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たった4時間であなたもソムリエ!温泉の楽しみをもっと広げる資格のススメ

突然だが、皆さんは温泉ソムリエをご存知だろうか。

テレビや雑誌などでその肩書きを持つ人を目にする機会は多く、豊富な知識量で色々な温泉地の泉質・特徴などを解説する姿はもちろん、「ソムリエ」という響きも何だかカッコいい。

それゆえさぞ難しい資格なのだろうと思いがちだが、ふと気になって調べてみると、なんと3万人以上もの認定者がいることが分かった。そこで先日、私もその一員となったので、その体験をもとに温泉ソムリエのなり方やその魅力を紹介しよう。


そもそも温泉ソムリエって?

上記のような漠然としたイメージしか持っていない人も多いと思うので、まずは温泉ソムリエとはどんな存在なのかを明らかにしていきたい。

これは温泉ソムリエ協会が運営する民間資格であり、次のように定義されている。

 温泉ソムリエは新潟県妙高高原温泉郷赤倉温泉で誕生しました。
 温泉ソムリエとは、「温泉」と「ソムリエ」を組み合わせた造語です。
「ソムリエ」がワインの“知識”とテイスティングなどの“技術”を身につけていることにならい、「温泉」の“知識”と「正しい入浴法」という“技術”を身につけているのが「温泉ソムリエ」です。

『温泉ソムリエテキスト 2022年9月版』
(温泉ソムリエ協会)表紙より抜粋

これだけを読むとやはり難しそうに感じられるものの、要は温泉をより深く知ってより楽しいものにすることを目的とする資格である。

当初は赤倉温泉の従業員に限られたものだったが、今では温泉が好きな気持ちさえあればみな平等に認められる。
よって、今この記事をお読みのあなたにも、温泉ソムリエの素質があると言って差し支えない。


認定までの流れ

ではどうすれば温泉ソムリエになれるのか。

温泉ソムリエ協会が主催する講座を受けることが認定の条件となっており、講座には

  • 「温泉ソムリエ認定セミナー」(半日)

  • 「温泉ソムリエ認定ツアー」(1泊2日)

  • 「温泉ソムリエ認定講座」(オンライン)

の3種類がある。ここではもっとも一般的な「温泉ソムリエ認定セミナー」について解説する。

セミナーは、温泉ソムリエの中でも特に温泉に精通する家元師範を講師として、日本各地で定期的に開催されている。
その情報は温泉ソムリエ協会公式サイトや『温泉ソムリエのメルマガ』に載っているので、まずは自分が参加できる日程と場所で開かれるセミナーを探そう。

そこに張られているリンクをクリックすると、そのセミナーの申し込みページに飛ぶ。フォームに必要事項を入力すると担当者からメールが届き、指定された口座に受講料を振り込めば手続きは完了となる(迷惑メールなどの設定をしている人は、指定されたアドレスを許可するのを忘れずに)。
なお受講料は概ね26,400円(消費税10%込)となっている。私も最初は「ちょっと高いな」と思ったが、ここで得た情報は一生役立てられるので、(価値観は人それぞれだが)自己投資として考えれば納得できる金額ではないだろうか。

あとは会場へ行きセミナーを受講すれば、4時間後には晴れて温泉ソムリエに認定される。テストなどはないので安心してほしい。
当日の持ち物は、筆記用具カバン(テキストがとても分厚いため、大きめのものが望ましい)に加え、必要に応じて飲み物があれば大丈夫。

こうして紐解いてみると、温泉ソムリエになるハードルは案外低いのだ。


温泉ソムリエ認定セミナー体験記

それでは一番気になるであろう実際のセミナーの模様を紹介していこう。
今回参加したセミナーは、2025年4月12日(土)に札幌市産業振興センターにて温泉ソムリエ師範・さとうつとむさんが講師を務めたものである。

12:20 集合

温泉ソムリエ認定セミナー会場入口の写真
この表示が目印

高速バスと地下鉄を乗り継ぎ、息を切らして部屋に入ると時刻は12時15分。危なかった⋯。
受付の方に氏名を伝え、無事着席する。机にはテキストの他に温泉ソムリエデザインのタオルや、さとうさんが観光温泉大使を務めるニセコエリアのパンフレットなどが置かれていた。

そして定刻になりいよいよ講座が始まるかと思っていたところ、開始は12時30分からと案内があった。場所が分からなかったりしてやむを得ず遅れてしまう人もいると思うので、その人たちへの猶予としてあえて10分早い時間を伝えたのだという。実に粋な計らいである。

その間はセミナーの概要やさとうさんの自己紹介を聞いていた。師範のほかさまざまな肩書きを持ち、メディア出演も数多い有名人だが、非常に気さくな方で「気軽にトムさんって呼んでもらっていいですよ」とのこと(以後、この記事でも親しみを込めてトムさんと表記する)。
おかげで緊張がほぐれ、また参加者もみな温泉好きとあってか、空間全体が優しい雰囲気に包まれているような感じがした。


12:30 温泉の基礎知識

さて、お待ちかねの開講の瞬間だ。
テキストは全458ページと大ボリューム。しかしセミナーで触れるのは最初の3分の1くらいで、さらに要点だけを絞って解説して下さるので初心者でも安心である。

ここで多くを語るとセミナーを受ける意味がなくなってしまうので簡潔にまとめるが、まずは温泉の定義から始まり、泉質の種類などを60分かけて学ぶ。
どんな温泉がどんな人に合うかなどが気になるのはもちろん、そのほか基本的なことの中にも意外な事実があったりするうえ、何よりトムさんの軽快な語り口のおかげでどんどん話に引き込まれていった。


13:40 正しい入浴法

10分間の休憩を挟み次のテーマに移る。以降も1時間おきに休憩時間があるので、トイレや水分補給についても心配は無用だ。

入浴が健康増進に寄与するのは科学的に証明されているものの、のぼせや湯あたりなど体調不良のほか、最悪の場合は命を落とす危険も孕んでいる(実は日本における入浴に関する死亡者数は、交通事故の死亡者数よりもはるかに多い)。
健康のための入浴で体を壊してしまっては本末転倒だが、逆にその影響を上手く活かせば、健康増進効果をさらに高めることもできる。そのため、入浴が体に与える影響とその負担を最小限に抑える入浴法はぜひ身につけておきたい。


14:40 温泉分析書の読み方

最後の2時間はこれまでの集大成的な内容となる。
一般的に脱衣場などの壁に貼ってある温泉分析書からどんな温泉なのかを判断するためのポイントを知ることで、泉質を自分で考えたり、泉質名に表れない隠れた効果にも気付いたりできるようになる。最終的には、それに応じた適切な入り方を考えて実践できれば完璧だ。

この辺りは結構専門的なので、難しく感じる人もいるだろう。最初は誰しも分からないものである。しかし、大事なことは全てテキストに載っているため、復習しながら意識的に温泉に触れるうちに自ずと理解は深まるはず。
セミナー中だけで全てを網羅する必要はないので、自分に合ったペースで学ぶことを心がけよう。


16:30 認定式

そしてあっという間に4時間が経ち、ここに集った48名がついに温泉ソムリエとして認められる時がやって来た。認定証はトムさんから手渡しで授与されるので、その感動もひとしおである。

認定証を手にトムさんと撮影した記念写真
最後は記念撮影!
(トムさんご本人より掲載の許可をいただいております)

また全員の授与と撮影タイムが終わったのち、トムさんと個人的な話をしている人が見受けられたので、最後に私も少しお話をさせていただいた。
人見知りが発動してなかなか上手く話せなかったが、同行していた母のフォローにより、トムさんも網走市に在住した経験があることなど貴重なお話を伺うことができた。セミナーも含め、この度は本当にありがとうございました!


今後の展望とまとめ

こうして温泉ソムリエの称号を得るに至ったわけだが、そこがゴールではない。これはあくまで温泉をより楽しむためのスタートラインなのだ。

ここでの学びを活かして湯めぐりをするもよし、これをきっかけに本気で勉強してさらなる資格の取得を目指すもよし。また私はこの知見をもとに、行く先々の温泉を深い視点で紹介する記事を書いていきたいと思っている。

このように、温泉ソムリエは気軽に取れる資格でありながら、その活用法はさながら温泉の種類のように多彩である。少しでも興味がある人は、これを機に受講を検討してみてはいかがだろうか。


今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録などを書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。

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