ADHD×双極性障害×アスペルガー症候群。それでも経営をやめなかった僕の話
はじめに|経営してる人間は、強く見えて当然だと思われる
経営していると言うと、強いと思われることが多い。
判断が速い。
メンタルが強い。
人を引っ張れる。
数字を追える。
多少しんどくても、顔に出さずに進める。
そういう人間だと思われやすい。
たしかに、そう見える瞬間はあると思う。
でも、現実はそんなに単純じゃない。
僕は、ADHDと双極性障害、そしてアスペルガー症候群の特性を抱えながら経営している。
この3つは、きれいに分かれているわけじゃない。
集中の偏り、気分の波、感覚のズレ、対人の摩耗、眠れない日、逆に動けなくなる日。
そういうものが、全部同時にやってくることがある。
しかも厄介なのは、仕事ができないわけじゃないこと。
むしろ、できる日がある。
強く出力できる日もある。
だから周りから見ると、普通にやれているように見える。
でも、その裏で自分の中はかなり不安定だったりする。
ここが一番説明しにくい。
壊れてるなら休めばいい、ではない。
元気なら問題ない、でもない。
出力できるけど、壊れやすい。
勝てる瞬間はあるけど、整えていないと一気に崩れる。
この感覚は、当事者じゃないとかなり伝わりにくいと思う。
今日はそこをちゃんと書きたい。
病気の説明をしたいわけじゃない。
可哀想だと思ってほしいわけでもない。
経営者として、どう壊れやすくて、どう戦っていて、どう整えないといけないのか。
そこを、自分の言葉で残したい。
これは、僕自身の整理でもあるし、
似たように“見えにくいしんどさ”を抱えている人への文章でもある。
第1章|ADHDは、才能の話だけで終わらせると普通に危ない
ADHDって、よくポジティブに語られることがある。
発想力がある。
多動力がある。
行動が速い。
新しいものに強い。
たしかに、その面はあると思う。
実際、僕もアイデアが一気に出る時がある。
普通の人が数日かけて考えることを、短時間で一気に組める時もある。
熱が乗った時の推進力は、自分でも強いと思う。
でも、そこだけ切り取ると危ない。
ADHDのしんどさって、“能力がないこと”じゃない。
能力の出方が安定しないことにある。
できる時は異常にできる。
でも、できない時は本当にできない。
しかも、やるべきことが嫌いだからできない、みたいな単純な話でもない。
大事だと分かっている。
やらないといけないとも分かっている。
でも、脳がそのタスクにうまく乗れない。
そのくせ、別のことには過剰に乗る。
このズレがかなりしんどい。
経営って、やる気のある時だけやればいい仕事じゃない。
気分が乗らない日でも、返さないといけないものがある。
決めないといけないことがある。
止めたら他人に影響することがある。
だから、ADHDの“波”をそのまま仕事に乗せると危ない。
アイデアだけは出る。
でも整理が追いつかない。
思いつきは強い。
でも継続が雑になる。
新しいことには熱が乗る。
でも、同じ質で積み上げるのが苦しくなる。
これ、経営では普通に致命傷になることがある。
だから僕は、ADHDを才能として美化しすぎないようにしてる。
強さはある。
でも、整えなかったらただの事故要因にもなる。
ここを見誤ると、自分を過大評価したまま壊れる。
ADHDは、武器にもなる。
でも、設計なしだと普通に自分を食う。
今の僕は、そういう認識で見ている。
第2章|双極性障害は、“気分の波”なんて軽い言葉じゃ済まない
双極性障害って、外から見ると誤解されやすい。
気分の浮き沈みがある人、みたいに軽く受け取られることがある。
でも、当事者としてはそんなレベルじゃない。
上がる時は、本当に上がる。
寝なくてもいける気がする。
判断が冴えてる気がする。
動ける。
書ける。
決められる。
アイデアも出る。
自分がかなり強い人間になったような錯覚すらある。
でも、その状態がずっと続くわけじゃない。
落ちる時は落ちる。
何もしたくない。
人と話したくない。
返事すらしんどい。
頭ではやらないといけないと分かっているのに、身体も脳もついてこない。
自己嫌悪だけが積み上がる。
ここがかなりきつい。
しかも、経営者って、波があっても仕事は待ってくれない。
今日の自分が落ちていても、会社は動いている。
相手は返事を待っている。
判断を待っている。
つまり、双極性障害の波と、経営の責任は相性が悪い。
特に危ないのは、上がってる時です。
本人は強くなった気がする。
視界が開けたように感じる。
でも実際には、判断が雑になっていたり、リスクを軽く見ていたり、広げすぎていたりすることがある。
この“自分では絶好調に見える時が、一番危ないことがある”というのが本当に厄介。
経営って、勢いがある人が勝つ場面もある。
でも、勢いだけで切ると死ぬ場面も同じくらいある。
だから、自分が今どっちの波にいるかを見誤ると、事業ごと危なくなる。
双極性障害を抱えながら経営するって、
単にしんどいだけじゃない。
自分の状態を、自分で疑いながら判断し続けることでもある。
ここはかなり消耗する。
第3章|アスペルガー症候群の特性は、“仕事に向く面”と“人間関係で摩耗する面”が同時にある
アスペルガー症候群の特性についても、よく一面的に語られやすい。
論理的。
集中力がある。
興味のある分野に深い。
細かい違和感に気づける。
これも、たしかにそう。
実際、経営や設計では助かっている部分がある。
曖昧なものを曖昧なままにしたくない。
構造を整理したくなる。
おかしい流れ、おかしい言葉、おかしい契約、おかしい数字に違和感を持ちやすい。
この感覚は武器になる。
でも、当然それだけじゃない。
人間関係の“なんとなく”が分かりにくいことがある。
言葉の裏の空気や、集団の曖昧な温度感に疲れやすい。
雑談がただの雑談で終わらず、変にノイズとして残ることもある。
相手が求めているのが正論じゃなくて感情処理だと気づける時もあれば、逆に遅れる時もある。
ここがしんどい。
経営って、構造だけでは回らない。
人も見る。
空気も読む。
感情も扱う。
つまり、論理の強さだけでは足りない場面が普通にある。
そして、アスペルガーの特性があると、この“論理では割り切れない領域”で摩耗しやすい。
自分の中では整合性が取れているのに、相手には冷たく見えたり、強すぎるように映ったりすることもある。
逆に、相手の曖昧さにこちらが疲れたりもする。
だから僕は、アスペルガーの特性を
論理で勝てる
ではなく
論理が強いぶん、感情の摩耗管理が必要
というものとして見ている。
この認識がないと、仕事はできているのに、人間関係だけで削られていく。
その削れ方って、かなり静かで、かなり危ない。
第4章|この3つが重なると、“できるのに壊れやすい人間”ができあがる
ADHD。
双極性障害。
アスペルガー症候群。
これらを一つずつ語ることはできる。
でも、実際のしんどさって、単体じゃなく重なった時に出る。
アイデアは出る。
でも、整理が追いつかない。
気分が上がると一気に進める。
でも、その勢いの判断が危ない時がある。
論理は強い。
でも、人間関係や空気の摩耗で削られる。
つまり、
できる時はかなりできる。
でも、整えていないと壊れやすい。
この構造になる。
ここが一番厄介。
外から見ると、できる部分だけが見えやすい。
発信している。
経営している。
動いている。
判断している。
だから、しんどさは見えにくい。
でも中では、かなり綱渡りの時がある。
仕事ができないわけじゃない。
むしろ出力できる日がある。
だからこそ、自分でも見誤る。
「まだいける」と思って進みすぎる。
「今回もなんとかなる」と思う。
でも、それを繰り返すとどこかで一気に落ちる。
できるから大丈夫、ではない。
できるからこそ、壊れ方が派手になりやすい。
ここは、かなり当事者として感じてきたことです。
第5章|経営で必要だったのは、根性じゃなく“壊れない設計”だった
昔は、気合いでなんとかしようとしていた。
動ける日は一気にやる。
止まりそうなら無理やり回す。
しんどくても、とりあえず出力する。
それで進める時もあった。
でも、長くやるなら無理です。
経営って、瞬間最大風速だけでは勝てない。
毎月ある。
毎日ある。
継続して判断がある。
だから必要なのは根性じゃなく、壊れない設計でした。
たとえば、
全部を自分の頭だけで持たない。
AIや自動化を入れる。
判断を減らす。
やることを減らす。
会う人を絞る。
波がある前提で予定を組む。
絶好調の自分を基準にしない。
落ちる日の自分でも死なない構造を作る。
こういうこと。
ここに気づいてから、かなり変わった。
特性を消すことはできない。
波をなくすこともできない。
でも、設計はできる。
つまり僕にとって経営って、
売上を作ること
と同じぐらい
自分が壊れない構造を作ること
でもある。
ここを無視すると、経営は普通に自傷行為になる。
逆にここを見れると、特性があること自体は即マイナスではなくなる。
勝ち方を変えるだけです。
第6章|特性があるから弱いんじゃない。整えていないと、自分で自分を壊すだけだった
ここはかなり大事なので、はっきり書きたい。
ADHDだから弱い、じゃない。
双極性障害だから経営できない、でもない。
アスペルガー症候群だから人の上に立てない、でもない。
でも、整えていないと、自分で自分を壊す。
これは本当です。
特性があること自体より、
特性を軽く見たまま、普通の人のやり方で戦おうとすること
の方が危ない。
僕もずっとそこにぶつかってきた。
普通にやればいけると思う。
頑張れば回ると思う。
寝なくても動ける時は強いと思う。
人よりも考えられるから大丈夫だと思う。
でも、その考え方が一番危なかった。
自分の特性を言い訳にする必要はない。
でも、無視していいわけでもない。
大事なのは、正しく扱うこと。
自分の波を知る。
自分の壊れ方を知る。
自分の無理のパターンを知る。
そこから設計する。
この流れが必要だった。
今の僕は、特性を“個性”とか“才能”とか、軽い言葉だけで片づける気はない。
もっと現実的に見ている。
武器にもなる。
でも、そのままだと事故る。
だから管理する。
設計する。
それだけです。
第7章|それでも経営をやめなかったのは、結局“生き方”の問題だった
じゃあ、そこまでしんどいならやめればいい。
そう思う人もいると思う。
それも普通だと思う。
でも、僕はやめなかった。
理由は、経営がただの仕事じゃなかったから。
生き方に近かったからです。
自分の考えを形にする。
自分の価値観で構造を作る。
誰と組むかを決める。
何を守るかを決める。
何を切るかを決める。
その全部を自分で引き受ける。
この感覚が、自分にはかなり大きい。
もちろん、しんどい。
普通にしんどい日もある。
止まりたくなる時もある。
でも、それでも自分の人生を他人の設計に預ける方が、たぶんもっとしんどい。
だから経営をしている。
たぶんこれは、強いからじゃない。
むしろ逆で、自分の壊れやすさまで含めて、自分で設計したいからなんやと思う。
経営って、外から見ると華やかに見えることがある。
でも実際は、かなり泥臭い。
しかも、特性があると余計に難易度は上がる。
それでもやる理由がある。
そこまで含めて、自分の人生やと思っている。
おわりに|この文章が、誰かの“見えにくいしんどさ”に触れたらいいと思う
今日は、かなり自分の内側の話を書いた。
でも、これは単なる自己開示で終わらせたくない。
たぶん世の中には、
できているように見えるのにしんどい人
強く見られるのに壊れそうな人
普通に働いているだけでかなり疲れている人
そういう人がかなりいると思う。
しかも、そのしんどさって外からは見えにくい。
だから余計に、自分でも説明しにくい。
この文章が、そういう“見えにくいしんどさ”に少しでも触れられたらいいと思ってる。
特性があること自体が全部を壊すわけじゃない。
でも、整えずに走ると、普通に壊れる。
僕が言いたいのはそれです。
だから、気合いだけで戦わない方がいい。
根性だけで回さない方がいい。
ちゃんと設計した方がいい。
それが、今の僕の答えです。
最後まで読んでくれてありがとう。
ここまで来てくれた人に、少しだけ話しかけたい。
もっと深い話は、メンバーシップで書いている。
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整形、恋愛、依存、過労、夜職。
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