最後の講義を聞いて
ある大学を退任される久米信行さんの最後の公開講義「情的向美心」のアーカイブ動画を聴講させていただきました。久米さんの最後の大学の講義が公開され聴講できたことに感謝しています。
「あなたは幸せですか?」この問いかけから始まった久米さんの講義は、幸せとは何か、そしてそれをどう掴むのかを深く考えさせられるものでした。久米さんは、幸せは外的な要因ではなく「幸せを感じる力」によるものだと語りました。
久米さんは、繊維の会社の3代目で入社後、すぐに倒産の危機や多額の負債、銀行との交渉など、幾度も崩れそうになりながらも、ご自身の胆力で乗り越えてきました。さらに、50代で大学教員になり、教育の世界に飛び込み、教えることの難しさに直面しながらも、学生に人生で大切な事は何かを伝え続けました。本当に素晴らしいと思います。
久米さんがこの講義で最も強く言われた言葉は
「人生の中で最も幸せな瞬間は、必ずしも豪華なものではない。」という言葉です。祖父が初めての給料で買ったバナナが1番美味しかったという話を孫の久米さんが聞いたという話や久米さんが家族と漁港で食べたコンビニのおにぎりが、何よりも美味しかったという話が紹介されました。
そうした経験が「財産や地位よりも大切なもの」だと言われてとても納得しました。
私自身、振り返ると確かに豪華な食事よりも、家族との日常のささいな思い出がとても幸せで大切な瞬間であると思いました。
またAIについてのお話もありました。AI時代の到来により、単純作業が減り、創造的な仕事に専念できる一方で、人間の役割が問われる時代になります。AIは知識を提供するが、それに依存しすぎると視野が狭くなり、思考停止に陥る危険もある。大切なのは、AIを道具として活用しながら、自ら考え、創造する力を持つことだと言うことがよくわかりました。
久米さんは「老人力と幼児力」の重要性を説明されました。年齢を重ねることで見えてくるあと何回好きな公園の桜が見えるだろうか?あと何回、好きな第9の合唱が聞けるだろうかという一回の重みなどと、子どものように何度でも新鮮な感動を味わえる力を併せ持つことが、「幸せ」につながるのではないかと言われ納得しました。
久米さんの講義を通して、幸せとは「状況」ではなく「感じる力」であり、それを育てることが人生の本質なのだと学びました。
これからの時代、AIがどれだけ進化しようとも、人間にしかできない「感じる力」「学ぶ姿勢」「挑戦する意志」を持ち続けることこそが、幸せにつながるのではないかと思います。
久米さんの言葉を胸に、これからの人生をより豊かにしていきたいと感じました。
