く含むため女性の体調改善に良いらしく、通称「婦人の湯」とも称される。そのうえ保温力の高い塩化物泉だから、冷え性の方などには特に良さそう。
こうして大々的に営業するにあたっては致し方なく、加温のほか加水・ろ過循環・塩素消毒はいずれも行っているらしいが、それでも何だか凄そうだ。
それでは、いよいよお待ちかねの大浴場に入ってみよう。洗い場のシャワーヘッドはあの有名なReFa製で、こういうのには疎い私でも分かる、さすが良い物といった感触があった。
浴槽は入って右側から主浴槽、中浴槽、寝湯という並びであり、そのいずれからも明るい窓越しに和風の庭園を見ることができる。そして何より目を引くのが、含鉄泉らしさ満点の茶褐色のお湯。この辺りはあまり色のつかない温泉が多いため、特別感があり気分が上がる。

さらに寝湯の奥にある露天風呂に足を踏み入れてみると、内湯とは鉄分の酸化具合がまるで異なり、もはや真っ赤とも言える光景が。
下の写真だとあまりそんな感じはしないが、実際は底がまったく見えないほどで、浴槽に入る際の段差には気をつけたい。

露天風呂は思ったより奥に通じており、相変わらず風が吹きつける中、温かい湯に浸かりながら岩場の中を進んでいく。
春の日差しは早くも傾き始めていたものの、残念ながら1階からはサロマ湖を望むことはできなかった(まあ仮にここから湖が見えてしまったら、外から丸見えなのが確実だから仕方ないが⋯)。
ちなみに、母によると2階の露天風呂は強風による低温のため閉鎖されており、女湯からも湖は見られなかったと肩を落としていた。絶景風呂にありつくにはなかなか運がいる様子だが、一筋縄にはいかないのもまた自然相手らしい。
それでも、気温も冬に比べればずっと過ごしやすくなってきて、こうしてくつろぐのは心から気持ち良い。
露天エリアの入口には風の当たらない位置に椅子が用意されているので、久しぶりにじっくりと外気浴をした。しっかりサウナもあり、旅の疲れを取るには申し分ない所だと言えよう。
湯上がりのひととき
その後寝湯でも静かな時間を過ごし、心ゆくまで温泉を満喫した私。
脱衣所のドライヤーももれなくReFaであり、驚くことに鏡の前には自由に使って良いものと思われる化粧水もあった。男女入れ替え制だから両方に備え付けられているのだと思うが、それにしてもこれだけの備品が揃っているのは初めて。
無論、他の温泉の女性脱衣所の様子など知る由もないので、かなり新鮮な印象を受けた。
前述のエレベーターホールの椅子は2脚のみと、腰を据えて休むには少々手狭。戻ってきて売店の向こうまで移動すると湖側にラウンジがあり、そこではサロマ湖を眺めながらリラックスできる。

やはり常呂といえばホタテ
時刻は16時を過ぎ、少しずつ空がオレンジ色に染まり始めてきた。せっかくだし、日没までここで張ってみよう。

日が沈んでいくさまがよく見える。
左に張り出している建物はレストラン

ビリヤード台が雰囲気満点。
軽く覗いてみるだけでも、背伸びした気分になる
ラウンジのそばには外に出られる通路があり、湖の巨大さを遮るものなく味わえる。遊歩道には燭台のようなものも見受けられ、夜には幻想的な明かりが灯るのかと想像が膨らむ。

日の入りが近付くにつれ、
空模様もベストな状態になってきた
また、水辺ということで上空では鳥がたくさん飛んでいるのだが、ある1羽のトンビが掴んでいる獲物をうっかり落としてしまい、「あれ、どこ行った?」という感じで旋回しているのが微笑ましかった。
湖岸ギリギリの浜まで降りることもでき、寒いのを我慢しつつ日没のカウントダウンを特等席で望む。
ついに訪れたその瞬間は、17時半を少し過ぎた頃。

月並みな表現ではあるけれども、あまりに完璧なその眺めに、思わず息を呑んだ。
それ以上の言葉を並び立てるのは無粋と思うくらい、圧倒的な光景が広がっていた。

それからしばし見とれているうちに、ものの10分ほどで夕日は遠い稜線に消えていく。壮大なのに、終わりは何ともあっけない。
あっという間に、夜がやって来る。
この日の空は特に恵まれたコンディションであり、文句なしに素晴らしい絶景を拝むことができた。
それだけに、これを露天風呂から見られた時の感動が果たしてどれほどのものなのかが気になるところ。再訪を誓い、沈みきった夕日に背を向けて帰路につくのであった。
まとめ
以上のように、サロマ湖鶴雅リゾートは贅沢な眺望が楽しめる、常呂町随一の温泉ホテルである。
鉄分を多く含んだ珍しい成分に質の高い設備と、温泉自体にも見所が充実しており、旅の多彩なシーンを彩ってくれること請け合いだろう。
オホーツク観光の定番・網走からは車で約45分。
最高の景色にありつくには運も絡むものの、それもまた一興。ぜひ一度は足を運んでみてほしい。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録を書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。
