ASDのある大学生のための「時間管理」の考え方
今日は、発達障害のある大学生の「時間管理」について。
10年以上、学生さんの就活準備プログラムを運営していて、個別相談ではよくそんな話になります。
・スケジュール管理がうまくいかない
・就活イベントや大学の予定がたくさん入ると混乱する
・いつも締め切りに追われて、提出がギリギリになる
就職活動が近づくと、会社説明会、オープンカンパニー、企業見学、エントリーシートの締切などなど、大学入学当初と比べると、ぐっと予定が増えてきます。
一方、大学の授業やレポート、卒論、アルバイトなど、学生生活そのものがなくなるわけではありません。
「予定が多くなると、頭がいっぱいになる」
「何から手をつけたらいいか分からなくなる」
そんな声は、ASDのある大学生からよく聞くことが多く、相談にのりながら、一緒にできそうな対策や工夫を考えるようにしています。
今回は、そんな時間管理やスケジュール管理について、考えてみます。
就活は、なぜ時間管理が難しくなるのか
就活の予定には、いくつか特徴があります。
予定が不規則
突然、締切や連絡が入ることがある
同時にいくつも進む
正解が見えにくい
早期選考の流れもあって、焦る気持ちがある
ASDのある学生さんにとっては、「先が見えない」「全体像が分からない」「優先順位がつけられない」などの状態が続くと、不安が強くなりやすく、動き出すことや一歩踏みだすこと自体が大きな負担になります。
大切なのは、うまく管理しようと頑張ることではなく、「見通しを持てる状態をつくること」なんだと思います。
時間管理の基本は「管理」ではなく「見える化」
時間管理というと、「きっちり予定通りに動くこと」「遅れないこと」をイメージしがちですが、就活準備で本当に大事なのは、時間をコントロールすることではないように思います。
大事なのは、時間や予定を「見える形」にすることです。
いつ、何があるのか
何をやればいいのか
今、やることは何か
これが見えるだけで、頭の中の混乱や不安は、かなり軽くなりますし、見通しが持てることで安心感につながり、取り組みやすくなるものです。
まずは「予定を書き出す」ことから
時間管理の第一歩は、とてもシンプルです。
授業
レポートや課題
卒論
アルバイト
就活の予定(説明会・締切など)
思い出せる範囲で大丈夫ですし、完璧に書く必要もなく、まずは「書き出すこと」が大切に思います。
書き出してみると、
「思っていたより多かった」
「少し整理された気がする」
そんな感覚が出てくる人も多いですし、学生さんとの個別面談でも、一緒に書き出すなかで整理されていく人は何人もおられたように思います。
時間管理のコツ
就活準備に限らずですが、時間管理のコツをいくつかまとめています。
こうやって書くと、僕も改めて時間管理の大切さに気づきますし、バタバタした仕事も少しは余裕をもって進められる気がします。
① 時間より「行動」で考える
「15時から2時間」よりも「エントリーシートを書く」「説明会に参加する」といった行動ベースで考える方が分かりやすくなります。
② 余白を最初から入れる
移動、休憩、気持ちの切り替えも予定の一部です。何も入れない時間も、立派な予定です。
③ 1日の上限を決める
就活も、学業も、生活も、全部を完璧にこなすのは難しいものです。
「今日はここまで」と決めることは、アリなんだと思います。
④ 締切は2つ作る
本当の締切と、自分用の少し早めの締切。
これだけで、直前の焦りは減ります。
締切を二段階にするように、「2つ作る」は僕もよくやってます。
⑤ うまくいかない日は、やり方を変える
できなかった日は、自分を責める日ではなく、「仕組みを見直す日」とすることがおすすめです。
おわりに
学生さん向けのnoteになりましたが、ASDのある大学生の就活サポートをしていて、必ず話題になるのは「時間管理」のような気がします。
情報処理に機能障害がある発達障害のある人にとって、見えないことを想像して段取り良く進めていくことは多くの情報を関連づけ・優先順位づけして取り組むことの難しさも合わさって、苦手となることが多いように思います。
ただ、「見えないことは見える化する」はひとつの方法として有効で、書き出すことで頭の中が整理される良さもあって、少しずつ見通しが持てるようになるんだと思います。
支援現場では、心配事や悩み事を聞くことは多く、支援者としてできるだけ解決への道筋をつけるサポートをしたいし、対策や工夫につながるヒントやアイデアはたくさん持ち合わせていたい。
こうやって書きながらそう思います。
今回は、学生さん向けも含めて書いてみました。
ご参考になれば嬉しいです。
