見出し画像

『未来を想い描いて(仮)』#14

◀︎『未来を想い描いて(仮)』#13

「私が目覚めたとき、LV:1で、攻撃できる武器は、このダガーしかなかったんだ」

「私の攻撃だとスライムにダメージ1しか入らなくて、スライムはHP:1でダメージ1の攻撃を受けるとHP:1のまま分裂しちゃうんだよ」

「えっ?そうなんですか?」

「むしろ、ダメージ1だけ入れる方が難しそうですぜ……」

「ガルドさん、それ嫌味かな?」

「いやいや、《あねさん》、スライムが分裂するなんて、あんまり知られてなかったもんで……」

「でも、《あねさん》、はじめはLV:1だったんですか?で、スライム3,000匹を半日くらいで倒したんですか?」

「ダガーだと、スライムを増やすだけだから、使えそうなスキルとか道具とか探したんだけど、《穴掘り》スキルぐらいしか見つからなかったんだ」

「でも、いいこと想い付いて、《スライム牧場(slime farm)》をつくったんだ」

「《スライム牧場》???」

ガルドは言葉を失った。

「……スライムを、育てたんですか?」

「そう。まず、《穴掘り》で竪穴を2つ、1mぐらい離してつくって、一方の穴にスライムを蹴飛ばして落とすんだ。最初は厚さ50cmぐらいの土を落としてみたけど、ダメージが足りなかった。次に厚さ1mの土を落としたら、ちょうどダメージ1が安定して入ったんだ」

「そうすると、1匹が2匹、2匹が4匹、4匹が8匹、8匹が16匹、16匹が32匹、……って増えていくんだ」

「ある程度増えたら、深さ10mの竪穴2つの底を横穴で繋ぐんだ。そうすると、一方で増やしたスライムがもう一方の竪穴へ移動していく。そこに厚さ10mの土を落とすと、移動してきたスライムたちを全滅させることができるんだ」

「《あねさん》、それを繰り返して、スライム3,000匹も倒したんですか?」

「よく飽きなかったですね?」

「いや、生き延びるのに必死だったんだよ!」

「嫌な緑色のスライムに毒の攻撃を受けてね」

「毒消し草も持っていなかったから、HPが少しずつ減っていったんだ」

「そのとき、レベルアップするとHPが全回復することに気付いた」

「だから、スライム牧場を遠隔で動かし続けながら、レベルアップを繰り返して、その間に毒消し草を探したんだ」

「《あねさん》、ほんとに何も持ってなかったんですね……。よく、生き残りましたね。さすが、《あねさん》だ!」

「俺なら諦めてたかもしれませんね」

「ところで、ガルドさんは《穴掘り》スキル、持ってないのか?」

「残念ながら、持ってませんや。でも、シーフなので、スキルポイントが貯まれば《穴掘り》スキルを獲得できるはずですぜ。ただ、シーフじゃ敵をまともに倒せないんで、肝心のレベル上げができないんですよ」

「なんでレベル上げできないんだ?」

「残りHP:1のスライムなら、まとめて倒せばいいんじゃないか?」

「《あねさん》! 普通は、残りHP:1のスライムが、そんな集団で現れないんですって!」

「???」

「倒せるなら、《スライム牧場》で残りHP:1のスライム100匹ぐらい簡単につくってあげるよ」

「でも、まずは、塩・コショウとかだな」

「……」

『未来を想い描いて(仮)』#15▶︎

※ featuring  シンフォニム「生存をひらく」
「危機、分析、工夫」

※ このオリジナル創作小説をイメージしてSunoにつくってもらった曲です。




 

それぞれのことばが、
迷いながら創るあなたの、小さな創作のヒントでありますように。
#創作のヒント
#思考のヒント


『未来を想い描いて(仮)』索引
◀︎『未来を想い描いて(仮)』#13
 『未来を想い描いて(仮)』#15▶︎

Photo: Unsplash
(c) s.f.出版

いいなと思ったら応援しよう!

s.f.出版 よろしければ応援お願いします。 いただいたチップは、詩やことばの創作・発信活動に活用させていただきます。

この記事が参加している募集